4.欧米を軸とした新たなグローバリズム
中国を軸としたグローバリズムは終焉したが、コロナ禍の中で、欧米を軸としたグローバリズムが始まろうとしているのかもしれない。「グレート・リセット」とは、欧米を軸とした新たなグローバリズム宣言ではないのか。そう考えると、ステークホルダー資本主義の意味も変ってくる。あくまで欧米のステークホルダーが中心であり、アジアやアフリカ諸国はステークホルダーとは入っていないのだ。
最も典型的な事例がワクチンである。ワクチンは欧米で開発され、世界に供給された。中国もワクチンを開発したが、欧米のワクチンほどの有効性はないようだ。
そして、ワクチンについては国連のWHOより、アメリカのCDCが主導権を握ってい
る。
感染拡大時期には、日本発の安価なアビガンやイベルメクチン等の治療薬が注目されたが、ワクチンが供給されるようになると、一切の報道もなくなり、ワクチン接種だけが唯一の解決策であるかのように報道された。欧米を軸としたグローバリズムにおいて、日本の存在は邪魔なのだ。
医療と健康の分野において、中国の信用は落ちており、欧米を軸とした世界市場がワクチンにより構築されたとも言える。
更に、中国のIT企業が世界市場から退場したことで、米国のメガテックが再び独占状態になろうとしている。
米国のGAFAと並び称された中国のBATH、すなわちBaidu(バイドゥ)・Alibaba(アリババ)・Tencent(テンセント)・Huawei(ファーウェイ)各社は、おそらく中国国営企業になっていくに違いない。そして、成長のモチベーションを失うだろう。
エネルギーについても、中国を排除してしまえば、環境問題を絡めながら欧米企業が主導権を握れる。
軍事的には、既に米国が覇権を握っており、日本は完全に米国のコントロール下にある。英国も日本との同盟を希望しており、これも見方を変えれば、米英による日本の押さえ込みとも言える。更に、豪州の軍事力を増強し、磐石の体制を構築しようとしている。
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