元Jr.や元ジャニーズグループメンバーの告白が相次いでいる、ジャニーズ事務所の性加害問題。事態は収まる気配がなく、今月1日には、音楽プロデューサーの松尾潔氏(55)が自身のTwitterに「15年間在籍したスマイルカンパニーとのマネージメント契約が中途で終了になりました。私がメディアでジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及したのが理由です。私をスマイルに誘ってくださった山下達郎さんも会社方針に賛成とのこと、残念です」などと投稿しました。これを受けて昨日、シンガー・ソングライター山下達郎(70)が自身のラジオ『山下達郎のサンデー・ソングブック』で騒動について言及、現在賛否を呼んでいます。そして、ジャニーズ問題はあの“スーパースター”の仕事にも影響を及ぼしているようです。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが解説します。
“すねに傷を持つ”資生堂。“性加害”騒動に敏感
『週刊文春』の“木村拓哉、資生堂CM起用案が性加害問題で消えた”という記事が芸能関係者たちの間で話題です。
キムタクと化粧品メーカーで思い出すのは今から27年前、『ロングバケーション』で不動のトップアイドルとして君臨していた頃、『カネボウ化粧品』“T’ESTIMO(ティステモ)”が“スーパーリップで攻めてこい”をキャッチコピーに商品のキャラクターに抜擢、2ヶ月弱で300万本を軽く超える売り上げを記録したことです。
店頭からあっという間に、商品が並べられては消えるのを目にしたのはこのリップと宮沢りえの写真集『Santa Fe』ぐらいでしょうか…。
記事の“今秋の高級メンズ化粧品のCMに木村拓哉を起用する予定だったが、性加害問題を受け白紙になった”がその通りだとしたら、27年前と今のキムタクの購買力の“現在地”を確認できたかもしれなかった事も含め残念に思います。
『週刊文春』には“海外での売り上げ比率が7割超えでリスク管理意識が高い資生堂”とありますが、広告代理店関係者に聞くと、どうやら原因は“性加害”問題だけではないような気がします。
例えば7年前、『資生堂』は“INTEGRATE(インテグレート)”のCMを放送中止にした事がありました。
25歳の誕生日を迎えた小松菜奈演じるキャラクター・ナナに向かって友人たちが女子会でー
「今日からあんたは女の子じゃない」
「もうチヤホヤされないし、褒めてもくれない」
「カワイイという武器はもはやこの手にはない」と言った事に女性視聴者が“年齢蔑視”だと不快感を示したこと。
別のCMバージョンでは男性上司が部下の女性に「(頑張っている様子が)顔に出ているうちは、プロじゃない」と指摘したことが“パワハラ”だと批判されたのです。
更にこの設定が大人気漫画でドラマ化もされた『東京タラレバ娘』のパクりじゃないか…とも指摘され、あっという間にこのCMはテレビから消えていきました。
これだけではありません。
5年前の春にはあるモデルの“パワハラ”“セクハラ”告発を受け、水原希子が「20代前半の頃、上半身裸の撮影を上層部20人くらいの社員のいる前で、半ば強制的に強いられた」とインスタグラム・ストーリーに投稿したのです。
水原は企業名、商品名ともに名指しすることはしませんでしたが、こんな時代ですからSNSでは犯人探しが始まりました。
そこで見つけられたのは『資生堂』が2013年5月に掲載した“「わたし、開花宣言。」”というキャッチコピーの水原が“手ブラ”の新聞広告でした。
この時水原は22歳…ネットでは「ちょっと見方が変わっちゃう…資生堂」とか「印象ワルっ!」というコメントで溢れました。
この噂に『資生堂』も「確認・調査致しましたが、当社での広告撮影時に起きた出来事かどうかについては分かりませんでした」という回答を寄せましたが、これに女性購買者から“不買運動”の声も上がった程でした。
こういった“すねに傷を持つ”過去から、直接的な要因は“性加害”騒動だとはいえ、記事が正しければジャニーズ事務所との契約に敏感に反応した…ということなのでしょう。