石破氏の立候補で状況は大きく変わる。自民総裁選挙はどうなるか?
現時点では、菅首相、岸田さん、下村さん、高市さんの4人の立候補であるが、石破さんも出る可能性がある。石破さんが出ると、状況が大きく変わることになる。
衆議院選挙も近く、8月21日と22日に自民党本部が行った世論調査の結果は、次期衆議院選挙で減少する議席数は50±10と言われているが、「それは修正された数字で、実態はもっとひどい」ようで、70議席減以上もありえるようだ。これでは、まるで2009年夏の政権交代前夜のようである。
このため、自民党幹部は、公明党が反対するのに、維新の会を政権に入れようと考えているようだ。
自民党は、飲食店を中心とした中小企業の多くを助けることもなく、潰してきたことで、自民党の中核的な支持層を失っている。GoToイート、GoToトラベルの予算が30兆円も余っていることでもわかる。これにより、多くの企業が倒産したし倒産予備軍になっている。
この支持層を自民党に戻すためには、自民党が大きく変わることをアピールしないと無理がある。そして、余っている30兆円を飲食店、旅行業界に給付する方法を考えないといけない。ワクチンパスポートによる飲食・旅行奨励も1つの方法である。
しかし、アピール力が菅首相にはないことが判明している。国民にまともに向き合わない姿勢で、いつも強気で謝ることをしない対応に、国民の多くが辟易している。自民党政権であってほしいが、菅首相はいやだというのが、国民の多くの気持ちであろう。
だが、自民党の支持率が落ちているので、議席減は仕方がないとして、菅首相で衆議院選挙を戦い、その敗北の責任から菅首相を辞任させて、次を自民党内中心に選んだ方が良いという意見もあるようだ。
しかし、これでは、国民の気持ちを忖度しない自民党幹部たちとなり、その結果は、予想以上の自民党大敗になる。政権交代の可能性もある。逆に、野党は菅首相で選挙になってほしいと望むことになる。そして、その裏付けとして、野党の世論調査では政権交代の可能性もあると出ている。
しかし、二階さん、安倍さんも菅首相でと考えているようだ。しかし、それでは、落選の可能性がある多くの議員は納得しない。このため、現時点で菅派、二階派、石原派は菅首相を押すようであるが、二階派内では、一本化の調整をしないようである。できないといった方が良いかもしれない。
安倍前首相と細田さんは菅首相を押すが、細田派内の一本化はしないようである。また、麻生派は態度保留である。そして、細田派の20名は高市さんを押すようだ。下村さんも細田派であり、推薦人20名の確保をするようである。
ということで、まだどうなるのかはっきりしない混沌とした状況である。
ここで、石破さんが立候補すると、状況は大きく変わる。今回は党員票も383票あり、議員票383票と同数になっているので、石破さんが出ると、党員票の半分以上は石破さんになる。
世論調査でも期待する自民党次期首相として石破さんは1位である。推薦人の20名が確保できれば、200票以上が石破さんになる。党員票では、4分の1は高市さん、それより少なく岸田さん。そして菅さんは少ないはず。
安倍前首相は、絶対に石破さんだけは当選させないので、岸田さんか菅さんを選ぶしかない。多くの安倍チルドレン達の当選には菅さんでは無理がある。最後には細田派、麻生派、岸田派がまとまって、岸田さん推薦になると見たい。
さあ、どうなりますか?
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