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NIKEも着目。今「デジタルアイデンティティ」時代に企業が考えるべき事

古今東西を問わず、人が集まる場所でお金は動くもの。そしてこのご時世、人が集まるのはリアルの空間だけではないことも言うまでもない事実です。そんな現実を取り上げているのは、Webメディア『ECのミカタ』元編集長で株式会社「team145」代表取締役石郷学さん。石郷さんはメルマガ『週刊145マガジン「腹割って話そうぜ!」まぐまぐ!出張版』で今回、デジタル上の世界で個々のアイデンティティを確立することが重要になっている現状を解説するとともに、このような時代にあって企業が考えるべき事柄のヒントを提示しています。

※ 本記事は有料メルマガ『週刊145マガジン「腹割って話そうぜ!」まぐまぐ!出張版』2023年4月10日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

誰もが必要なデジタル上のアイデンティティ メタバースは今

利用する側は寧ろ、デジタルの方が気軽に交流できる

今、目の前にあるリアルの世界だけが、あなたのアイデンティティを示せる場所でしょうか。いや、それはないでしょう。フィナンシェ代表取締役の國光宏尚さん曰く、「未来においては、デジタル上でのアイデンティティの存在感が、価値を持つ」。

下手すれば、リアルを凌駕するほど、影響力を持つポテンシャルを秘めていることを彼の話から痛感したのです。

例えば、若い世代はリアルよりもLINEやフォートナイトなど、当然、バーチャル上で友達と交流しています。移動がない分だけ、リアルよりも出会うまでの敷居は低い。

注目すべきは、リアルよりもバーチャルでやり取りする時間の方が長くなっているという現実だと言います。時間が長くなれば、当然、その世界で自分を着飾る。それこそが自分という存在を示すアイデンティティとなるからで、その比重が徐々に増している。「それは自明の事実」としました。

Z世代以下が欲しいものはデジタル上にある

彼曰く、それを象徴するものががデータとなって出始めています。特に、Z世代よりも年齢が低い若い層に特にその傾向が顕著に見られるのです。

具体的に言えば、海外で、この層に対して「プレゼントで欲しいものは何か」と問うたのだという。その調査に寄せられた「ベスト10」で、リアルの商品は何個入っていたと思うでしょうか。

答えは、わずか一つ。「レゴ」のみです。

それ以外は、全てバーチャル上のものでした。例えば、1位は「ロバックス」。馴染みがないかもしれないが、「ロブロックス」というゲーム上の仮想通貨です。つまり、ロバックスの方が現金よりも価値があって、リアルの商品よりも魅力的なのです。

また、デジタルはクリエイターのエコノミーも守っていきます。リアルの場合で言えば、創作物が一度、作者の手を離れれば、作者にとっての利点はありません。しかし、デジタルであれば、二次流通にそれが流れた時に、人から人へ譲渡されるたびに、大元のクリエイターの元にも一部、金額がフィードバックされます。

勿論、才能が発揮されるかどうかはわかりませんが、広がるほどに、インセンティブが入るのだから、リアルよりもそちらに力を入れていく。つまり、アナログ以上に、クリエイターにとっての恩恵が大きいので、一度、そこに人が多く存在するようになれば、そこをマーケットにして一気に、広がる可能性があるというわけです。

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ナイキも着目したデジタルアイデンティティ

こうした動きに有名ブランドも関心を持ち始めています。いち早く目をつけたのが「ナイキ」。

彼らは、その証拠に最近、RTFKT(アーティファクト)という会社の買収を発表しました。アーティファクトは既存のブランドの世界をオールドワールドと表現し、デジタル上に必要なアイテムをNFTとして提供しています。

つまり、ナイキはこういう感度の高いアイテムをデジタル上に作れるノウハウを手に入れるために同社を買収したわけです。言うまでもなく、それはナイキのシューズをNFTの世界でも浸透させようというわけです。

注目していただきたいのは、彼らの説明。「ナイキは靴を売っている会社ではありません」。そして、こう続けるのです。「ライフスタイルを提案している会社なのです」と。

かつて、マイケルジョーダンにそのシューズを履いてもらったのは、そこに憧れのライフスタイルがあったから。未来を想えば、憧れの対象もそれだけではない。多様化するだろうと。

例えば、eスポーツのプレーヤーなどに憧れる人が出てきた時に、ナイキはしっかりそことも連携していく。なぜなら、人々の憧れのライフスタイルを提供していく会社だからというのです。

VRも含めて広く、デジタルアイデンティティが問われている

デジタルアイデンティティは何もメタバースに限った話ではありません。その証拠に、VRのデバイス「Meta Quest 2」は世界で2,000万台、普及しているといいます。

この数字が何を意味するか。國光さんはそこで「PS5」の販売台数と比較して説明しており、その数も2,000万台である。つまり、それだけ一般的なインフラとして整っているという現実。そして彼はこう話します。

「『Gorilla Tag』を知っていますか?」と。

これは、VRの中でゴリラの格好をして鬼ごっこをする、それだけのゲームです。しかし、アクティブユーザーは260万人を数えている。ゆえにそれが商売にもなる。それ用のゴリラのスキンは、実に日本円にして、40億円も売れている計算になります。

メタバースやNFTに限らず、そもそも、デジタルの中で確固たる自分のアイデンティティを確立することが大事な時代。そこに関連して企業は何ができるかを考えるべきで、それを変な話だけど、自分たちの主義主張がどこにあるのかを考えるべき時に来ていることの証でもあります。

しかも、それは遠い世界の話ではないから今のうちに準備しておくことが大事なのです。

※ 本記事は有料メルマガ『週刊145マガジン「腹割って話そうぜ!」まぐまぐ!出張版』2023年4月10日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ

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