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言えば言うほど逆効果。中国のイチャモンが「日本と台湾の絆」をますます深めるワケ

何かにつけて日台の間を引き裂き、台湾の孤立を企てる中国。しかしそのような試みは、二国の絆をますます強めることにしかならないようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、日台の地方議員たちによる交流サミットに対する中国の「いつもながらの反応」と、恫喝まがいの抗議を受けた県議らが語った内容を紹介。さらに中国が国際社会から信用されない理由を解説しています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2023年12月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

隣国に学習能力はないのか。中国の恫喝でますます強まる日台の絆

台湾との友好の絆に中国が横やり 仙台で開催の交流サミットに「一つの中国」と抗議

このメルマガでも以前取り上げましたが、毎年、日本と台湾の地方議員による「交流サミット」が行われています。

【関連】台湾の危機は日本の危機。「日台交流基本法」制定で中国に対抗せよ

今年は11月18日に仙台で開催されました。このサミットは、2015年に金沢で第1回目が開催され、以後、和歌山、熊本、台湾の高雄、富山、加賀、神戸、高知と毎年さまざまな都市で行われ、今回で9回目でした。同サミットは日本と台湾の地方議員が連携を強め、地方レベルから日台の友好を促進し、さらには同サミットで決議された宣言書は国会に提出されます。

第9回日台交流サミットin仙台(日本中華聯合總會)

今回のサミットでは日本側は仙台市の郡和子市長をはじめとする県内の首長や、地元選出の小野寺五典元防衛相、台湾からは台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)の謝長廷代表など、約300人が出席し、盛況のうちに終わりました。

ところがこのサミットに対して、中国から地元自治体に抗議が入り、波紋を広げています。このことは台湾でも大きく報じられています。

「自由時報」によれば、今年のサミットで発表された「仙台宣言」は、台湾を国際社会から排除しないという第26回国連総会決議第2758号に基づき、台湾の国連制度下の国際機関への早期加盟を実現するため、日本はあらゆるチャンネルを駆使して一刻も早くさらなる努力を行うべきであると強調しています。また、台湾の世界保健機関(WHO)加盟を支持する文言において、これまでの「台湾のオブザーバー参加を支持する」という文言が削除されました。これは台湾をさらに独立国として扱うことに等しく、サミット史上最大の突破点になったと記事は述べています。

仙台舉辦台日交流峰會遭中國抗議 日議員:暴露中國霸權本性

ところが、このサミットの6日後、在新潟中国総領事館が仙台市の担当部署に電話をかけ、日本側は「一つの中国の原則」に反していると抗議し、日台お互いに手を出さないほうがいいと警告。さらにはサミットに関するいかなる情報も公表せず、ルールに反する発言や行動をとらないよう要求してきたといいます。また、宮城県庁にも総領事館から同様の連絡があり、今後サミットに出席しないよう警告したとのことです。

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中国の恫喝に屈することのない日本の地方議員たち

しかし、サミットに出席した議員がこのような恫喝に屈するはずがありません。産経新聞によれば、実行委員長を務めた石川光次郎県議は「台湾には東日本大震災の際にお世話になり、常々、感謝の思いを持って活動してきた。中国から抗議される筋合いはない」と述べ、次回のサミットにも団体で参加する意向を示しています。また、仙台市の佐藤正昭市議は「台湾との議員間交流を中国政府が制約する権利はない。独裁的な中国の姿勢が現れている」と指摘しました。

実は、2021年に神戸で開催された日台交流サミットでも、中国側から神戸市に開催中止を求める嫌がらせがありました。そのことを当時の実行委員の神戸市議が明らかにしたところ、かえって日本の地方議員の署名が増え、新型コロナ流行のさなかにかかわらず、申込数が500人に急増したことがありました。

そうした過去があるだけに、日台双方も中国からの抗議は想定内だったとも言えるでしょう。

中国が中華思想的なきわめて高圧的で独善的な態度に、多くの国で反発を招いてきました。2016年にはイギリスのエリザベス女王が前年にイギリスを訪れた習近平らの中国一行について、「とても失礼だった」と述べたことは記憶に新しいところです。

エリザベス英女王、中国使節は「とても失礼」と 録音されていた会話で

2020年の台湾総統選挙にしても、その前年まで蔡英文の支持率が低迷し再選は無理だと思われていましたが、2019年1月に「台湾同胞に告げる書 発表40周年記念式典」で習近平が「一国二制度」を台湾に強要し、武力行使を放棄しないと発言。これに蔡英文が反論するメッセージを出したことから、蔡の支持率が急速に回復し、翌年の総統選挙では過去最高得票で再選されたのでした。

中国側も、自分たちの発言が反発を呼びやすいことに自覚しているのかもしれません。事後に抗議したというのも、事前抗議だと神戸のときのように、中国への反発が集まりかえって参加者が増えてしまうのを恐れたのではないでしょうか。

中国が信用されないのは、独善的で高圧的であるにもかかわらず、その行動が一貫していないことにもあります。

エマニュエル駐日大使は12月18日、自身のSNSで、中国が日本の水産物輸入を全面禁止したにもかかわらず、中国漁船が日本の海域で漁をしていると、証拠の写真を示しながら批判、「中国共産党の指導部は日本の海域で獲れた魚を食べ続けている」と痛烈に皮肉りました。

美駐日大使酸北京「説一套做一套」 中國漁船仍在日本海域捕魚

台湾に対しても「一国二制度」を守るような口ぶりで統一を誘いながら、香港では50年間は維持するとイギリスに約束してきた一国二制度を実質的に廃棄する香港国家安全維持法を施行するなど、言っていることとやっていることが正反対で支離滅裂です。

そのような中国がいくら恫喝を繰り返しても、反発は広がるばかりで、日台の絆がますます強化されることにつながるだけです。むしろ日台にとっては中国の本性が明らかになり、かえって喜ばしいことなのかもしれません。

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image by: X(@Taiwan in Japan 台北駐日経済文化代表処

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