値上げはするも賃金は上がらない今の日本。それでも、「自分が納得したものなら高くても買う」と話すのは、メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者、佐藤きよあきさん。今回、佐藤さんは京都にあるケーキ店を紹介。「週3日営業」「強気な価格設定」など、現代では不利になりそうな要素を持ったケーキ店が客に支持される理由を分析しています。
週替わり商品で、週3日営業。 高付加価値で強気な勝負をするケーキ店
厳しい社会情勢から抜け出そうとしている現在。
賃金の上昇より、物価の上昇が上まわっていても、
自身が納得したものなら、高くても買うということです。
京都市左京区一乗寺に、フランス菓子専門店「
このお店は、
ショーケースには7~8種類しか並んでいないのですが、
百貨店に入る有名店より、高い価格設定になっています。
それでも高評価を得ているのは、なぜでしょうか。
「それだけ美味しい」あるいは「それ以上に美味しい」
ケーキづくりの職人は、オーナー1人。
その理由は、「作り手が多くなると、品質にバラツキが生じたり、
こだわるが故に、人には任せられないということです。
オーナーのこうしたこだわりは、週3日営業にも表れています。
店休日に仕込みをするためです。
1週間まるまる営業するとなると、
これは、商売としては当たり前のことで、一般的には、
しかし、このお店はこだわり抜くために、
それが、週3日営業という選択となったのです。
こだわりを追求した結果、高価格となってしまいましたが、
職人としては、非常に理想的なモノづくりを実現しています。
また、週3日しか買えないということが、付加価値となり、
さらに、このお店のケーキは週替わりなので、次の週に行っても、
「一期一会」の出逢いであり、それもまた、
毎週新しい商品を生み出すのは、並大抵のことではありませんが、
オーナーのこだわりは、それだけではありません。
ケーキの提供方法にも、細かな気配りがあります。
テイクアウトの場合には、ケーキのひとつひとつについて、
「冷たくして、冷蔵庫から出してすぐ……」
「冷蔵庫から出して、5~10分置いて……」
「常温に近づけて……」
「オーブンで温めて……」
など。
また、イートインを利用する場合は、
ここまで徹底しているお店は、他にありません。
美味しいケーキを食べて欲しいという、
納得のいく理想のケーキを追い求め、丁寧な仕事をするために、
職人として、
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