売上を伸ばし、働き手の満足度をアップさせることこそが経営者の至上命題。その実現のため、どのような手を打つべきなのでしょうか。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では経営コンサルタントの梅本泰則さんが、商売が上手くいくコツを伝授。経営者が決めるべき「3つのこと」をレクチャーしています。
商売で大切なこと
1.経営者の役目
あなたにとって、商売は難しいですか?
売上や利益を確保しなければなりませんし、売れる商品を仕入れて、並べなければなりません。従業員のことも考えなければいけませんし、メーカーさんや問屋さんと接触する必要があります。毎日が、嵐のように過ぎていきます。
しかし、商売の中で考えることは、ただ一つです。それは、
「お客様に喜んでいただいて、その対価をいただくこと」
そう考えると、難しくはありませんね。
そして、そのために何をしたらいいかを考えるのが、経営者の役目です。例えば、
- お客様が気に入る商品を揃える
- 売場を見やすく、買いやすくする
- お客様に喜んでもらえるイベントを行う
- お客様と親しくなるための機会を多く設ける
- お客様がファンになってくれるような社員を育てる
といったことでしょうか。いつもあなたが行っていることです。ですから、決して難しいことではありません。
とはいえ、こんなことを言われたことはありませんか。
「商売をするには、経営計画書を作った方が良いよ」
また、マーケティング手法を取り入れていくようにアドバイスを受けたこともあるでしょう。さらには、全員が同じ方向を目指すべきだと言われたこともあるかもしれませんね。
2.簡単ではないこと
もちろん、どのアドバイスも正しいです。そこでお聞きします。今まで、経営計画書を作ったことはありますか?
作ったことがあるとして、その作り方は誰に教えてもらいましたか?市販のビジネス書を読んでも、おそらくうまく作れないでしょう。また、経営計画書作成講座のようなものを受講しても、そんなに簡単に出来るものではありません。やはり、作成の得意な人に指導してもらうことが必要です。
そして、計画書が出来たとします。それからがまた大変です。出来た計画書を実践するお店は、そんなにはありません。多くのお店が、作っただけで終わってしまっています。それでは、何のために作ったのか分かりません。
また、マーケティングについても同じです。それこそマーケティングに関する本は、たくさん出てます。コトラー先生以降、マーケティングは花盛りです。さまざまなマーケティング理論やマーケティング手法があって、何が何だか分からないというのが本当のところでしょう。
最近では、ウエブマーケティングやSNSマーケティングのように、マーケティングの領域も広がっています。その上、マーケティング用語は横文字のオンパレード。次から次へと出てくる理論を追いかけても、こんがらがるだけです。流行に惑わされないようにしましょう。
このように、経営計画書作りにしても、マーケティングにしても、結構難しいものです。そのため、商売が難しいと考える経営者もいます。しかし、先ほども言いましたように、商売は難しくありません。3つのことを決めるだけで、商売がうまく行くからです。
3.3つのことを決める
3つのこととは、何でしょう。それは、
- 誰に売るか
- 何を売るか
- どうやって売るか
を決めることです。
誰に売るかって?お客様に決まっていますね。そのお客様を、絞り込んでみます。例えば、中高生とか、近所の人とか、サッカーをしている人とか、この人たちにお店に来て欲しいという対象を決めることです。すると、お客様にもそのことが伝わります。
もちろん、決めた対象のお客様だけに商品やサービスを提供するということではありません。お店には、それ以外のお客様も来られます。それはそれで構いません。しかし、一番売りたいお客様を決めることで、お店の目指すところが、明確になります。すると、そうしたお客様が集まるお店になっていくでしょう。
次は、何を売るか、です。もちろん、お店では商品やサービスを売ります。決めるのは、そういうことではありません。決めた対象のお客様が、本当に求めているのは何かという事を考えます。例えば、
- スポーツがうまくなりたい
- スポーツを通じて成長したい
- スポーツで人々と交流したい
といったことです。つまり、お客様がスポーツを通じてどんなことを達成したいかを考えます。お店は、そのための商品やサービスを提供する場所です。ぜひ「何を」売るかを決めましょう。
「何を」が決まれば、「どうやって売るか」が決まってきます。決めたお客様が求めていることに対して、お店は何ができるかということです。例えば
- お客様同士が交流できる場とする
- 丁寧な説明と気楽に相談ができる店にする
- 他店では手に入りづらい、高品質の商品を揃える
- 技術レベルが向上するイベントを頻繁に開催する
といったことですね。
いかがでしょう。この3つのことが決まっていたら、お店がやることは簡単です。そのことで、お客様が喜んでくれるのは、間違いありません。そうすれば、売上も利益も増えていくことでしょう。決して商売は難しくはありません。
■今日のツボ■
- 商売は、「お客様に喜んでいただいて、その対価をいただくこと」
- 3つのことを決めれば、商売がうまく行く
- 3つとは、「誰に」「何を」「どうやって」売るかということである
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