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「自分は一流の人間か?」を診断する方法。ベストセラー作家が教える“今この瞬間”の自己改革メソッド

自己改革小説の第一人者で、国内累計100万部超を誇るベストセラー作家の喜多川泰氏によると、さまざまな職業や分野で「一流」と呼ばれる人には、あるシンプルな共通点が存在するそうです。さて、現在のあなたの「一流度」はどれくらいでしょう?そして、誰もが今この瞬間からでも「一流」になれる思考法とは? メルマガ『喜多川泰のメルマガ「Leader’s Village」』で伝えています。

みんな「一流」を勘違いしている

どの職業のどの分野にも「一流」と呼ばれる人がいます。

仕事柄、僕はそういった、世間から「一流」と呼ばれる人とたくさん出会ってきました。そして色々と話を聞かせてもらううちに、あることに気づいたんですね。それは、

「一流と呼ばれる人は、最初から一流だった」

ということです。

誰にとっても、最初は素人から始めるのが仕事です。それが年月をかけて努力をすることで成長していく。それは一つの事実ですが、「一流」というのも、そうやっていつかたどり着く「技能の到達点」のようにイメージしている人が多いんですね。

まあ、スタートは何流からかはわかりませんが、

「まだまだ三流だ」
「自分なんて二流だ」

と、今の自分にできることや、出せる結果を見て自己判断(場合によっては人からの評価)して、

「あれができるようになったら一流だ」

とか

「あの人と同じくらいの成果が出せるようになれば一流だ」

のように、何かをクリアしたら「一流の仲間入り」ができるように、なんとなく思ってる。小さい頃から、昇級試験や、昇段試験といったシステムに慣れきってしまっているから、そう考えてしまうんですかね。

「あれができたら3級合格」
「これができたら初段昇格」

みたいな感覚で「一流」になろうとしている。

でも、そうではなく、一流の人は最初から一流であるということなんです。もちろん最初から仕事ができたという意味ではないですよ。

まだ「?」って感じですかね?もう少し詳しく説明しましょうか。

なぜ「二流、三流止まり」になるのか?

僕の実家は美容室を経営していました。もともと東京でお店を開いていたことやコンクールで優勝したり、雑誌や女優さんの髪を担当していたことなどがあり、愛媛の田舎に開店したときには結構有名な店になり、お客さんだけじゃなく、美容師になりたいという若い人が店に集まってきました。

見習いの美容師さんが最初に教わる仕事は、床に落ちた、切った髪を箒で集める。タオルを洗濯し、干して、畳んで、しまう。ロットやペーパーを洗って、乾かして、大きさ別にまとめて、しまう。パーマを巻いているスタイリストさんに、ロット、ペーパー、輪ゴムを渡す。などです。

要は、「誰でもできること」です。

ところが、しばらくそれをやってもらっていると、一人、また一人と辞める人が出てくる。「早く、カットを教えてくれないかな。早く、パーマのやり方を」と思いながら、掃除やタオルばかり洗っているときに、「別の店ではもっと早く教えてくれるよ!」なんて情報が入ってくると「こんなことやるためにここにきたんじゃない」という思いが強くなって、辞めてしまうんですね。

もちろんこれは美容師に限った話ではないでしょう。例えば、料理人の見習いが最初に習うのは調理場の掃除。鍋を磨くこと。皿を洗うこと。決まった場所に決まったものをしまうこと。

これも誰でもできること。

おそらく、「早く料理を教えてほしい」と誰もが思うだろうけど、なかなか教えてもらえない。高級なレストランになるほどにそういう傾向があるようです。

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「最初から一流」な人たちのシンプルな共通点

多くの職場で、最初に与えられる仕事は「誰でもできること」です。当たり前ですね。だって、何もできない状態で入ってくるわけですから、誰でもできることから始めるしかない。

ところが、誰でもできる仕事ほど、やり方に差が生まれるものはないんですね。タオルを畳むなんて誰でもできるんですけど、どうやるか、どこまでやるかに人間性が現れる。

最初は丁寧にやっていても、しばらくそればかりやってもらっていると、だんだん手を抜くようになってくる人もいる。一方で、最初だけでなく、どこまでも手を抜かず丁寧にやろうとする人もいる。

誰にでもできる仕事をどうやるかを見れば、その人が「どんな美容師なのか」がわかるんです。

料理人も同じでしょう。料理は腕で作るのではない。人が心で作るもの。鍋を洗うその仕事を見れば、その人が作る料理を食べたことがなくても、その人がどんな料理人なのかはわかる。

美容師も料理人も、何かができるようになったから一流になったんじゃないんですね。見習いのときから美容師として、料理人として「一流」だったということ。その一流の人に後から技術がついてくるんですね。

「誰でもできることを誰にもできないレベルでやり続ける」

それこそが一流の証だろうと僕は思っている。それができる人は、その世界に入った瞬間から、将来一流の「それ」として活躍することが約束されている。

一方で、「そんな誰でもできることをやるために、ここにきたんじゃない」と、誰でもできることを疎かにする人は、そこにたどり着くことはできない。本人は「もっと違うことがしたい」「技を磨きたい」と思っているかもしれないが、仕事をして教える側は、「誰でもできることすらできない」と判断する。

これから就職する女子高生に伝えたこと

僕たちは、自分にしかできないことを探して、誰でもできることを敬遠しがちなんですよね。

でも、誰でもできることを誰にもできないレベルまでやる。この時点で、もう自分にしかできないことになってる。

本来は、こうやって自分にしかできないことって見つけるんだよって、誰も教えてくれないとしたら、若い人にとっては迷いの多い社会人人生のスタートになるだろう。

仕事は技術ではなく、人が心で行うものです。どれだけ技術が優れていても、仕事は心が行うことを理解できていない人が「一流」と呼ばれることはない。

タクシーに乗ると、何十年も運転しているベテランの運転手さんなのに、全く心地よいとは思えない応対、運転をする人に会うことがある。運転技能が優れていても、そんな人を一流と呼ぶことがあるだろうか。まさに仕事は心がするということがわかる瞬間だろう。

人間性が技術を超えない限り、技術は害になり得るのだ。技術だけ一流になっても全く意味がないということだ。

これから就職するという三人の女子高生には、こう伝えました。

「君たちが、就職した先で、最初に教わる仕事は、誰でもできる簡単なことだろう。それを誰にもできないレベルに仕上げることを、誰にもできないくらい続けていきな。それをやる人を一流と言うんだよ。だから一流には誰でもなれるんだ」

彼女たちは、まっすぐこちらを見て、真剣に聞いていました。

きっと最初は「それが一流である」ということにピンとこないでしょう。でも、それを継続するほどにこの言葉の深さや、重みに気づくはずです。

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 誰もが、今この瞬間から「一流」になれる

一流の見習いであったからこそ、一流の若手になれたのであり、一流の中堅になり、一流のベテラン、一流の指導者へと成長して行ったのです。

掃除といえば手を抜いて、営業といえば喫茶店で時間を過ごす。できるだけ楽をして、他の人と同じ給料をもらうことばかりを考えて見習い時期を過ごしてきたという三流の見習いだった人が、一流の指導者へと変わっていくことはないんですね。

それは何も新入社員に限った話ではなく、我々も同じですね。例えば先生であれば、10年もすれば「授業」なんて誰でもできます。

でも、それを誰にもできないレベルに仕上げる人は、ほんの一握りです。そして、それを誰にもできないくらい続けている人ともなれば、思い当たる人がいないくらい稀な存在でしょう。

「一流というのは、今この瞬間になれるものなんだよ」

僕は日頃からそう伝えています。でも、そのためには、仕事は技能によってするものではなく、心でするものだということを忘れてはいけないと思っています。

と言うわけで、今週の一言。

「誰でもできることを、誰にもできないレベルまで、誰にもできないくらい継続してみよう。その瞬間に君は唯一無二の一流になっている」

あなたも一流を目指すのをやめて、この瞬間に一流になりましょう。一流の見習いで十分ですから――

(※今回の内容に興味をお持ちの方は、ぜひ初月無料のメルマガで最新記事もお楽しみください。4月配信分では、「一日一度の自問が人生を激変させる」や「若者じゃなくなっても宝だといってもらえる人を育てるには」といったテーマで、喜多川泰氏が珠玉の言葉を綴っています)

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image by: Shutterstock.com

喜多川泰この著者の記事一覧

1970年生まれ。2005年「賢者の書」で作家デビュー。「君と会えたから」「手紙屋」「また必ず会おうと誰もが言った」「運転者」など数々の作品が時代を超えて愛されるロングセラーとなり、国内累計95万部を超える。その影響力は国内だけにとどまらず、韓国、中国、台湾、ベトナム、タイ、ロシアなど世界各国で翻訳出版されている。人の心や世の中を独自の視点で観察し、「喜多川ワールド」と呼ばれる独特の言葉で表現するその文章は、読む人の心を暖かくし、価値観や人生を大きく変えると小学生から80代まで幅広い層に支持されている。

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