本当はやりたくない仕事を受けて大変になってしまう人っていますよね。そんな「いい人」は損をしているかもしれません。今回、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者、土井さんが紹介するのは嫌な仕事を上手に断るためのノウハウを紹介した一冊です。
【これで断れる人になる】⇒『嫌な仕事のうまい断り方』
山本大平・著 日経BP
こんにちは、土井英司です。
本日ご紹介する一冊は、初の著書『トヨタの会議は30分』が10万部のベストセラーとなった、山本大平さんの新刊。
著者は、新卒でトヨタに入社し、新型車の開発に携わった後、TBSに転職。『日曜劇場』『SASUKE』『輝く!日本レコード大賞』などの番組のリブランディングをした後、アクセンチュアに転じ、その後独立しています。
石原明さんの『営業マンは断ることを覚えなさい』しかり、勝間和代さんの『断る力』しかり、「断る」がテーマの本は、一定数ベストセラーになるという認識がありますが、それぐらいみんな断りたいんでしょうね(笑)。
『断る力』
本書では、「断りたい」という動機で読み始めたビジネスパーソンに、上手な断り方を教えながら、社内コミュニケーション、自分ブランディング、キャリアの可能性を拓く方法を指南しています。
これからの時代にどんな案件を受け、どう仕事すればビジネスパーソンとしての未来が拓けるか、シンプルなアドバイスをしており、若い方には刺さると思います。
まだ一回も転職していないという人は、なぜ転社をしていないことがこれから危ないのか、その理由がよくわかると思います。
「断り方」への言及はわずかで、トータルで見るとキャリア開発の本ですね。
良いキャリアのヒントが書かれていると思います。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
「その仕事は嫌なのでやりません」という言い方はあまりスマートではありません。それでは確実に波風が立ちます
自分がその仕事を嫌だと思っているかどうかではなく、その仕事をするだけの力がないと伝えればいい
能力的にできない、または、時間的にできない。これが、嫌な仕事を断るときの最強の言い訳です
あなたも上司の側に立ちます。あくまで、気持ちの問題です。まずは「私もこの仕事を私にやらせたい」という立場に立つのです
大事なのはまず、本当はやりたいという意思を伝え、その上で、できないという事実よりもその理由を伝えることです。理由がわかれば、人は納得するのです
あなた自身のこと、そして仕事状況を上司に把握しておいてもらう必要がある
したいことをして、したくないことはしない、そういう人間なのだということを、隠さないこと
挨拶には現状報告をプラスする
同僚や部下のことをよく知っていれば、推薦すべき人のことがすぐに思い浮かぶ
その仕事をする理由が明確になれば、その仕事は嫌な仕事ではなくなる
AIが人間の仕事を奪っていくのは確実です。そうであるならば、AIによって奪われそうな仕事より、【AIにされたら嫌な仕事】に着目すべきです
それまでの自分の得意分野とは少しずれた、誰かから提案されないとやってみようとも思わない仕事については、やってみると、それが将来の大きな武器になる可能性があります
「食わず嫌い」は損をする
100人中で1番では、私よりできる人がいる可能性が高いです。1万人中1番になるには、1000人中1番になるのに比べて10倍以上、努力が必要です。
なので、1000人中1番がちょうどいい
これからの社会人は8社を経験する
途中から、『嫌な仕事のうまい断り方』を超えて、キャリア開発の話になりますが、多様なキャリアを持っている著者の話だけに、説得力があります。
『嫌な仕事のうまい断り方』から始まって、嫌な仕事がキャリアの可能性を拓くという話になるあたり、上手いと思いました。
ぜひ読んでみてください。
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