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ゼットスケーラー日本・アジア事業責任者、金田博之さんがオンラインで無料勉強会を開催します。 これまで有料で開催してきた勉強会を無料公開。この機会にぜひご参加ください。テーマ:【一枚の図で説明】アサヒビールとキリンビールから学ぶ「マーケティング戦略」とは?
日時:2021/10/9(土)10:00開始予定
視聴はこちらから。
1枚の絵で説明する:マーケティングとは?
目的
- マーケティングの本質を理解する(1枚で説明)
- キリンビールをケースにマーケティング戦略をイメージする
- マーケティング思考に不可欠な「3つの着眼点」を知る
9月に入り、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
この実践MBAのメルマガでは、9月から次のステップとして「マーケティング」についてじっくり解説していきます。
目的は、マーケティングについて本質的な部分を理解し、ビジネスに役立ててもらうこと。
具体的にイメージしやすいように、キリンビールの公開情報も用意しました。
マーケティングはビジネスにおいて大事な集客のための大事な土台となる部分ですが、この考え方は個人レベル、例えば訪問営業なんかにも応用できるものですので、この機会にぜひ学んで、あなたのビジネスに役立ててください。
それではさっそく本題といきたいところですが、その前にいくつか質問をさせていただきます。
まずこれらの質問の答えを考えていただいた上で、今日の講座を一緒に進めてください。
マーケティングって何?
あなただったらこの質問に何と答えますか?
そして、一言で言えますか?
おそらくこれを明確に答えられる人は少ないのではないでしょうか。
ではここから角度を変え、さらに深ぼった質問をしていきます。
あなたのお客さんは誰ですか?そして、なぜそう思いますか?
お客さんとは、目の前にいる相手のことではありません。逆の視点から言うと、どんな人があなたのターゲットなのか?
あなたの製品やサービスを誰に売りたいのか?
これがこの質問の意図と言ってもいいでしょう。
さらに踏み込んだ質問も用意しています。
その母集団はどれだけの大きさか?
ターゲットとなる相手は一体何人くらいいるのか?
言い換えると市場規模はどれくらいなのか?という意味の質問です。
次の質問にいきましょう。
あなたのお客さんの課題はなんですか?
課題、つまりどんな悩みや問題を解決したいのか?
言い換えると、どんな潜在ニーズが存在するのかを深く考えていくことが必要です。
次の質問です。
あなたのプロダクトが他社と違うところは何ですか?
差別化となるポイントはどこなのか。
もっと踏み込むと、お客様にとってその違いはどんな価値になるのか?
さらに質問です。
その価値をどんな手段で伝えていきますか?
どんなに素晴らしい商品でも、それを買ってほしい相手にその存在を知ってもらうことができなければ売ることはできません。では、どうやったら知ってもらうことができるのか。
これをお客さん目線で言い換えると、どうやってお客さんは価値を知るのか、という質問になります。
そして更に踏み込んでいきます。
お客さんはあなたのファンになってくれるか?そして、それはなぜですか?
お客さんがあなたの商品を買ったとして、次もその商品を買いたいと思ってくれたらそれはファンと言ってもいいでしょう。
そう思わせることができるのか否か。
そして、お客さん目線でなぜファンになるのか?
次の質問で最後です。
これらの質問を、自分主語でなくお客様主語で答えられますか?またその裏付けは?
この質問にロジカルに答えられたら完璧です。
いずれ詳しく説明しますが、顧客視点に立つことはマーケティングの重要なポイントであり、この質問に答えられるかどうかが一流と二流の分かれ目だと考えています。
質問が多く、前置きが長くなってしまいましたが、ここからいよいよ本題です。
そもそもマーケティングとはなんなのか?
マーケティングとは、集客のための戦略です。
プロダクト(製品やサービス)を売るためには、まず買ってくれる人とプロダクトをマッチングさせる必要があります。
テレビCMのように特定の客層を選んで広くリーチする方法や、予め絞り込まれたリストの中から選んで訪問営業、というのも広義ではマーケティングの一種です。
以下は先月解説した、戦略を表した図です。
軽くおさらいすると、図のように、現状から目的までどうやっていくのか?
そして途中の壁(課題)をどうやって越えるのか。その手段が戦略です。
戦略を考えるにあたっての重要ポイントは右に示した4点。
マーケティングも戦略の1つなので、この図に当てはめて考えることが出来ます。
先に結論を言ってしまいますが、マーケティングとは売れ続ける仕組みを作ること、そしてそれを顧客視点で考えることです。
まず顧客には、現状課題と目的があります。その課題を解決し、目的を達成するには?
ここに売れるヒントがあります。
キリンビールのマーケティング戦略
例として、キリンビールのマーケティング戦略を見ていきましょう。
※以下はキリンビールの公開資料から引用しています。
まず目次を見てみると、「お客様主語のマーケティング」と見出しがあり、その中に3つの変革内容が書かれています。
このサブタイトルから想像できる通り、キリンビールはいいものを作っているのに売れないという現状から、マーケティングを大きく改革したことによって国内トップシェアのアサヒビールと同等の売上規模にまで成長しました。
その内容を1つずつ見ていきましょう。
まずは、視点の転換です。ここがもっとも重要なポイントと言ってもいいかも知れません。
ビジネスとは基本的に、「自分の夢を実現したい!」という自分主語でスタートします。
しかしながら、お客様の全員が事業者の夢の実現を応援してくれるとは限りません。
基本的に、お客様はお客様の都合で商品を見ています。
つまり、「どうやって売るか」を企業視点で考えていては、お客様に適切にリーチすることは難しいのです。
以下も同資料内にあった図で、キリンビール社内で企画を通す際によく用いられていたものだそうです。
A,B,Cは、すでに他社が取っているポジションで、図の部分は空いているのでその席を狙いに行こうという説明図です。
しかし、席が空いているといってもそこにお客さんが集まるとは限りません。この考え方は、完全に顧客目線が欠けてしまっているのです。
そこに気づいたキリンは、すぐさまこの考え方を転換し、全ての判断軸をお客様に置きました。
次に、全社でブランドを育成するという考え方。
これは、組織の一体化という部分になってくるのですが、例え上層部が「お客様目線でマーケティングを!」と視点を変えて動いても、現場までその考えが届かなければ、上と下でバラバラの動きをすることになりかねません。
そこでキリンは会社と現場をつなぐ仕組みを考え、導入することでこの問題の解決を図り、「お客様目線」という視点を強化。さらには自社のブランドの育成を全社一丸となって実践していく土壌を作り上げています。
この図は、お客様の体験を表したものです。
横軸に4つのフェーズがありますが、広告宣伝・販売、販促・製品開発と、それぞれの体験を提供するのはそれぞれ違う部署です。
ということは、それぞれが異なる視点で動いていてはお客様にとってちぐはぐな体験となってしまいます。全社でブランドを育成するという意識改革を行ったことにより、そのちぐはぐを解消しました。
最後に、マーケティング人材の育成。
マーケティングとは一般的に、売れそうなプロダクトを開発するという風潮でした。
そのためか、求められる人材(スキル)の定義も曖昧なまま。そして答えの出し方がわからないので勝ちへのこだわりも弱くなっているという問題がありました。
そこで、キリンはマーケティング人材育成をしっかりやっていくためにそれら問題を抜本から変えて、新たな人材育成のスキームを作ろうと試みています。
詳しくは資料を見てほしいのですが、この施策が実を結び、キリンはコロナ禍でも売上を伸ばすことに成功しています。
これらキリンビールのマーケティング戦略を、以下にまとめました。
顧客の潜在ニーズはなんなのか?これを満たしたとき、商品は売れます。
つまり、潜在ニーズこそが目的です。
そして、企業中心に考えた商品開発、組織内でバラバラな動き、マーケティングへの意識が薄いのが、現状の姿。
そこを解決するために、徹底的に顧客視点に立ち、開発プロセスの見直しや、ブランド育成の土壌形成など、抜本的な改革を行いました。
これがキリンビールのマーケティング戦略です。
マーケティングというと、どんな広告を打つか、どんなキャッチコピーを作るかといった具体的な技術に目が行きがちですが、実はもっと深く、抽象的なところから始めなければいけません。
顧客起点マーケティングに不可欠な3つの着眼点
それを踏まえ、今回のまとめとしてマーケティングの着眼点をまとめました。
まずは自社よりも 顧客のニーズ 。
自社がやりたいことと、顧客の望むことが一致するとは限らない。顧客に合わせていくことで初めてプロダクトが売れる。
次に、個別を意識すること。
今回割愛していますが、キリンビールの資料ではN=1という言葉が出てきます。これは、特定の層をターゲットとするのではなく、たった1人の人物像を想定し、商品を届けることを考えているということ。
コピーライティングの世界には、
「たった1人に向けられたコピーは、それに近い100人の心を強く打つ。万人ウケを狙ったコピーは、99人の頭上を通り過ぎる」
という格言がありますが、これもマーケティングの大事な考え方を表しています。
最後に、感情よりも行動。
顧客の感情的な部分ばかりに着目していては、顧客が本当に望んでいるもの、その本質を捉えることはできません。
顧客がどういう行動を取るのか。その事実に注目していくことで売れるヒントを掴むことができます。
以上が、お客様主語のマーケティングの考え方です。
いかがだったでしょうか?
これをしっかりと身につけることで、あなたのビジネスは大きく成長することができるでしょう。
最後に、一流、二流、三流の違いをお伝えして終わりにします。
一流、二流、三流はここが違う!
【三流】 自社がやりたいこと、自社の製品ありきで考える (自社紹介や製品紹介のプレゼンは上手い)
【二流】 自分にとっての「顧客が誰か?」分かり、 顧客ニーズを基点に顧客と深い関わりが持てる
【一流】 あらゆる言動が「顧客主語」で考えられ、 「1人の顧客」レベルで「購買行動/変化」を逃さない
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