MAG2 NEWS MENU

ビジネス書を「読むだけ」はNG。時間管理のプロが教える価値を生む読書法

先日掲載の「ビジネス書は“読む”な。時間管理のプロが勧める『カップラーメン速読法』」では、まさに目から鱗が落ちると言っても過言ではない速読術を披露してくださった、6つの仕事を掛け持ちする時間管理の専門家・石川和男さん。そんな石川さんは今回、自身のメルマガ『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』で、読書を価値あるものにする方法をレクチャーしています。

※この夏、読みたいメルマガ「最高の1記事」決定! 石川和男さんの記事「ビジネス書は“読む”な。時間管理のプロが勧める『カップラーメン速読法』」が、「まぐまぐ!サマーアワード2021」読者特別賞を受賞しました。

会社がなくなっても食べて行ける術をレクチャーする石川和男さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

ビジネス書って、読んでも意味がない

アマゾンレビュー星1つもらいました!

私が監修した『今さら聞けない 仕事の超基本』というマナー本。コミュニケーション講師の宮本ゆみ子先生著、5万部、台湾版も出版されている書籍です。アマゾンレビュー(5段階の評価とともに本の感想が掲載されている欄)で、高評価や素晴らしい感想が掲載されているなか、最低評価の星1つを付けた人が2人います。

1人目の感想。「これはタイトルに“超基本”とある通り、本当に基本中の基本の事しか書いてない……」

もう1人は、「秘書検定のテキストを柔らかい表現で編集している、というような印象を受けました。自分にとって、何か新しい発見があるのでは……と期待を込めて読みましたが、5分もしないうちに読むのを辞めてしまいました。社会人として働いているなら、今更こんなこと知っていて当然では……」

2つの書評を読んで思わず笑ってしまいました。なぜなら、編集者との企画会議では、タイトルどおり基本中の基本についてとことん伝えよう、秘書検定3級レベル、社会人なら当たり前で、恥ずかしくて今さら先輩や同僚に聞けないレベル、そんなマナー本を作ろうと何度も話し合い、タイトルどおり今さら聞けない仕事の超基本だけを集めた書籍だからです。2人の書評がまさに理想形、この書評のような書籍を作りたかったのです。

「仕事の超基本」というタイトルの本を読んで、「仕事の超基本」しか載っていない。「今さら聞けない」というタイトルの本を読んで、「今さらこんなこと知っていて当然では」と書かれてしまう。アマゾンレビューでは、そんなことは多々あります。

知っているとやっているは違うんです!

ちょっと余談が長くなりました。今回は、このような読解力のない方のレビューが本題ではありません。

同じ低評価でも、こんなレビューをよく見かけます。

「すでに知っていることしか載っていませんでした」

当然、星も1つです。しかし重要なのは、知っていることではなく、いくつ実行しているかです。そういう人は、ビジネス書を読むだけ。もしくは、重要箇所にラインを引いたり、付箋を貼って、それだけで満足し、実行しない。実行しないで他の本を読み続ける。別の本に同じ記述を見つけると、鬼の首をとったように「そんなのとっくに知っているよ」と書評するのです。もし、読んだことをすべて実行に移せていたのなら、とっくに、その他大勢から抜け出しているはずです。

仕事術の本でも、「目新しいものはありませんでした」「載っている仕事術はすべて知っていました」と書き込んでいる人もいます。しかし、知っているだけでなく実践していれば、仕事の効率も高まりスキルアップしているはずです。

大切なのは、本を読むだけで満足しないこと。ビジネス書は、読むだけでは意味がないのです。

どんなに優れたビジネス書も、それを活かすかどうかは、書かれていることを実践するか、しないかで決まります。

会社がなくなっても食べて行ける術をレクチャーする石川和男さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

セミナーでは、すべてを持ち帰るな!

セミナーでも、参加するだけで満足してしまう人がいます。同じようなセミナーに参加しまくり、満足してしまう人。このような人は「セミナージプシー」と呼ばれています。ビジネス書コレクターも、セミナージプシーも、「自分は今、勉強しているんだ」と思うことで満足してしまうのです。現状の不安を払拭しているのかもしれません。

商品開発コンサルタント、ビジネス書作家、講演家、友人でもある美崎栄一郎さんのセミナーを受けたときです。

「美味しいからって、あれもこれもと食べ過ぎるとお腹を壊してしまう。お腹いっぱいになって消化不良を起こす。だったら1つだけ美味しいものを味わったほうがいい。セミナーも一緒。あれもこれも持ち返るのではなく、1つだけ持ち返って実践するほうがいい」

その話に納得した私は、主催するセミナーでは、参加者の皆さまに、冒頭で、こんなことを言っています。

「今日のセミナーで聞いたことのすべてを持ち帰る必要はありません。必要なコンテンツや、できそうなコンテンツだけを持ち帰ってください」「今日の話が素晴らしいと考えていただくのは嬉しいのですが、何でも取り入れよう、何でもやらなければいけないと思ってすべてメモしても、実践しなければ意味がありません」

「100個のコンテンツに感銘を受けメモしても、書きっぱなしでは意味がありません。それより、1つでも良いので頭に入れ、明日から実践して習慣化してください」

「良い話だな~、これも持ち帰ろう!あれも持ち帰ろう!」、そう思ってもらえるのは、講師としては本当に嬉しいのですが、お勧めできません。それよりも自分や自分の会社に合っていること、明日から役立ちそうなことのみを見つけてください。

会社がなくなっても食べて行ける術をレクチャーする石川和男さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

価値を生む読書法とは、インプットしたものをアウトプットすること

「毎月、本を30冊読んでいる」、「年間100冊読んでいる」という人がいます。たしかに、量を読むことで質へと転化することもあるので、それ自体を否定はしません。そもそもアウトプットするためには、インプットは不可欠。ただ、費用対効果の観点からいって、長時間読みっぱなしでは、読んでいる時間がもったいない気がします。どんなに大量に読んでも使いモノにならないインプットが多ければ意味がありません。知識を増やすことに関しては、AIには勝てません。なにしろ、相手はほぼ無限にインプットできるんですから。

価値を生む読書法とは、インプットしたものをアウトプットすることです。インプットしたものは、アウトプットして、初めて意味を成します。本を年間100冊読んでも、行動に移さなければ読んでいないのと同じです。だから行動しなくてはなりません。私も、「整理術」や「時間術」に関する本を年間100冊以上読みます。セミナーにも年間20回以上は参加します。学んだことを実践し習慣化したからこそ、建設会社に勤めながら、6つの仕事をこなせているのです。

もちろん、その場ですぐ行動することが難しいコンテンツもあります。良いコンテンツだなと思っても、すぐには実践できないものは、どうするか?良いなと思った言葉は、いつか使うときのためにストックしておきます。

読書中に見つけた素晴らしい言葉、いつか役に立つと思われる言葉は、ノートにメモしています。私は、読書をその本のなかから、「珠玉の1行」を見つけるためにしているのです。そして、書き留めたメモのノートを毎朝15分読んでいます。読むことで、書き留めたときには実践できなかったことが、その日、実践する日になったり、頭と身体に刻み込まれ、いざ活用する場面になったときにポンと頭から出てくるようになります。

1日15分読むだけでかなりのコンテンツを読み返すことができます。もう何回転読んだか分かりません。あなたにも、ぜひ実行していただきたい習慣です。

会社がなくなっても食べて行ける術をレクチャーする石川和男さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

image by: Shutterstock.com

石川和男この著者の記事一覧

アナタの会社はなくなる?? 平均寿命が80年、働く期間は約45年。一方、会社の平均寿命は23年と言われています。会社のほうが圧倒的に寿命が短い。さらに、AI時代の突入で、10年~20年の間に現在の仕事の9割は無くなると言われています。同じく9割の人が、今の仕事と違う仕事をしていると言われています。そんな状況のなかで、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになる方法をお伝えします。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』 』

【著者】 石川和男 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 第2木曜日・第4木曜日

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け