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ドラゴン桜の指南役が父親に伝授、子供の才能を伸ばす“6つの褒めるコツ”

子供を伸ばす父親には褒め上手が多いそうです。しかし、どうやって子供をほめればいいのかわからない…というお父さんも多いかもしれませんね。今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では漫画『ドラゴン桜』の指南役として知られ、23年間の公立小学校勤務の経験を持つ親野智可等さんが、褒め上手な父親になるための6つのコツを伝授しています。 

ほめ上手な父親になろう「その1」 ――「ほめ方がわからない」お父さんに贈る「6つのコツ」

子どもを伸ばす父親はほめ上手が多い。ほめるのが下手で、子どもが伸びることは稀だろう。

多くのお父さんたちは頭ではそのことをわかっていると思うが、いざとなると、うまくほめられない。「いまさらほめるのも恥ずかしい」気持ちがあるのかもしれないが、ほめ方がわからない、何をほめていいかわからない、という人もいるだろう。

そこで、今回と次回の2回にわたって、お父さん方の苦手な「ほめ方のコツ」をお教えしよう。

ご紹介するポイントのいくつかを「だまされたと思って」実践すれば、みるみる子どもが自信をつけ、伸びることは間違いない。それに万一効果がなかったとしても、マイナス面は何もない。まずは実践してみてはどうだろうか。

以下、いくつかのポイントを順次見ていこう。

大事なコツは、ポイントを絞ってほめること

1.ピンポイント法

重要なコツのひとつ。ほめるところを絞ってほめる方法だ。たとえば、子どもの漢字書き取りノートを見たとき、お父さん方の9割は、字が汚くてイライラすることだろう。それが普通だ。

しかし、中にはきれいな字もいくつかはあるはずだ。そこに丸を付けてほめる。汚い字には目をつぶって、比較的きれいな字だけをピンポイントでほめる。

これを毎日続けて丸が増えてくると、子どもは不思議なことに、だんだんていねいに書くようになる。わざわざ「ていねいに書け」と言わなくても、必ずそうなるのだ。

丸を付けてほめた後、「書き直したいと思う字はある?」と聞いてみよう。ほめた後に聞くことが重要だ。すると子どもは「この字を直したい」というから、書き直させて、またほめる。これを繰り返せば、必ずていねいに漢字を書くようになる。

次のコツは、短所をどうほめるか

2.短所言い換え法

親というものは、子どもの短所ほど目につくものだ。ダラダラしている、やるべきことをやらない、整理整頓をしないなど、「子どもの短所を挙げてください」と訊くと、スラスラといくつも言える親が多い。

ところが、子どもの長所を挙げてくださいというと、なかなか出てこない。しかし、大人も同じだが、短所は長所の裏返しである。ここが重要だ。

何でも後回しにして遊んでしまう子は、「度胸がよい」「神経が太い」とも言える。これは、大人になってから大事な資質だ。

いつも気を抜けない神経質な人では、大きな仕事を任されたときにその重圧に参ってしまう恐れがある。
その点、神経が図太い子は、トラブルが起きても乗り越える力があるかもしれない。

 に「家に帰ったら宿題をしないと気がすまない」性格は、もしかしたら長所ではないかもしれない。親としてはすばらしい長所に思えても、将来を考えると、逆に不利かもしれない。

つまり、要は親の見方だ。そういう目で見れば、宿題をしてなくても平気で遊べる子が、頼もしく見えてくるだろう。

親が子どもを見るときに「直すべき短所」と否定してしまうのではなく、「ちょっと別の角度から見る」ことは大切だ。短所は長所の裏返しであり、無理に矯正してしまうことで、子どもの長所を奪っているかもしれないのだから。

他の子と比較せず、我が子を虚心坦懐に見つめよう

3.成長評価法

我が子を他の子と比べたくなるのは人情だが、子どもの成長には個人差がとても大きい。いろいろなことが早くできるようになる子も、遅い子もいる。人と比較して人より遅いところ、劣っているところを矯正しようとするべきではない。

他の子と比べるのではなく、その子自身が以前に比べて成長した点、良くなったことを見つけて、ほめよう。たとえそれがほんの少しでも、とにかく前進しているのだから、それはすごいことだ。

多くの親は「何年生までには、こんなことができていないといけない」というイメージを抱きがちだ。そんな考えは必要ない。

固定的なイメージを持っていると、左右の靴を間違わずに履けるようになったとか、繰り下がりの計算ができるようになった、掛け算九九ができるようになった、などといった「その子にとってはすごい進歩」が、「やっとできたか」「できて当たり前」などと、逆に叱る材料になってしまう。

その子ががんばってできるようになったことは、素直に親としてほめてやろう。
他の子と比べずに、自分の子をしっかりと見つめよう。

我が子を「一歩下がって見る」目が大事

4.個人内評価法

前項の「成長評価法」は時間軸による評価だが、個人内評価法は、その子の中でいいことを見つけてほめる方法だ。

たとえば、勉強で理科が比較的できるならば、たとえ他の子より成績が悪くてもほめる。算数が苦手でも、計算ができるならば、「計算が得意だね」とほめる。

やはり、他の子と比較せず、その子の中で、いいことを見つけようとすれば、いくつもほめることは出てくるはずだ。

5.一歩下がり法

「ほめようにも、我が子には得意なことがない」という親もいるが、毎日、元気で過ごしているだけでもすばらしいことだ。

字が雑だと言っても、字が書けるだけでもすごいことだ。これは冗談で言っているのではなく、本当にそうなのだ。

親は、わが子ができることに対しては「できて当たり前」と思ってしまうことが多いので、ほめられない心境になってしまう。

つまり「当たり前」と思うと、さらに先を見て、欠点ばかりに目が行ってしまう。
たとえば、字が書けることより、雑なことが目についてしまう。

親のイメージや願いは子どもとは無関係に勝手に進んでしまうものだが、一歩下がって見つめると、ほめる要素はたくさん出てくる。

上を見ればきりがない。勉強ができない、成績が悪いと言っても、ちゃんと字は書けるのだから、あわてることはない。

自分の子ども時代を振り返って、子どもをほめよう

6.我が身振り返り法

親はいつも子どもを評価する側に立っているが、ときには親自身が自分を振り返って、子どもを見てほしい。

自分はルーズだが子どもは几帳面だとか、自分はあきらめやすいが子どもは粘りがある。あるいは、自分は怒りっぽいが子どもはいつも穏やかにニコニコしている。――よく考えると、親よりもいい点が、子どもになにかあるはずだ。

親はそれに気づいていても、ほめる材料になっていない。もし、子どもが頑張り屋なら、こう言ってほめやろう。

「お父さんは三日坊主だけど、お前は偉いな」

こう言うと、子どもは大喜びするはずだ。あるいは、親の子ども時代と比べてほめてやる。

「お父さんは子どもの頃、~だったけど、お前はすごいな」

小学生にとって、親は子どもの尊敬の対象だ。だから、その本人からそう言ってもらえると、自信になる。ときには多少のウソが混じってもいいだろう。

「お父さんなんか算数で100点を取ったことがないのに、すごいな」

というようなウソは許されるウソだ。

「お父さんが子どもの頃、賞状なんてもらったことがないのに驚いたよ」

昔と違って今は賞状を乱発するので、子どもが賞状をもらう機会は多い。そこで「昔の賞状より価値が低いな」などとは言わずに、ほめてやればいい。

会社でも同じだろう。部下はほめて伸ばすことだ。

「俺の新入社員時代より、お前たちは進んでいるな」

と言えば、新人も喜ぶだろうが、普通は

「俺たちの新入社員時代に比べて、お前らは~」

と非難になる。一度、我が身をふり返って、部下の美点を見つけてはどうだろうか。

次回も引き続き、ほめ方のコツをいくつか検討していくので、ぜひ実践してみてほしい。

初出「親力養成講座」日経BP 2009年5月29日

image by: Shutterstock.com

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5年連続でメルマガ大賞の「教育・研究」部門賞を受賞!家庭教育メルマガの最高峰。教師生活23年の現場経験を生かし、効果抜群の勉強法、子育て、しつけ、家庭教育について具体的に提案。効果のある楽勉グッズもたくさん紹介。「『親力』で決まる!」(宝島社)シリーズは30万部のベストセラー。

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【著者】 親野智可等 【発行周期】 不定期

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