「ゼレンスキーは悪人」ウクライナすら利用する大リセットの悪辣

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2021年のダボス会議のテーマとなったことで、一般的にも知られるようになった「グレート・リセット(大リセット)」。その概念について多くの人々がプラスのイメージを抱いていますが、本質や遂行手段は我々の考えも及ばないほど悪辣極まりないもののようです。今回の無料メルマガ『田中宇の国際ニュース解説』では著者で国際情勢解説者の田中宇(たなか さかい)さんが、「大リセット」の目指すところを解説するとともに、近年酷さが増してきたという「世界を転換させるための動き」を紹介。さらに大リセットの被害に遭わないために知るべきこと、進むべき道を提示しています。

人類の政治社会構造を多極化と米欧覇権自滅の方向に大転換する「大リセット系」の嫌がらせが酷さを増してきた

「大リセット」は、米欧のエスタブ諜報界などいわゆる深奥国家の会合である「ダボス会議」を運営する世界経済フォーラム(WEF)が数年前から推進してきた、人類の政治社会構造を、主に多極化と米欧覇権自滅の方向に大転換する、問題への「対策」のふりをした歪曲捏造的、ディストピアな動きの総称だ。地球温暖化対策、新型コロナなどの(人造)パンデミック、インフレ物不足対策、食糧危機対策、マスコミの歪曲報道、ネット検閲、人類に対する思想統制、覚醒運動(実は逆差別)などが含まれている。

人類を怒らせるための大リセット
大リセットで欧米人の怒りを扇動しポピュリズムを勃興、覇権を壊す

大リセットはそれ自体がプロパガンダなので、対象事項の範囲や、その正しい意図について確定的に把握できない。大リセットに関するマスコミ報道やネット言論も歪曲されているので、すっきりとした分析にならない。ウソと本当が逆転しているオーウェル1984状態になっている分野が多いので、分析しても(とくに軽信的な左翼の方々から)トンデモ・妄想扱いされたりする。

近づく世界の大リセット

このように大リセットは不確定だが、便利な概念でもある。たとえば、温暖化問題とコロナは超愚策によって米欧を経済的に自滅させている点で覇権分析的に似ているが、この2つをくくる概念は大リセットぐらいしかない。大リセットは諜報界(隠れ多極派)によるプロパガンダなのだが、隠れ多極主義的な本性をちらちら(意図的に?)見せてくれる点が興味深い(彼らはイラク戦争のころからそうだ)。わかる人にはわかるようにしてあり、意外と親切だ(笑)。

コロナの次は温暖化ディストピア

大リセットは本質的に「覇権のリセット」つまり多極化である。「いや違う。大リセットは、世界中の国家主権が剥奪されて世界政府(国連など)に一本化される世界体制のリセットだよ」という人がいるかもしれない。

確かに国権剥奪の世界政府化は、コロナのパンデミック条約などで推進されつつある。だが、私から見ると、世界政府化は「失敗させるためにやっていること」だ。世界政府の構想は、米欧諸国を自滅させた挙げ句に失敗する。非米諸国は影響を受けない。大リセットは全体的に、未必の故意的に失敗させることによって本来の目的を達成する策略である。

World Health Organization treaty is an attack on national sovereignty, part of a ‘global coup’
英米覇権の一部である科学の権威をコロナや温暖化で自滅させる

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