世界中のメディアで大々的に報じられている、ジェフリー・エプスタイン氏をめぐる膨大な量の文書内容。その中で浮上したのは、アメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボとエプスタイン氏とのあまりにも不適切な関係でした。今回のメルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』ではジャーナリストの上杉隆さんが、公開された「エプスタイン文書」を徹底的に分析し、伊藤穣一氏がラボ内で果たしてきたとされる「役割」を検証。その上で、学術機関が「富と権力」に侵食されうる構造と、誰一人として実質的な処罰を受けていないという「説明責任の欠如」を厳しく問うています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:エプスタイン・ファイルが暴く伊藤穣一氏とMITの闇~米司法省公開文書が明らかにした 「東欧美女」「ビルゲイツ」「匿名寄附」の謎を解明する
エプスタイン・ファイルが暴く伊藤穣一氏とMITの闇~米司法省公開文書が明らかにした 「東欧美女」「ビル・ゲイツ」「匿名寄附」の謎を解明する
ジェフリー・エプスタイン――2019年8月、ニューヨークの拘置所で自殺したとされる億万長者の性犯罪者。彼の名前は、権力者たちの暗部を照らし出す象徴となった。そして、その光は遠く日本人テクノロジストにまで届いている。伊藤穣一、通称「Joi」。MITメディアラボの所長として、テクノロジー界のスター的存在だった男の転落は、エプスタインとの癒着によって引き起こされた。
本稿は、2026年1月31日に米司法省の公開した約350万ページに及ぶ「エプスタイン文書」、2020年の法律事務所Goodwin Procterによる調査報告書、さらにロナン・ファロー記者(ニューヨーカー誌)らの徹底取材によって明らかになった証拠文書と2019年のスクープ記事を綿密に分析し、元ニューヨークタイムズ取材記者の私、上杉隆がNYタイムズ時代の知己と独自のAI解析(AI Media Uesugi Prompt)を用いて追加取材を行い、伊藤穣一が何をしたのか、そしてMITメディアラボがいかにして性犯罪者との関係を隠蔽しようとしたのかを明らかにする(なお、調査・取材・解析等は約3週間かけてすべて英語で行っている)。
「ヴォルデモート」――口にしてはならない名
「彼の名前を口にしてはいけない」
MITメディアラボの職員たちは、ジェフリー・エプスタインをこう呼んでいた。「ヴォルデモート」。『ハリー・ポッター』シリーズの悪役にちなんだ隠語である。あるいは「He who must not be named(名前を言ってはいけないあの人)」。
これは冗談ではなかった。そして、組織ぐるみの隠蔽工作の証拠ともなった。
2014年9月、伊藤穣一は電子メールでエプスタインに研究所への資金提供を依頼した。「もう10万ドル追加で出してもらえないか?契約をあと1年延長したいんだ」。エプスタインは即座に「イエス」と返信した。伊藤はこのメールをスタッフに転送し、こう書き加えた。
「これは必ず匿名として記録すること(Make sure this gets accounted for as anonymous)」
メディアラボの開発戦略ディレクター、ピーター・コーエンは念を押した。「ジェフリーの寄付は匿名にする必要がある。よろしく(Jeffrey money, needs to be anonymous. Thanks)」
これは氷山の一角に過ぎない。今回公開された電子メール群は、伊藤穣一とMITメディアラボが、性犯罪者であることを知りながらエプスタインから資金を受け取り、その事実を組織的に隠蔽していたことを示している。
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