プーチンが投票前に排除した「潜在的ライバル」
「有力な対抗馬は、事前に排除する」
今回も同じことが起こりました。ボリス・ナジェージュジン(60歳)は、1999年から2003年まで下院議員でした。リベラル系ですが、ロシア人的には「顔は見たことあるけど、何している人か知らない」といった感じの人です。
クレムリンとしては、「ロシアにも民主主義があることを宣伝するために、反戦候補も一人出しておこう」ということだったのでしょう。
ところが、海外にいる「反プーチン派」が結束してナジェージュジン支持を表明した。その結果、意外なことにナジェージュジンは、大人気になってしまったのです。そして、予想通りというか、中央選挙管理委員会が、彼の出馬を拒否しました。参考動画。
● 「変化を求める数千万人の国民の存在をどうするのか」 ロシア大統領選“反戦候補”の出馬認めず 署名に「不備」で|TBS NEWS DIG
プーチンは、投票前に潜在的ライバルを排除したのです。
というわけで、ロシアの選挙は、台湾やアメリカ、あるいは日本と違い、最初から結果がわかっています。だから私はロシアの制度のことを【 なんちゃって民主主義 】と呼んでいるのです。
大統領がいて、首相がいて、上院、下院がある。選挙も定期的に行われる。しかし、最初から結果が決まっているので、【 なんちゃって民主主義 】なのです。
なんちゃって民主主義だと、支配層がやり放題になり、腐敗がものすごいことになります。
日本の自民党もずいぶん腐敗しているようですが、それでも野党、マスコミ、国民に追及されてピンチに陥っています。ロシアの場合、追及したら逮捕されてしまう。日本の民主主義は、「まだマシ」と言えるでしょう。
ところで皆さんが支持している政党は、「ロシア型」ではないですか?是非熟考してみてください。
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