4.デニム企業のライセンスビジネス
私は日本のデニム企業が海外のデニム企業とライセンス契約を結ぶことで、海外のデニム企業の成長と、日本のデニム企業の安定したビジネスが可能になると考えています。
具体的には次のようなことです。
日本企業が行うことは、海外工場に発注するのと同じです。日本からデニムのサンプルや指図書を渡します。サンプル生産とチェックを繰り返し、完成度の高い商品を確認してから発注します。
OEM生産と異なるのはここからです。海外デニム企業にライセンス生産権と販売権を供与します。つまり、そのデニムを生産販売して良いということです。努力すれば売上が上がります。しかも、日本のデニム企業のブランドを使うことでバイヤーに、品質や技術力をアピールすることができます。
売上の一部はライセンス料として日本企業に支払われます。そして、日本市場については、日本のデニム企業が独占販売権を持ちます。
そうすれば、OEM生産のように生産ロットはなくなります。必要な数量を発注すれば良いのです。従ってOEM発注よりもコストは確実に下がるでしょう。
そして、ライセンス料を今後の企画開発費用に充てることができれば、人材も育ち、企業も活性化するはずです。
ライセンスによって、ライセンサー企業もライセンシー企業も「サスティナブルなデニム企業」になることができます。
編集後記「締めの都々逸」
「一度限りの 注文よりも 長い付き合い 始めましょう」
書き終えて思うこと。なぜ皆はライセンスビジネスをしないんでしょうね。この方法の方が、海外の展示会に出展するより意義があると思います。海外の展示会にはライセンシー企業に出展してもらえばいいんです。
日本のデニムメーカーが日本の展示会に出展するにしても、自社のオリジナル商品と共にライセンス生産の商品を紹介をすればいいと思います。価格競争力もありますから。
国内の問題を国内の範囲だけで考えても解決策は見つかりません。高齢化は進み、後継者はいない。でも、海外と連携することで、若い社員を雇用することができます。会社の環境を改善することができます。
もちろん、すぐに成功するとは限らない。悲観的な人は心配ばかりします。でも、スタートしなければ何も始まらない。問題が起きたら問題を解決すればいいのです。(坂口昌章)
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