昨年、日本でも大きく報道された、オランダ人画家ゴッホの名作「ひまわり」にトマトスープをかけられた事件。環境問題に異議を申し立てる目的の抗議行動ですが、果たしてこの行動は正しかったのでしょうか？ 今回のメルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター（有料版）』ではジャーナリストの伊東森さんが、この事件と地球温暖化懐疑論者のどちらが悪いかについて持論を展開しています。
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ゴッホ「ひまわり」トマトスープ事件とは？
昨年10月、イギリス・ロンドンのナショナル・ギャラリーに展示
この事件は日本でも大きく報道。120億円以上もするゴッホの代
「エコテロリズム」
などと呼ぶ批判の嵐が巻き起こった。しかし、当のイギリスでは受
そもそもの問題は、今までのやり方では、まったくもって不十分で
そればかりか、時が立つにつれて二酸化炭素を排出”する”側が、
さらに国連の気候変動に関する政府間パネル（IPCC）が、「人
それでは、彼ら地球温暖化懐疑論者はどのような”暴力的”言説を
・気候正義とは
「気候正義」という言葉がある。この考えは、気候変動の問題に取
気候正義は、英語でClimate Justiceともいう。エネルギーの大量消費や森林破壊といっ
事実、途上国では、農業や漁業といった第一次産業の比重が大きく
まだガバナンスやインフラの整備が遅れている地域では、海面上昇
気候正義に似た言葉として、「環境正義」というものがある。これ
・いかにして暴力的な地球温暖化懐疑論は生まれたのか
地球温暖化懐疑論はいかにして生まれてきたのか。たとえば、ある
罵詈雑言のほか、「共産主義者」「スターリン主義者」と非難され
そのため、そもそも市場重視右派はそのような介入に抵抗感を抱く
地球温暖化懐疑論は、タバコ産業との動きとも類似する。これまで
ただ、近年では、石油メジャーであるエクソンモービルが、約40
研究の結果、1970年代後半から80年代にかけ、エクソンモー
この予測の精度は、1970年から2007年まで用いられてきた
・日本における地球温暖化懐疑論
日本における地球温暖化懐疑論者の代表格として、「アゴラ 言論プラットフォーム」とキヤノングローバル戦略研究所（CIG
アゴラは、池田信夫氏が主宰を務め、主に政治や経済に関連した記
CIGSにおける問題は、2022年2月にイギリス紙ガーディア
その影響範囲は、国際的なメディアから子どもたち、あるいは政策
キヤノンの科学者でさえ、その立ち位置を「弁解の余地がない」と
CIGSの研究主幹による記事は、グレタ・トゥーンベリさんを共
また、2022年には中高生を対象とした書籍「15歳からの地球
参考文献
（1）The Guardian『Huge UK public support for direct action to protect environment poll』
（2）https://www.science.org/doi
（『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター（有料版）』2023年1月28日号より一部抜粋・文中一部敬称略）
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