自国の勢力圏拡大の動きを強める中国・イラン・北朝鮮
こんな議論をしている間にも、ロシア・ウクライナ双方で死傷者が増え続け、オデーサ大聖堂をはじめとする文化・世界遺産が次々と破壊されていき、攻撃が見境のないものになり、戦闘のエスカレーション傾向を阻むものがない状況になりつつあります。
このような地獄の状態を防ぐためには一刻も早い停戦と戦後復興のための合意が必要になりますが、残念ながらロシア政府側にも、ウクライナ政府側にもそのための心理的な基盤が存在しませんし、NATOや中国・イラン・北朝鮮、そしてインドなどが当事者化し、背後でいろいろと動き出すことで、状況が極めて複雑化してきている中、和平に向けた環境は全く揃っていません。
久々の世界的な戦争を前に血が騒いでいるのかどうかは分かりませんが、各国は間違いなくこの状況下において、自国の勢力圏の拡大に勤しむ動きを強めています。
もしこのような状況まで読んで、若干の計算違いは許容しつつ、絵を描いていたのだとしたら、まさに今の状況はプーチン大統領の思惑通りに進んでいるのかもしれません。
混乱の中で事実はどこにあるのか?
なかなか見えづらくなってきました。
以上、国際情勢の裏側でした。
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