編集後記「締めの都々逸」
「竈の神や 便所の神の 気持ち分からぬ 一神教」
世界の人達は、他人の気持ちを察するよりも、自分の気持ちを表現することを優先します。これが国際標準。
だから、「世界の平和と発展」と言ったとしても、当然、自国の平和と発展を優先し、国よりも家族や個人の平和と発展を優先するわけです。これは常識であり、暗黙の了解事項です。
でも、日本人は自分の気持ちを表現する前に、相手の気持ちを察するので、自分の気持ちを殺してしまうことさえあるんですね。
そして、「自国が貧しくなっても、世界が平和になればいい」と本気で考えてしまう。
こうした自己犠牲の精神は、宗教的な思想や体験があって、初めて獲得するものとされています。しかし、日本は違うんです。
この段階で、資本主義なんて超越しているんですが、更に強欲な経営者の気持ちを優先して、自己犠牲の精神を発揮してしまったりするんです。これ、日本の思想の課題ですね。(坂口昌章)
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