MAG2 NEWS MENU

習近平「台湾侵略計画」が発覚。ウクライナ戦争で頓挫も消えぬ中国の野心

習近平主席が今年の春にも台湾の完全接収を検討していたとする機密文書が、ロシア連邦安全局(FSB)から漏洩。ロシアがウクライナに侵略戦争を仕掛けたことで、計画変更を余儀なくされたものの、すぐにでも対策を取る必要があると訴えるのは、台湾出身の評論家・黄文雄さんです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で黄さんは、ロシアへの軍事支援が明らかになり、経済制裁が中国にも及んだときに台湾と尖閣の危機が一気に高まると警戒。有事でも平時でも現実に向き合おうとしない日本の左翼に「プーチンに憲法9条の無償提供を」と皮肉を送り、苦言を呈しています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年3月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

中国と台湾の真実を最もよく知る黄文雄先生のメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

【中国】台湾侵略の予定が発覚!習近平プーチン化の恐れと日本の覚悟

俄機密情報文件外洩 驚爆習近平盤算「接管台灣」時間點!(ロシア機密文書が流出、習近平が「台湾乗っ取り」の時期を計画していたことが明らかに) – 自由時報電子報

ロシアのウクライナ侵略が続くなか、ロシア連邦安全局(FSB)から機密文書が漏洩し、習近平主席が今年の春にも台湾の完全接収を検討していたことが明らかになりました。

ロシアの人権団体である「GULAGU NET」の代表であるウラジミール・オセチキン(Vladimir Osechki)氏は3月10日、フェイスブックにFSBから流出した機密文書の報告書を公開しました。

それによると、習近平は今年秋の共産党大会で最高指導者としての3期目を確実にするために、2022年に「台湾を全面占領」することを検討していたといいます。しかし、2月24日からのロシアのウクライナ侵攻を受け習近平の政敵たちを勢いづかせ、台湾攻撃の可能性は低まったと論じています。

この機密文書の信頼性ですが、欧州の調査報道賞を受賞したジャーナリスト、クリスト・グゼロフ氏がFSBの元幹部や現役幹部に確認したところ、2人とも自分たちの同僚が書いた機密文書に間違いないと証言したそうです。

FSBはかつてプーチン大統領が在籍したKGBの後継機関です。最近、ウクライナ情勢を報告する役目を担っていたFSB幹部が、思わしくない戦況の責任を取らされて、自宅軟禁されたという報道もありました。FSB内部が割れていて、機密文書流出もその一環だと目されています。
ロシア情報機関に異変か 「誤算」で幹部軟禁、内部告発も―ウクライナ侵攻:時事ドットコム

機密文書の内容が本当であれば、以前にメルマガで書いたように、ロシアのウクライナ侵攻が習近平の計画を打ち砕いたことになります。実際、これほどウクライナが善戦し、さらには西側諸国が結束し、一丸となってウクライナ支援、ロシア制裁を行うとは、プーチンも習近平も思ってなかったのではないかと思います。

陸続きであってもこれだけロシアが苦戦するのですから、海を隔てた島国への侵攻は更に困難を伴います。加えて、ロシア国内で広がりつつある反戦、反プーチンデモも、習近平にとっては懸念材料でしょう。もしも中国が台湾への侵略戦争を始めれば、ウイグルや内モンゴル、チベットなどで反政府デモが発生する可能性もあります。

中国と台湾の真実を最もよく知る黄文雄先生のメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

今年1月、カザフスタンで反政府デモが発生し、治安部隊との衝突で200人以上の死者を出す事態となりましたが、このとき習近平はデモを力で排除したカザフスタンのトカエフ大統領に対して、「政治家としての責任を示した」と称賛を送りました。

もちろんカザフスタン政府はロシア寄りであり、ロシアを中心とする集団安全保障条約機構(CSTO)のメンバーです。要するに専制国家であることを互いに称えあっているのです。そしてこれは、カザフスタンに対する外交辞令であると同時に、中国国内の不満分子に対する牽制でもあるわけです。
習氏、カザフ大統領を称賛 デモ排除「政治家の責任」: 日本経済新聞

現在、中国はロシアに対する国際的批判と制裁圧力が高まるなかで、どこまでロシア側に付くか損得勘定をしています。

そんななか、アメリカは中国がロシアの求めに応じて軍事的・経済的援助を行う意思を示したと、同盟諸国に通知すると同時に、中国に対して供与すれば制裁対象になると強く警告しました。
米、中国がロシアに兵器供与計画と同盟諸国に通知 中国は否定 | Reuters

これに対して中国は「悪質なデマ」だと反発していますが、これまで中国は国連の対北朝鮮制裁を公然と破り続けてきました。そしてその制裁違反をぬけぬけと否定もしてきたのです。ですから、中国は否定しながらも、ロシアにこっそりと軍的支援を続けるはずです。

その事実が明らかになれば、中国も西側諸国の制裁対象となるでしょう。おそらくその時、中国の台湾や尖閣への侵略の危険性が一気に高まるのではないかと思います。そしてそれは、そんなに遠い話ではないでしょう。

私は台湾については、中国が「中国国民党」という旧支配勢力を利用して、侵略してくるのではないかと懸念しています。この獅子身中の虫が呼応して、中国軍を解放軍として迎える可能性もあります。

現在、日本でも憲法改正や核シェアリングの議論などが出てくるようになってきました。しかし、やはり左翼陣営は「この世界情勢の混乱に乗じて拙速に議論を進めるのは危ない。もっと落ち着いた環境でやるべきだ」などと言って牽制しています。

しかし、彼らは平時は平時で、「差し迫った危機がないのだから、そんな議論をするより他の課題がある」などと言って、憲法改正や安全保障問題の議論をしようとしません。結局平時だろうが緊急時だろうが、議論すらさせないようにしているのです。

中国と台湾の真実を最もよく知る黄文雄先生のメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

「安全保障関連法に反対する学者の会」は3月1日、ロシアの科学者や科学ジャーナリストが2月に出した、ロシア軍の侵攻に抗議する書簡を支持する声明を発表しましたが、ロシアの科学者に対する称賛とウクライナの平和を求めている一方で、「この戦争の危機に乗じ、憲法改正と軍事力の強化を目論む動きにも強く抗議する」とも書かれています。
ウクライナ侵攻に抗議のロシア科学者らに「心から敬意」 安保法に反対する学者の会が声明:東京新聞 TOKYO Web

ロシアの科学者にエールを送るふりをして、本当に言いたいことは憲法改正と軍事力強化への反対なのではないかということが、透けて見えます。

ウクライナ政府は、対戦車砲や地対空ミサイルなどの殺傷能力がある防衛装備の提供を日本政府に求めていたことが明らかになっています。もちろん日本は武器を無償提供する法的根拠がないため、支援を見送らざるをえませんでした。
〈独自〉ウクライナ、日本に対戦車砲要請 法的根拠なく提供見送り – 産経ニュース

このような要求をするウクライナ政府に対して、憲法改正反対論者は、憲法9条のある日本に求めるのはおかしいと思っているはずです。いまこそ、ぜひウクライナ政府に、武器の代わりに憲法9条の無償提供を提案してみたらいいのではないでしょうか。もちろんプーチンにも、です。

日本政府は武器の代わりに防弾チョッキをウクライナ政府に送ることを決定しましたが、護憲派の日本共産党は武器輸出にあたり憲法9条に抵触するとして反対を表明しました。
防弾チョッキなどウクライナに供与/9条に反する軍事支援
この主張は、そのまま台湾有事のときにも使われるでしょう。もちろん尖閣有事の際にも、自衛隊の活動を縛ることに繋がります。

これまでは日本に降りかかることはないと思っていた戦争や紛争が、にわかに現実味を帯びてきたことで、護憲派に動揺が走っているのでしょう。憲法改正や安全保障について論じたくないので、これまで現実を見ない、聞こえないふりをしてきたのですが、国際情勢がそれを許さなくなってきているのです。

冒頭に述べたように、習近平は台湾侵攻の時期まで決めていたことが明らかになっています。もちろんそれを諦めたわけではなく、現在は改めて時期を練っているはずです。このような情報が外国の情報機関から出てきたことを、日本は真剣に受け止めるべきです。

中国と台湾の真実を最もよく知る黄文雄先生のメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

image by:Alexander Khitrov/Shutterstock.com

黄文雄この著者の記事一覧

台湾出身の評論家・黄文雄が、歪められた日本の歴史を正し、中国・韓国・台湾などアジアの最新情報を解説。歴史を見る目が変われば、いま日本周辺で何が起きているかがわかる!

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」 』

【著者】 黄文雄 【月額】 初月無料!月額660円(税込) 【発行周期】 毎週 火曜日 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け