日本は生き残れるか?中国の「孤立」と共にグローバリズムは終焉する

 

5.自立型資本主義の可能性

世界は日本の完全な独立を許そうとしていない。日本がイノベーションを起こさないように監視し、コントロールしているのである。

中国を軸としたグローバリズムから欧米を軸としたグローバリズムに転換しようとしているが、日本は「日本を軸としたグローバリズム」を志向していないと思う。

日本人は、昔から民族独立を基本としたゆるやかな経済協力体制を目指してきた。大東亜共栄圏構想がその典型である。

そういう思想があるから、中国への支援を行ったとも言える。欧米の影響を排して、中国が自立することを良いことだと考えたのである。

したがって、台湾も自立すべきだと考えている。その台湾を中国が侵攻することは感情的にも許せないのだ。いうまでもなく尖閣諸島に圧力をかけるなどもってのほかである。

日本が考えるべきグレート・リセットは、グローバリズムを否定し、各国が経済的に独立する、自立型資本主義ではないだろうか。そして、自立した国同士で対等でフェアな貿易や経済協力を行う。

日本が考える「新しい投資プログラム」の性格も変ってくるだろう。各国が自立した経済を運営できるような経済インフラ整備がその中心になるはずだ。

中国の一帯一路のように、中国経済のためのインフラ支配ではなく、あくまでもその国の経済が自立するようなインフラ整備である。当然、その国の企業と人材を育成することも含まれるはずだ。

デジタル産業革命も、分散型で発想する。大企業を優遇するのではなく、分散型の企業ネットワークを育成していく。「分散型イノベーション」による「マイクロ経済圏」あるいは「ローカル経済圏」を構築し、それをネットワーク化していく。

自立した個人や企業が自律的に成長できるならば、大きな政府は必要ない。こんな考え方もできるかもしれない。

そうなると、左傾化というより、民族独立、自立型経済を目指すことになるだろう。

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