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トルコ地震被災者にヤラセ要求の中国。フェイクニュース捏造体質が治らぬ隣国

2月6日にシリアとの国境付近で発生し、これまでに4万人以上の死亡が確認されているトルコ大地震。各国が救援隊や援助物資を送る中、中国メディアの常軌を逸した行動が大きな話題となっています。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、現地入りした中国人記者が被災者に「やらせ」を要求した事実を伝えるニュースを紹介するとともに、過去にも同様の手口で人命まで奪った中国を強く批判。その上で、彼らがこうした「人道にもとる行為」を平然と取ることが出来る理由を解説しています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2023年2月15日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

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【中国】トルコ大震災でフェイクニュース作りに奔走する中国の火事場泥棒

土耳其災民控中國官媒圖賄賂 要求按指示受訪(トルコ被災民が、中国メディアによるヤラセ取材のための買収工作を告発)

トルコ・シリアで起こった大地震の死者は4万人を超え、世界各国から救助隊派遣や支援の輪が広がっていますが、そんななか、中国官製メディアの記者が被災者に対して、金を渡す代わりにトルコ政府の災害対応の非効率性を批判したり、中国の救助隊を賞賛するよう求めたということが、現地メディアや台湾などの華字メディアで話題になっています。

被災者はこの中国記者の要求を拒否しましたが、記者がスマートフォンで実況中継を強行しようとしたため、怒った被災者に止められ、殴られそうになったそうです。結局、記者は被災者が通報した警察官によって現場から追い出されました。

これらの事件の映像は、2月9日に「MutluAile Sirlari」というトルコ人アカウントのインスタグラムにアップロードされ、100万人以上に視聴されました。アカウント主は、「彼らはトルコ人の団結を壊そうとしている。今は我々トルコ人は政治的な駆け引きをする時ではなく、共に苦しみを乗り越えていく時だ」と述べています。

土耳其災民控中國官媒試圖賄賂 要求按指示讚揚中國救援隊

その後、この映像はユーチューブやツイッターなどのSNSでも拡散され、多くの注目を集めていますが、「自分の国でフェイクニュースをやっているのに、まだ海外でやりたいのか」「トルコ人は中国人のように簡単には騙されない」といった批判的なコメントも少なくありません。

このように、大きな事件事故を利用して火事場泥棒的にフェイクニュースを拡散しようとするのが中国の手法でもあります。とくに災害ではフェイクニュースが人びとに誤った行動を促しかねず、大変危険な事態を招く可能性が高くなります。

そのため、台湾では2019年5月に、災害時にフェイクニュースを拡散する行為を罰するための「災害防救法」の改正案を可決し、違反者には最高で無期懲役を科すこととしたのです。この法改正も、中国のSNSでデマが拡散されたことがきっかけでした。

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2018年9月、西日本を襲った台風21号によりタンカーが関西国際空港の連絡橋に衝突、多くの訪日客が関空に足止めされ孤立状態になったことがありました。このとき中国のSNSでは、「中国総領事館が空港にバスを手配し、中国人観光客を優先的に救出した」というデマが拡散されたのです。もちろん、そのような事実はありませんでしたが、台湾の一部メディアが真偽を確認せずに報じたことで、台湾人から「台湾の外交官は何をやっているんだ」と批判が殺到し、対応に追われた大阪の台湾弁事処(領事館)の代表が自殺するという悲劇を生んでしまいました。

世界で進む「フェイクニュース法規制」は日本にも必要か?
【関連】台湾人「外交官」を自殺へと追い込んだ、中国の卑劣な偽ニュース

この中国のSNSで拡散されたデマにより、台湾人と政府が分断されてしまったわけです。今回のトルコの事案も、トルコ国民にトルコ政府への不信感と「信頼できる中国」を演出しようとしたという点で、極めて悪質です。

加えて、中国当局がこの機に乗じて「中国製吊り橋がトルコ大地震に耐えた」と喧伝したものの、それが嘘だったことも判明しています。

無恥! 中國官員謊稱為土國建造「世界主跨最長吊橋」 狠遭韓媒打臉

韓国の「朝鮮日報」によれば、2月13日、北アイルランド中国大使館の張美芳総領事が、ツイッターで世界最長の吊橋「チャナッカレ大橋」の動画を「チャイナテック(中国の技術)」というタグをつけて投稿し、160万件以上のアクセスを集めたそうです。

さらには、それをフランスの中国大使館の公式ツイッターアカウントが「トルコの中国の吊り橋が地震に耐えた」というキャプションとともにリツイートしたのです。

ところがこのチャナッカレ大橋は、韓国の大林産業(現DL E&C)と和SK建設(現SKエコプラント)が「チーム李舜臣」(このチーム名もどうかと思いますが)を結成し、日本企業を抑えて2017年に受注に成功、2022年3月に開通したものです。

韓国が「世界最高の優れた技術力」と自画自賛する吊り橋だけに、これを中国に「盗まれた」と憤慨するのも理解できます。しかも「朝鮮日報」によれば、この橋は今回の地震が発生したトルコ南部やシリア北部から1,000キロ以上も離れており、この橋を「地震に耐えた」と表現すること自体が大げさだということです。

ところでその韓国ですが、トルコへの救援物資の中身が問題となっています。韓国のニュース専門放送局「YTN」によれば、仁川空港近くの国際物流会社では、全国から送られてきた救援物資を再梱包してトルコに運んでいますが、寄付された救援物資に汚れた洗濯物が大量に混ざっており、物流会社がゴミ処理場と化しているそうです。

南韓援助土耳其物資 驚見髒汙衣物、變成垃圾處理中心

記事によれば、全国から送られた救援物資は40トン近くになるものの、そのうち10%は、汚れた衣服や冬には役に立たない夏服などであり、物流会社ではこのゴミ同様で現地に送ることができない廃棄物をどう処理するかで頭を悩ませているとのこと。

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小中華も大中華に劣らず火事場泥棒的ではあります。中国では、貨物自動車が横転し、積み荷の果物や野菜などが散乱すると、近隣住民がワラワラと集まってきて略奪することが、一つの国民常識のようになっています。

トラック事故で散乱した積荷に「いただけ、それっ!」と群がる中国人、憂いの論説掲載も、特段の対策は打ち出せず―中国

「幸災楽禍」(人の不幸を楽しむ)は、中国人の特質でもあります。それは、人口過多による資源の奪い合いだった歴史が育んだ性質でもあります。敵失により競争相手が減れば、それだけ自分にプラスになる、相手が自滅して吐き出した財物を少しでも多く我が物にすることで自分の得になる、という考え方が染み付いているわけです。

そのため、他国で大きな災害があっても、これをどのように自分たちの利益につなげるかということを常に考えるわけです。

日本人からすれば、他国の痛ましい災害までも工作活動に利用するなどということは、思いつかないことでしょう。しかし、実際に中国は他国の混乱や分断工作、親中勢力の拡大に利用しているのです。

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