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経営分析を笑うものは経営分析に泣く。会社が必ず見るべき「指標」とは

経営分析はお店の成長に欠かせないものですが、本を読んでも多くの指標が出てきて難しいと感じる経営者のみなさんも多いのではないでしょうか。無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』の著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんは、経営分析の方法とその内容を詳しく紹介しています。

経営分析は決算書だけでするものではない

1.決算書による経営分析

あなたは、お店の経営分析をしていますか。

財務会計の本を読むと、いろいろな経営指標が出てきます。

なかなか難しいです。

主に、決算書をもとに、お店の「収益性」「安全性」「生産性」「成長性」を分析するのが、経営分析になります。

収益性とは、会社の収益が上がっているかということ。

安全性とは、会社の資金繰りは万全かということ。

生産性とは、会社は効率的な経営をしているかということ。

成長性とは、会社は成長しているかということ。

それぞれ、代表的な比率と、その計算式をあげます。

●収益性分析

・総資本経常利益率=経常利益÷総資本(資本+負債)

・売上高経常利益率=経常利益÷売上高

・総資本回転率=売上高÷総資本(前期と当期の平均値)

●安全性分析

・流動比率=流動資産÷流動負債

・当座比率=当座資産÷流動負債

・固定比率=固定資産÷自己資本

・固定長期適合率=固定資産÷(資本+固定負債)

●生産性分析

・労働生産性=付加価値÷従業員数

・労働分配率=人件費÷付加価値

●成長性分析

・売上高成長率=当期売上高÷前期売上高

・利益成長率=当期利益÷前期利益

これらの比率が、競合他社より良いか悪いか、また、前年に比べて良いか悪いかといったことを分析します。

これが、一般的な経営分析です。

なんとも、頭が痛くなりますね。

2.ネット販売の分析

とはいえ、成長性の分析は、否応なしに行っているはずです。

売上や利益が、どれくらい上がっているかを知るのは、経営の基本ですからね。

そして、これらに加えて、「一人当たり売上高」「一人当たり粗利益」「一人当たり売り場面積」「商品回転率」といった数字が重視されます。

それぞれの数字を改善する方法は、財務会計の本に書いてありますので、研究してください。

さて、最近は、こうした分析だけでなく、違った指標も分析されるようになっています。

ネット販売が増えたからです。

ネット販売においても、「収益性分析」や「成長性分析」は行われます。

しかし、財務会計の経営分析とは違った指標が多く使われますので、気を付けましょう。

例えば、

・リーチ率(インターネット上に出した広告が、訴求対象に到達した割合)

・アクション率(投稿に対してアクションを実行した人の割合)

・コンバージョン率(サイトの閲覧者が、企業の望む行動を起こす割合)

・セッション(期間内の閲覧数)

・ページビュー(閲覧者のブラウザーにサイト内のウェブページが表示される回数)

・エンゲージメント率(フォロワーからの「いいね」などの反応があった割合)

・インプレッション率(投稿を見られた数)

・アトリビューション分析(どのタイミングや集客経路でコンバージョンに至ったかを分析)

・直帰率(1ページしか閲覧されなかった訪問者数の割合)

などといった数字でネットビジネスの効果が分析されます。

横文字ばかりで、よく分かりませんね。

それでも、ネット販売をしているお店には、必須の分析です。

慣れないとなかなか難しいですが、フェイスブックやインタグラムなど、SNSでは無料で分析ができます。

手にした分析結果は、時系列に並べてどんな傾向になっているかを見ると、対策も立てやすいでしょう。

ですから、分からないと言って、放っておいてはいけません。

3.私の考えた経営分析

ここにあげた経営分析も、ネット販売分析も、一般的な方法です。

実は、これ以外にも指標は考えられます。

そこで、私が考えた分析指標を紹介しましょう。

・売上仕入差異率(=1ー(期間仕入高÷同時期売上高)

一定時期(例えば1か月間)の売上高と仕入高を比べて、

計画通りの粗利が稼げているかを見ることができます。

・一人当たり売上増減率

=(期間売上高÷同時期顧客数)÷前年同時期一人当たり売上

一定期間における一人当たりの売上や顧客数の増減を見ます。

それらを前月比や前年度比で調べれば、傾向が分かるでしょう。

・外商員生産性分析(=外商粗利÷外商活動時間)

外商活動は、売上だけでなく粗利が重要です。

その粗利を得るのに、外商員がどれくらいの活動時間を要したかを分析します。

売上の多い外商員の生産性が高いとは限りません。

・広告宣伝効果率(=投入広告宣伝費÷広告イベントによる来店数)

広告宣伝の効果を検証するお店は少ないです。

イベントへの来店を促すのに一人当たりいくらの広告宣伝費を使ったかを見ます。

ネット広告での効果も調べなくてはいけません。

ネットモール出店及び手数料、ネットモールイベント参加貴、SEO対策費、リスティング広告、メールマガジン配信料など、
いろいろな広告宣伝があります。

それぞれの広告宣伝によって、売上や顧客数がどれだけ上がったかを分析することで、お店の経営改善に活かせるでしょう。

さらに、こんな経営指標も考えられます。

・知人紹介率分析

お店のファンは、よく知人を紹介してくれます。

一定期間において、どのくらいの数のお客様が知人を紹介してくれたか、集計をしておいてはどうでしょう。

どんなケースに紹介があったか、どんな商品の紹介をしてくれたかといったことを、メモにしておくと参考になります。

・お客様感動率分析

お客様は、お店で体験したことで感動をしてくれることがあります。

どんなことで感動をしてくれたのか、調べてみてはいかがでしょう。

アンケートをとれば、具体的に分かりますが、接客時のお話の中で聞きだすことも出来ます。ネットでのやり取りで分かることもあるでしょう。

お客様感動体験を増やすことで、より多くのファンを増やすことができます。

これが、お客様感動率です。

・ネットコメント率

お店からのSNSへの投稿に対して、お客様のコメントがどれくらいあったかを調べます。

コメント数の多い記事が、お客様の関心度が高いという事になるのでしょうか。投稿が、どんな内容や書き方だったかを検証して、反応の多い記事を増やすようにしたいものです。

いかがでしょうか。

経営分析の本にある分析方法と、ネット販売分析法を紹介し、ついでに私の考えた分析方法も紹介しました。

経営分析は、お店の業績を向上させるのに必要な作業です。

面倒がらずに、実行していきましょう。

■今日のツボ■

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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