会議や議論が円滑に、そして有意義なものになるために動く人をファシリテーターと呼びます。彼らはいったいどのようなスキルを使っているのでしょうか?今回、メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』で土井英司さんが紹介するのは、 ファシリテーションの基本から使える会議術について語られた一冊です。
会議の達人になるテクニックよ⇒『話が進む仕切り方』
『話が進む仕切り方』
沢渡あまね・著 技術評論社
こんにちは、土井英司です。
本日ご紹介する一冊は、『職場の問題地図』が話題となった、ワークスタイル&組織開発専門家の沢渡あまねさんによる、注目の新刊。
※参考:『職場の問題地図』
サブタイトルに「会議/プロジェクト/イベントを成功させるファシリテーションの道具箱」と書いてあることからもわかるように、ファシリテーションのテクニック集です。
限られた時間で有用な会議をするために、ファシリテーターが知っておくべきTipsをまとめているので、自分が会議の担当になった時などに、紐解いてみるといいでしょう。
本文では、ファシリテーションの基本に始まり、BGMやオープニングスライド、時計等のツール活用法や仕切りの仕方、まとめ方、「詰んだ」と思った時の打開策など、会議で使うと有効な90の秘伝がまとめられています。
秘伝1につき見開き2ページのシンプルな構成なので、大変読みやすく、スキマ時間の読書にはもってこいの一冊だと思います。
部下との1on1や後輩の相談、コーチングなどでも使えるコミュニケーション方法が書かれているので、「うちの会社はそんなに会議多くないよ」という人でも、読んでおくといろいろ勉強になると思います。
「多様性」や「組織力」は、それを使いこなすリーダーのコミュニケーションスキルがあって初めて生きるもの。
組織のダイナミズムを維持したまま、皆が調和できる、そんな理想的な組織を実現するために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
◆会議の5つの養素
1.目的 2.インプット 3.成果物 4.関係者 5.効率
の人は何が得意か?いわば何のプロフェッショナルか?この言語化は、メンバーのチームやプロジェクトにおける期待役割を明確にしたり、メンバー相互の自発的な助け合い(ヘルプシーキング)や化学反応を誘発します
期待に成長イメージを添える
受け身、やらされ感を問いかけで変える
「あなたはこのプロジェクトで何を学びたいですか?」
「この場を通じて、どう成長したいですか?」
昼休み前は5分早く終わる
毎事ゼロ分に時報を流す
オープニングスライドを利用して、事前に知っておいてほしいこと、お願いしたいことをあらかじめ参加者に伝えます
目的地と各ステップと現在位置を示す
キーワード/キーフレーズでまとめる
キーワード/キーフレーズを考えるコツ
1.世の中で流行っているフレーズやワードをパクる
2.その組織や地域の口ぐせや習慣をからめる
3.英語や数字の略称を作る
4.韻を踏む
5.変化球・反対語
文学的な表現は言い換える
意外な能力や「向き・不向き」を発見するチャンスを作る
たとえば、2人1組であるテーマに対して考えた後、互いに意見を言う場合、3分-3分-3分などすべて同じ時間設定にすると、テンポよく進行しやすい
「方向性」と「論点」を分類し、合意事項と未合意事項を明確にする
その場にない観点を投げ込んで話を広げる
「上の句」と「下の句」に因数分解する
人間はそれぞれ価値観やタイプが違う上に、動物である以上、疲労しますし、集中力や感情にもムラがあるもの。
そんな集団をまとめていくために、本書で書かれたファシリテーションスキルは、きっと役に立つと思います。
ぜひ読んでみてください。
image by: Shutterstock.com