中国外交と日本外交を比べると見えてくる我が国の“ノービジョン”

Toy train connecting Europa and China. Symbolizing the New Silk Road or one belt one road Chinese strategic investment in the 21st century. Economic project to connect EU, Central Asia and China
 

4.誇りが持てる日本の国家ビジョンを

日本の外交にビジョンはあるのでしょうか。現在の岸田政権をみていると、米国のバイデン政府に追随しているだけのように見えます。

日本は外交によって何を実現したいのでしょうか。安全保障でしょうか。経済発展でしょうか。日本の国際的地位の向上でしょうか。日本の国際的な地位が上がったら、何をしたいのでしょうか。

日本がどうなりたいか、ということだけでなく、例えば、世界各国にどのように動いて欲しいのでしょうか。そして、どのような世界にしたいのでしょうか。

中国は一帯一路構想を打ち出しました。いろいろと問題も生じましたが、BRICS、グローバルサウスとの連帯は強まっています。現段階では、デジタル人民元も不完全ですが、少なくともドル基軸通貨以外の可能性を打ち出しました。

米国バイデン政府は、環境問題、人権問題を打ち出しました。こちらも課題は山積みですが、G7を中心とした先進国に対して、世界の方向性を示しています。

日本は、米国や中国のような覇権主義ではありません。それならば、覇権なき平和な世界を目標として、世界各国が自主独立し、多様な文化を発展させることをビジョンに掲げるのはいかがでしょうか。

いずれにしても、国民が誇りを持てる、日本の国家ビジョンが必要だと思います。

編集後記「締めの都々逸」

「傍若無人の ジャイアンだって たまにゃ仲裁いたします」

本当に驚きました。中国が平和の使者になるとは思いませんでした。しかも、中東諸国の中国に対する信頼は相当なものです。

中国は完璧な準備ができなくても、とにかくスタートします。日本は完璧な準備ができないとスタートしません。当然、中国は失敗します。日本は失敗しません。

でもね、本当に困っているときは、性格が悪かろうと、技術がなかろうと、とにかく手を差し伸べてほしいんです。日本は動いてくれないから、中国に頼む。中国が失敗すると、日本に泣きついてくる。日本はそれを裏切りだといいます。

それでいいのかな。もう少し知恵を働かせることはできないのでしょうか。(坂口昌章)

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