活動休止中のジャニーズグループ「嵐」の松本潤(38)がかつてないピンチを迎えている。現在放送中の主演ドラマ『となりのチカラ』(テレビ朝日系)が視聴率1桁台をばく進中、もはや浮上のきっかけすらつかめていない。満を持して挑んだ意欲作だが、予想外の結果となってしまった原因はどこにあるのだろうか?芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんがズバリ、その“犯人”を指摘しています。
ドラマ『となりのチカラ』視聴率惨敗のワケ
『となりのチカラ』が大変なことになっているようです。
『嵐』松本潤のテレビ朝日での初連ドラ出演や、その妻役に上戸彩という話題で“新世代ヒーロー誕生!”と盛り上げ、初回の視聴率も11%台を記録したのですが…。
その後数字は右肩下がり、第6話では8%を切り“危険水域”に突入してしまったのです。口の悪い局幹部の中には“みっともないから打ち切り、打ち切り!”なんて半分ジョークを口にする輩もいるようです。
オンエア前に松潤は、“失敗しないドクターの次に、失敗だらけの中途半端な男を演じることになりました”と、同じ木曜10時枠の『ドクターX~外科医・大門未知子~』を意識した発言をしました。
ところが米倉涼子超えどころか、水面下で同局と交わしていた続編の企画も反故にされるだろう…と噂されるほどの結果になってしまいました。
新しい金脈を模索していたテレビ朝日としても“せっかく松潤を引っ張り出したのに…”と頭を抱えているのが本音でしょう。
関係者に取材してみると、どうやら視聴率低迷の要因は脚本だという声が多く聞かれました。
このドラマは2011年の『家政婦のミタ』で社会現象まで作り出し、最終話では視聴率40.0%という驚異的な数字を叩き出した遊川和彦が脚本(1話と4話は演出も)担当していますが、“芸に溺れた…”という内緒話がチラホラと聞こえてきます。
ドラマを面白くしようとする余り、役を作り過ぎたと指摘する関係者が少なくないのです。
これに更に火に油を注ぐ形となったのが、遊川の現場介入だと言われています。
ベテランの芸能マネージャーは「昔からドラマの書き手が現場で口出しするとろくなことがない…と言われているんですよ」と芸能界の慣習を披露してくれました。
1回手を離れた本は、現場の演出家に任せた方がその作品の完成度は高くなるというわけです。
【関連】知られざるパパ活アイドルの実態。「乃木坂46」中西アルノは氷山の一角、芸能界に蔓延する深い闇
また別の関係者は、松潤が台詞の多さに大変な思いをしているという話をしてくれました。
さらにスタッフが思わず目を背けてしまったのは、遊川の過剰とも思える現場での演技指導で、延々と続いたそれは、役者のモチベーションを下げてしまう程だった、とも教えてくれました。
遊川が現場に現れた瞬間、“重苦しい空気がどんよりと漂い出す…”とスタッフのひとりは漏らすのです。
『となりのチカラ』の低視聴率に、来年の大河『どうする家康』(松潤が主演)のスタッフも気が気でないと思いきや、こんな答えが返ってきました。「全く気にしていませんョ」と。
その理由として“テレ朝の制作スタッフは、松潤の見せ方を把握していない”というのです。
つまり小栗旬や木村拓哉のような人気俳優には独特の見せ方があり、『となりの~』では松潤の魅力が十分に生かされていないということらしいのです。
「あれでは松潤のドラマというより、遊川さんのドラマです…」とも。
この取材で、今からちょうど10年前の朝ドラ『純と愛』の舞台裏のことを思い出しました。
これは遊川が初めてNHKで朝ドラの脚本を書いたことが話題になりましたが、あのときも脚本家の現場介入が度々話題になっていたのです。
熱心さの余り主演女優と遊川の関係がギクシャクし始め、主役交代という物騒な話も噂されていました。
これで視聴率が良ければ何のことはなかったのですが、主演の夏菜は“朝ドラ史上最も印象の薄かったヒロイン”という肩書きで酷評されることになってしまいました。
爆発的ヒットも出すけれど、役者の良さを完全に消してしまう結果を招くこともあるのが人気脚本家の特徴だと思います。
はたして松潤はこの経験をプラスに変えることができるのでしょうか。
『コンフィデンスマンJP』シリーズや『リーガル・ハイ』を手掛けた古沢良太他スタッフは、松潤の魅力を伝えることができるのでしょうか。
『鎌倉殿の13人』に続いて、来年も日曜20時はテレビの前に座っていられればいいのですが…。
【関連】木村拓哉の実母に工藤静香が激怒!?「キムタクママ」全面押しで公演活動、新たな火種で“嫁姑問題”勃発か
プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao
記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」
image by : NuN547 / shutterstock