元は米国の戦略。プーチンの“食料人質”に追い込まれるバイデン

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米国主導で各国が「返り血」覚悟で進めてきたロシアへの経済制裁ですが、旗振り役のアメリカの国民生活が立ち行かない状況に陥りつつあり、バイデン大統領の対応に疑問符がつく状況となっているようです。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんが、国内の農業生産の陰りに接しロシア産肥料の輸入増大を口にしだした、バイデン大統領の「先を見通す能力」の欠如を批判。さらに次男ハンター・バイデン氏の非合法ビジネスが次々と明るみに出ていることもあり、米国民のバイデン大統領離れはますます加速するだろうと予測しています。

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バイデン大統領は密かにロシアからの肥料買い増しを提案

ぶっちゃけ、アメリカのバイデン大統領は何を考えているのでしょうか。

先の来日時の記者会見では「台湾有事に際し、アメリカは軍事介入する」と自信たっぷりの発言をしました。

これは従来の「あいまい戦略」を「明確戦略」に転換するものだと、日本でも一部からは拍手喝采を浴びたものです。

岸田総理も「今日のウクライナは明日の東アジアだ」と同調、同意。

しかし、国防総省とランド研究所がまとめた「台湾有事シミュレーション」の内容が公表され、いくら米軍が介入しても「台湾は1週間から2週間で中国に席巻される」ことが明らかになると、すかさずトーンダウンしてしまいました。

それとよく似ているのですが、バイデン大統領は「国内経済の問題の原因はロシアにある」と断言し、ウクライナ戦争を「もっけの幸い」とばかり、「対ロ経済制裁」の大義名分としています。

ヨーロッパ諸国をはじめ、日本も同調してきました。

ところが、ウクライナ戦争が長期化するに従い、アメリカ国内の農業生産や海運業に陰りが出始めるや、たちまち前言を翻し、ブルームバーグが伝えるように、「アメリカの農家や運送会社はロシア産の肥料の輸入を増やすべきだ」と言い始めています。

要は、ロシアに対する経済制裁がアメリカの自国産業、とりわけ農業に深刻な影響が及ぶことに気が付かなかったわけです。

アメリカやヨーロッパ諸国は「ロシアは食料を武器にしている」と非難してきましたが、こうした戦略を長年にわたり実行してきたのはアメリカに他なりません。

キッシンジャー元国務長官などは「敵国を潰すにはエネルギーを武器にすべきだが、敵国の国民を潰すには食料を武器にするのがベストだ」と主張してきました。

ロシアのプーチン大統領は、そうしたアメリカの食料戦略を模倣しているに過ぎません。

ウクライナやロシアから穀物や肥料、それらの原料が届かなくなれば、最初はヨーロッパが、そして最終的にはアメリカも音を上げると踏んでいるのでしょう。

実際、アメリカでは食料不足から食品の値上げが続き、バイデン政権への不満と支持率の急落をもたらしてしまいました。

この秋には中間選挙を控え、民主党の敗北が濃厚になりつつあるため、バイデン大統領は右手でロシア批判をエスカレートさせ、左手ではロシアの肥料を買い増せと、ちぐはぐな政策を展開しています。

しかも、同大統領の息子ハンター・バイデンはウクライナ、ロシア、中国での非合法ビジネスで大儲けを続けていることが次々と暴露される有様です。

ぶっちゃけ、これでは有権者のバイデン離れは加速する一方と思われます。

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image by: Michael F. Hiatt / Shutterstock.com

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