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「真珠を自販機で売る」という新しい発想に学ぶ、“顧客の買い方”目線

今年2月に渋谷のMIYASHITA PARKに登場するや、人気テレビ番組等でも取り上げられ大きな話題となった真珠の自動販売機が、「小さなロボット」を連れパワーアップして戻ってきていたことをご存知でしょうか。今回のメルマガ『理央 周の売れる仕組み創造ラボ【Marketing Report】』では著者でMBAホルダーの理央 周さんが、産学協働で行っている遠隔接客ロボットの実証実験を取り上げるとともに、そのメリットや改善すべき点等を解説。さらにこの先、モノを売る企業に求められるようになってくる「姿勢」について考察しています。

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なぜ、パールのアクセサリーを、自動販売機で売るのか?

サイバーエージェントの研究開発組織「AI Lab」と、大阪大学の先端知能システム共同研究講座、そして、スタートアップ企業のPRENOが協業して、遠隔で接客ができる、自動販売機の実証実験を開始しました。自動販売機の横に小さいロボットが置いてあり、前を通りかかる人に声をかけるそうなのです。

日経MJによると、離れた場所にいる、このロボットの担当者が話しかけてくるそうで、前に立つと、「液晶部分をタッチしてみてください」と言うとのことです。記者が操作したところ、「こちらはパールアクセサリーの自販機なんです」との返答が返ってきて、さらに、「お薦めはなんですか」と聞くと、販売している商品の特徴を説明してくれたとのことです。

この自動販売機は、渋谷のMIYASHITA PARKに常設してあり、ここで売られているアクセサリーは、価格帯が1,980円から1万3,200円くらいのもので、買う側の人から見ると、店員さんとの接触を減らしながら、手軽に、アクセサリーが購入できるとして、注目されています。

今まで、自動販売機というと、ジュースやタバコといった日常的に使う商品を、ジュースならその日の気分で、タバコなら指名買いで買う、というイメージでした。このパールのアクセサリーのような、じっくり選んで買うカテゴリーの商品を、自販機で売ることが新しいと言えます。

コロナの影響で、消費者が店員と非接触で、買えるように工夫する小売店も増えています。自販機以外でも、ラーメンのチェーン店が、冷凍餃子を無人販売してヒットしたことも話題になりました。

売る側としても、「対面で人間が売ろうとすると、どうしても勘に頼ることが多いけれど、AIを使うことでデータも取れる。お客様が買う時の行動をデータ化し、接客の平均化や効率化を追求したい」という狙いもあります。企業側も、人件費がかからない上に、このようにAIを使うことで、購入者や立ち寄った人たちの、行動データを入手できる、というメリットあります。

また、自動販売機は人件費を削減できる反面、置いてあるだけでは、気づかれず素通りされてしまいます。そこをAIやロボットなどの遠隔操作で補う、ということです。一方で、個人情報を含む、情報セキュリティや、人間が間に入らないので、温かみに欠ける点は、改善の余地があります。

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JR東日本クロスステーション(東京・渋谷)も、次世代の飲料自販機の展開に取り組んでいて、中央にタッチパネルのモニターがあり、カメラで前を通る人を年代や性別などで認識して、その人にあったお薦めの商品を、提案するということに取り組んでいます。駅員やバイヤーのおすすめランキングも紹介されたり、「トイレの場所を教えて下さい」と話しかけると、パネルに場所が表示されるなど、駅構内の案内にも対応します。こうなるともはや機械という感じではありませんよね。

ものの売り方もどんどん変わってきています。特に、リアルとインターネットの境目が、どんどんなくなってきている印象がありますね。これを「企業の売り方」から「顧客の買い方」に、目線を変えると、ビジネスチャンスが見えてきます。

ユーザーが欲しい物を探す時も、買う時も、そして受け取る時も、ネットとリアルの区別なく、「シームレス」に行動するようになるでしょう。そうなると、どこで売るのか、ではなく、どうやって便利に探し出してもらえるのか、どうしたら、ユーザーが便利に買うことができるのか、という目線で、販売場所を設定してく姿勢が、企業側には求められるようになっていくのです。

(※本記事は、メルマガ『理央 周の売れる仕組み創造ラボ【Marketing Report】』2021年10月5日号の一部抜粋です。続きをお読みになりたい方は、ご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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image by: Shutterstock.com

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