「現場に任せている」と口にする経営者は多くいます。もちろん経営する会社やお店の規模にもよりますが、売り上げは思うように上がっていないかもしれません。なぜでしょうか?そこで今回は、無料メルマガ『飲食店経営塾』の著者で飲食店コンサルタントの中西敏弘さんがアドバイス。売上を大きく変える、経営者の行動を紹介しています。
会社全体で、店舗オペレーションを極める風土を醸成しないか?~会社の売上は、1店1店の売上の「和」である~
店の売上を左右するのは、お客様の満足度であり、満足して再度店に足を運んでいただければ、売上が上がっていきますし、仮に1度は来店しても、それっきりになってしまうと、売上は思うように上がっていきません。
飲食店の売上は、その地域でしっかりとお客様ニーズに応えられるようなコンセプトが確立していることが最低条件にはなりますが、現場のオペレーションの出来、不出来で、売上が大きく変わってきます。
つまり、冒頭でも述べた通り、お客様満足度をどれだけ高められるかが、売上を大きく左右するわけです。
しかしながら、多くの会社を見ていると、意外に店のオペレーションの質に、イマイチ関心がない(薄い)経営者さん、幹部さんが多いな、と感じています。
やる気や気持ち面に関して話が及ぶことはあっても、
・どうやればもっと接客レベルが上がるか
・どうやれば商品のレベルが上がるか(商品開発には皆さん興味がありますが…)
・どうやれば提供時間が短縮できるか
などに関しては、「現場のことは…」と、いい意味で言えば、「現場に任せている」、悪い意味で言えば、「現場に任せっぱなし、興味がない?分からない」といったところでしょうか?
もちろん、それぞれの役職に役割があり、社長には社長の仕事があります。
ただ、規模が小さい時は、社長の興味が、社員の行動に大きな影響を及ぼします。つまり、社長がオペレーションに関して深堀しないと、会社全体の風土としてどうしても「オペレーションはそれなりに…」という感じになってしまうのです。
社長自身が、「こんな接客ができるようならないか?」「もっとお客様への気遣いを強化できないか?」「提供時間、もう少しなんとかならないか?」「生産性を上げるために、この時間帯の人数を1人減らしてできるオペレーションができないか?」とどんどん現場に介入するぐらいでないと、現場のオペレーションレベルは上がらなないのです。
飲食企業が売上を上げるというのは、1店1店の売上を上げることが必要であり、そのためにも、10店舗未満ぐらいまでは、トップがもっと現場の仕事に介入すべきなのです。
そうしないと、結局は会社の売上は上がらないし、規模の拡大なんて到底無理なのです(もちろん、社長の右腕がきちんと育っていれば、その人が中心にやっても構いません)。
これを読んでいる経営者の皆さん。あなたの店のオペレーションの質を上げることをもっと目指しませんか?
社長の関心事が、スタッフの関心事です。社長が先頭に立って、オペレーションの質の向上に力をいれ、「売上を上げる=オペレーションの質の向上」という風土を作り上げていきましょう。
そうすることが、販促費を下げる一番の対策です。
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