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「トランプは貧乏で情弱な白人米国人を騙している」は本当なのか?

3月30日には大統領経験者として初めて刑事事件で起訴されるなど、何かとお騒がせなトランプ前大統領。そんなトランプ氏に関する報道といえば、「支持者の質」も含めてマイナスなものばかりが先行していますが、果たしてそれは真実なのでしょうか。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤先生が、トランプ氏のあまりにまっとうな主張と、その主張の支持者が貧困層や情報弱者ばかりではないという事実を紹介。その上で、元大統領の起訴を批判的に見ている知識層も多いという、日本のメディアでは語られることがないアメリカ社会の現実を伝えています。

トランプ元大統領の起訴

トランプ元大統領がまた話題になっています。

2016年の大統領選直前、ポルノ女優に支払ったとされる不倫疑惑の口止め料を不正に会計処理した疑いが持たれているのです。

弁護士を通じて口止め料を支払ったのですが、それが政治資金の報告書に適切に記されていなかったというのです。

まあ本当の事を詳細にも書けませんよね(笑)。

実際のところ、これぐらいの会計処理は多くの政治家がしているでしょう。国際企業も展途上国の有力者に賄賂を渡すのにコンサル費用といった名目を使います。

はっきり言って微罪なのです。

それが、これだけ大きな話題になるのは、やはりトランプだからでしょう。

なんだかんだと言いながら、まだ米国共和党の次期大統領候補の最有力です。

こういったトランプの報道に関して、私が以前から違和感をもっているのは「トランプは貧乏で情弱な白人アメリカ人を騙している」という解説です。

日本はずっとこの論調です。

前回の大統領選でもバイデンとトランプは接戦でした。

投票の約半分はトランプにされたのです。アメリカ人の半分は情弱な馬鹿なのでしょうか?

私は、米国に14年住んでいました。トランプには大統領候補になる以前に強烈な思い出が2つあります。

1つは彼が建設したアトランティックシティー(ラスベガスのようなカジノ都市)にいったときの事です。

街中にトランプの顔写真があって、ホテルには聖書のようにトランプの本がおいてありました。その自己顕示欲に辟易しました。

2つ目はシアトルでトランプの講演会があった時の事。前座の人の話ばかり聞かされて、結局彼は来なかったのです。まるで彼が来るような宣伝をして人を集めていたのです。

ですから、大統領選出馬が決まった時の、私の印象は多くの米国人と一緒でした。

「トランプが大統領候補?悪い冗談でしょう(笑)」です。

しかしながら、彼は思ったよりも人気があるようでした。

不思議に思って著書とユーチューブで彼の主張を聞いてみました。

  • 合法移民はよい。不法移民はダメだ
  • 不法移民は国境で捕まったらその場で難民申請をしている。それで米国内に釈放している。こんな事をしていたら治安が保てない
  • 不法移民に保護を与えるサンクチュアリシティ(聖域都市:ニューヨーク、ロサンゼルス等)も法に反している。だから不法移民の流入が止まらないのだ

「あれ?思ったよりもまっとうな主張だ。納得できる」という印象でした。

彼はNYを基盤とする不動産屋ですから不法移民流入は死活問題だったのでしょう。真剣な怒りがありました。

しかしながら、そのまっとうな主張を伝える報道機関が少ないのです。日米ともにです。

まるでトランプが移民のすべてに反対しているかのような、すべてのメキシコ人がレイプ犯だと主張しているような報道ばかりでした。

なぜ、トランプのまっとうな主張を伝えないのかと報道に対する疑念がわきました。

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これは私だけではありません。今は半分のアメリカ人はトランプに関する報道を信頼していません。

米国で不動産業をいとなむ友人(日英バイリンガル)は、非常にインテリですが、トランプの支持者です。前回の中間選挙でも共和党を支持していました。

なぜなら、民主党が勝った州には不法移民がくる確率が上がり、土地(所有物件)の値段が下がるからです。

「日本の報道をみているとアメリカ人の半分(トランプ支持者)は馬鹿なのかって思うね。そんなわけないだろう。」

別の友人、英誌エコノミストに所属する国際関係の専門家は言っています。

「米国の民主党の行動はわからない。『不法移民はダメだ』と宣言して、民主党内の極左を切れば、それで簡単に選挙に勝てるだろうに」

まったく同感です。

トランプの主張を支持しているのは知識層も多いのです。トランプというよりもその政策を支持しているのです。

アメリカにとって不法移民・難民政策は国の将来を左右するからです。

その証拠に、トランプと同じように国境の重要性を過激に主張しているフロリダ州知事のデサンティス氏も強い人気があります。

そういった見識のあるトランプ支持者の声を伝えずに「トランプを信じる馬鹿なアメリカ人、陰謀論を信じるアメリカ人」といった報道が日本で続くのは、なぜなのでしょうね。

ハーレーダビッドソンに乗って米国国旗を振り回している人ばかりがトランプ支持者ではないのです。

今回のトランプ起訴の報道を批判的に見ている米国の知識層も多いのです。

そういった全体状況を多面的な角度から報道してくれる日本のマスコミがないものかと思います。 (この記事はメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』4月2日号の一部抜粋です。この続きをお読みになりたい方はご登録ください。初月無料です)

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大澤 裕この著者の記事一覧

・株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン 代表取締役社長  ・情報経営イノーベーション専門職大学 客員教授 ・法政大学大学院イノーベーションマネジメント研究科 兼任講師 慶應義塾大学を卒業後、米国バンカーストラスト銀行にて日本企業の海外進出支援業務に従事。カーネギー・メロン大学でMBAを取得後、家業の建築資材会社の販売網を構築するべくアメリカに子会社を設立。2000年、ピンポイント・マーケティング・ジャパンを設立。海外のエージェントとディストリビューターを使った販路網構築・動機づけの専門家として活動を行っている。2015年「中小企業が『海外で製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」を、2017年「海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語」をダイヤモンド社から上梓。

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