俳優の香川照之さん(56)が銀座の高級クラブでのわいせつ行為を認めて謝罪。ファンからは失望の声が上がる一方、「3年前の事件をなぜ今さら?」の声も。2ちゃんねる創設者のひろゆき氏も「キャバクラなど風俗は、性的被害や嫌な思いをする事で高い給料が貰える仕事です。セクハラが嫌なら風俗で働くべきではないです」と参戦するなど議論が白熱していますが、このスキャンダルにはさらに深い闇がありそうです。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが解説します。
香川照之の“性加害”謝罪に別の見方
朝早く目が覚めてしまう私は起きてテレビをつけるのが習慣になっていますが、今朝は思わず画面に釘付けになってしまいました。
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これまでの派手めな物とは打って変わった黒いネクタイ姿に神妙な面持ちの香川照之…大谷翔平選手のライブ観戦をする時以外、ほぼほぼ毎朝金曜日にTBSを見ている私は、彼が出演するなら絶対何かコメントするはずだと、いつもの香川が登場する時間に朝刊から目を離し、画面を凝視していました。
「この度は私事でお騒がせ致しまして誠に申し訳ございません…」
ドラマで見せる以上の迫力の物言いに、私は思わずゴクリと唾を飲み込んでいました。
いつも思うのですが、薬物でもスキャンダルでも、役者が自分の不祥事を真剣に謝るシーンにはどうしても“あっ、こいつは今、不祥事を謝る役柄になりきってるな…”と思ってしまいます。
どうしても“演じている”感を感じてしまうのは私の性格の悪さなのでしょうけれど…。
私の“早朝お気に入り番組”は前述したMLBライブ中継や首藤奈知子アナの『おはよう日本』なのですが、金曜日の『THE TIME,』だけは、“職業アナウンサー”には絶対に真似のできない独特の空気感と、見終わった後の爽快感を感じる香川照之MCを、何かに憑り疲れたかのようにほぼほぼ見てしまうのです。
この番組が始まってから何度か取材をしたことがあるのですが、局には度々視聴者から“安住紳一郎アナの出番を減らして、香川が出演する曜日を増やしてほしい”といった声が寄せられていると聞いたことがありました。
報道番組ですからきちんと伝えなければいけないニュースは山ほどあるわけですが、それ以外の情報を伝えるという部分においては、私もその視聴者に気持ちがわかる気がしています。
セクハラリークの黒幕は香川に近い関係者か
SNSを見ると“大好きな俳優さんだったけど、もう軽蔑の眼差しでしか見られません”とか、“香川に対して悪い印象は持ってなかったからとてもショック。テレビに出る資格なんか無いだろ”という失望の声が溢れています。
PTSDを患っていたという被害者のことを思えば、話し合いは済んでいるとはいえ許し難い行為を行った香川に十分非はあるでしょう。
しかし私は別に彼を擁護するわけではありませんが、個人的には香川に対しては別の見方をしてしまいます。
それは、香川が呼吸をしている世界が“妬み”や“嫉妬”ばかりが渦を巻く特殊な場所だからです。
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世間に不親切なマスコミは、このスキャンダルを“3年以上も前の行為が、どうして今公になったのか”と他人行儀に報じていますが、私が思うにはこれをリークしたのは、普段から香川のことを快く思っていない関係者であることは間違いないと思っています。
「歌舞伎の稽古もせずに…」梨園関係者に妬み
香川は今から11年前“九代目・市川中車”を襲名しています。
別に“梨園”を一方的に悪く言うわけではありませんし、梨園以外でも“伝統”や“格式”を重んじる世界には良くも悪くも“虚栄”が付きもののような陰部があるものです。
実際11年前の襲名に関しても、関係者全員がもろ手を挙げて中車襲名を喜んだわけではなかったような話も聞いていました。
その中でいちばん多かった中傷が“満足に歌舞伎の稽古もせずにテレビばかり出ている”でした。
関係者の中にはテレビドラマや雑誌…派手な露出でチヤホヤされる香川のことが不快でたまらなかった方もいらっしゃるのでしょう。
反対側に立ってみれば、『半沢直樹』を始めとする現在の『六本木クラス』等のテレビドラマや『香川照之の昆虫すごいぜ!』…子供から大人までに受け入れられている香川を見る関係者の苛立ちが十分理解できる気がします。
これに加え“ナショナル・クライアント”の『トヨタ自動車』を筆頭に大手クライアントばかり多数CM契約を結んでいるわけですから、足の指のひとつも引っ張ってみたくもなるのが人の“業”というものなのでしょう。
事件を起こしてしまった過去には戻れないわけですから、大事なのはこれからの香川照之であり市川中車としての生き方でしょう。
歌舞伎の家に生まれたことへの“運命”や、長男“五代目・市川團子”の為、“真摯に真面目に一生懸命、全力で”精進して欲しいと思うばかりです。
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プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao
記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」
image by: Ogiyoshisan, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons