近年、世界的なスターや起業家が日本で隠居生活を送っていることが明らかになっています。彼らは日本でどのような生活をしているのでしょうか? 今回のメルマガ『黄文葦の日中楽話』で紹介しています。
中国共産党は、日本共産党をどのように眺めている?
Question
中国共産党は、志位委員長の日本共産党をどのように眺めているのですか?
黄文葦さんからの回答
中国共産党は意外にも好きでも嫌いでもなく、理性的客観的に日本共産党を認識しています。近年、日本共産党は時々中国共産党を批判していました。「国際社会の懸念を強める中国の行動。日本共産党はこれまで一貫して、こうした平和や民主主義、人権保障に逆行する中国の危険な動きを、事実に基づき、国際法にのっとって、厳密で理性的な批判を加え、事態の打開の方策を提案してきました」。(『赤旗』より)
しかし、中国共産党は日本共産党に対し、あまり反論・批判をしていないです。日本共産党は参、衆議院の選挙で、議席数が増えた時に、中国政府のマスコミは積極的に報道し、日本共産党の「野党共闘」の仕組みの有効性を評価しました。「日本共産党は現在、日本の第4の政党であり、日本の左翼政党を代表する政党です」とは、中国マスコミの公式見解です。
中国共産党と日本共産党は、社会主義・共産主義への見晴らしを共有すると見られます。ただし、同じく共産党の名前を有することになっても、中国共産党が日本共産党とのコミュニケーションを望んでいないらしいです。
実に、文化大革命期間中、毛沢東は、かつて日本共産党を敵視していました。毛沢東は1966年7月の演説で、「現代ソ連修正主義、アメリカ帝国主義、宮本顯治修正主義グループ、佐藤栄作反動内閣」という4つの敵の存在を明言しました。
その背景には、1966年3月に訪中した日本共産党の宮本顯治議長が、中ソ極論において日本共産党が中国共産党を明確に支持するよう上海で毛沢東が個人的に求めたことを拒否したことがあります。こうして日本共産党は、ソ連やアメリカよりも、さらには中国と敵対していた佐藤栄作内閣よりも危険な敵になりました。
そして、日中共産党の関係は非常に緊迫し、この後の8月、日本共産党は中国駐在代表と「赤旗」中国特派員を北京から引き上げたが、日本共産党駐在代表と「赤旗」中国特派員は北京首都国際空港で紅衛兵に包囲されて殴られ重傷を負ってしまい、両党関係は完全に断絶してしまいました。
その後、中国共産党と日本共産党は協力関係にないものの、前者が後者を批判することもなくなりました。その一方で、中国のメディアはかつて、日本共産党が戦争に断固反対する姿勢を示したことを賞賛していました。
<日本共産党は、日本の中国侵略や太平洋戦争で反戦の立場をとっただけでなく、戦後の政治活動においても、かつての朝鮮戦争やベトナム戦争への反対をはじめ、21世紀に入ってからもアフガニスタン戦争やイラク戦争への反対など、その姿勢を維持しています。米国による戦争にも、ソ連やロシアによる戦争にも、これほど明確に一貫して反対してきた政党は、日本には共産党しかないでしょう。>
一般の中国人は、日本共産党と中国共産党の間に何のつながりも類似性も感じていません。そもそも、多くの中国人も、日本共産党の本当の姿と今後の方向性にも無関心です。
<3月30日、日本共産党の志位和夫委員長は、岸田文雄首相に対し、日中関係の安定に向けた外交努力の一層の強化を求める提言を行った。日本共産党が総理大臣に直接申し入れるのは約5年ぶりです。>
と最近中国マスコミが報道しました。
中国のメディアは、志位和夫委員長個人をまだ比較的高く評価しているようです。彼は、前指導者のステレオタイプだった従来のスタイルやトーンを変え、新しい状況に適応した地に足のついた政策理念を採用し、日本共産党のパブリックイメージを向上させ、日本政治における重要な野党にしたと評価されていました。
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