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「日本人お断り」にはダンマリ。「中国人お断り」に過剰反応する男性の正体

東京都内の飲食店店頭の「中国人入店禁止」表示を問題視した中国人インフルエンサーが、同店に押しかけ抗議する動画が話題となっていることをご存知でしょうか。そんなニュースを取り上げているのは、台湾出身の評論家・黄文雄さん。黄さんは自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で今回、むしろ中国のほうが「日本人お断り」を掲げる店が多いという事実を指摘するとともに、世界各地で中国や中国人への憎悪が拡大する理由を解説しています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2023年12月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

「日本人お断り」は容認、「中国人お断り」に怒る人たち

「中国人お断り」の日本の店に突撃する中国人男性、その結末は…

東京都内の中華料理店が「中国人お断り」という張り紙をしたことに激怒した中国人男性が、店主に対して「違法だ」と叫び、さらに警察を呼んで大騒ぎする動画が話題となりました。

中国人男性は「ヘイトスピーチで違法だ」「国際問題になる」などと主張したそうですが、店主からはもちろん、警察からも「特定の人を入れるかどうかは店の判断で、警察には強制力はない」と言われ、最終的にはその場から立ち去るように言われたそうです。

この男性は、今年8月にも、新宿の飲食店に「中国人へ 当店の食材は全て福島県産です」と書かれたボードが掲示されていたことを差別だと問題視し、警察に通報、店側に表示を取り消させる動画を投稿しています。

日本ではこのように「◯◯人お断り」といった表示は、ほとんど見かけることがありませんが、むしろ中国のほうが「日本人お断り」を掲げる店は多く、報告事例もたくさんあります。台湾の「自由時報」も、日本のネットユーザーが中国で「日本人お断り」を掲げる店の写真を「X」に掲載していることを報じていました。

そこには、「日本人の入店はお断りしています。純粋な個人的コンプレックス」という表示を掲げる焼肉店や、「日本人とフィリピン人、ベトナム人、そして犬はお断り」という表示を掲げる店などの写真が並べられています。

中國店家公告「直白岐視日本人」 日本網友怒罵?無恥雙標!

そもそも、日本の福島原発処理水放出にあたっては、中国は科学的根拠もなく「危険だ」と国内を煽ったことで、中国から日本に多くの嫌がらせ電話が殺到し、社会問題にもなりました。そうした事態からすれば、中国人を飲食店に入れることをリスクだと考える日本人が多くなっても仕方ありません。

福島県近海の魚介類を使用しているということを理由に、店内で大騒ぎされる可能性もあるからです。

日本国内での「中国人お断り」の表示が国際問題になるというなら、この中国人男性はまず中国国内の「日本人お断り」の店を回って猛抗議すべきでしょう。日本へ嫌がらせの電話をかける中国人にこそ、その批判を向けるべきです。

それをしないならば、単なる日本に対する嫌がらせの一環、あるいは動画の再生回数を稼ぐための迷惑行為と見られても仕方ないでしょう。

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産経新聞の矢板明夫台北市局長は、自身のフェイスブックで、

20年前、日本人は概して中国が好きだった。1990年代に『北京的西瓜』という日本映画があったのを覚えている。青果店を営む日本人夫婦が、裕福でないにもかかわらず中国人留学生たちを懸命に助ける姿を描き、その交流の中に人間の温かさを見せていた。

 

この物語は日本中を感動させた。当時、日本人の8割以上が中国を身近に感じていた。しかし現在、8割の日本人が中国に対してネガティブな印象を持っている。

 

なぜこのような大きな変化が起きたのでしょうか? 中国と中国人は反省すべきだと思う。

と中国語で書いています。

日本餐館貼「中國人禁止入内」 矢板明夫:中國要反思為何被討厭!

かつて多くの日本人は中国に幻想を抱いてきました。江戸時代以前から、中国を理想の国と考える日本の儒学者たちも少なくありませんでした。本居宣長は、中華に心酔する儒学者たちの考え方を「漢意(からごころ)」と呼びました。

そしてそうした風潮は、戦後にも続きました。自虐史観と捏造された歴史を教え込まれ、さらに共産主義に共鳴した「進歩的文化人」は、かつて以上に中国に心酔し、中国を「ハエも蚊も泥棒もいない理想の国」ともてはやしました。

しかし、大躍進政策や文化大革命による惨状が明らかになり、さらに天安門事件で民主活動が弾圧され、さらには中国の反日活動が活発化するにつれ、次第に中国の本性に気づく日本人が増えてきたのです。かつて8割が中国に親しみを覚えていた日本人の割合は、現在では2割程度と4分の1になってしまいました。

中国に「親しみ感じる」22%、40年で4分の1に

もっとも、外国人への批判を「ヘイト」と呼ぶ一方で、外国人による日本人ヘイトは積極容認するダブルスタンダードの日本人も少なくありません

「中国人お断り」の表示は、海外ではわりとよく見かけます。世界的に中国人観光客が増えた2010年代には、あまりのマナーの悪さから、諸外国で中国人拒否を掲げる店が急増、中国国内でも「中国人は反省すべきだ」という声が出ました。

中国人はなぜ海外で「お断り」されるのか―中国人学生

また、実際には中国人を拒否するのは、海外の華僑が多いということもあるようです。シンガポールでは中華系の家主が「インド人と中国人は入居お断り」とする傾向があることが報じられました。

シンガポールで横行「インド人と中国人は入居お断り」…家主の多くは中華系という残酷な現実

アメリカの中華系移民のあいだでも、古くからいる華僑が、新たにやって来る中国系移民のことを、自分たちの仕事を奪ううえに、アメリカ人との文化摩擦仕事を起こすことから脅威と見なして、排除する傾向にあることもよく言われます。

中国政府自体が、南シナ海問題では国際仲裁裁判所の決定を「紙くずだ」と無視して領海侵犯を繰り返し、経済問題でも国有企業を使って国際市場を支配し、さらには中国市場の自由化も行わないなど、機関国際ルールをことごとく軽視していますから、中国人もルールを守らないのは当然でしょう。だから各国各地で中国や中国人への憎悪が拡大していくのです。そのことに中国人はもっと自覚的であるべきです。

実際、日本で「中国人お断り」という表示が出るくらいは、まだ全く大人しい方で、インドネシアでは1998年に華人排斥暴動が起こり、1,200人以上の華僑が虐殺されました。また、近年でも2014年5月、ベトナム各地で反中国暴動が発生し、20人を超える死者が出ました。

なぜ中国・中国人は他国で嫌われてしまうのか。トラブルメーカーとなっているのは誰なのか。胸に手を当てて考えてみるべきです。

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image by: Kike Fernandez / Shutterstock.com

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