とんかつ定食が「ざるうどん」よりも食後血糖値が低いのはなぜ?

 

とんかつ定食は、キャベツがあるので食物線維はOKです。

豚肩ロース脂身つき100g当たり、

総脂質量:23.29g

飽和脂肪酸:9.95g 

一価不飽和脂肪酸:10.82g

多価不飽和脂肪酸:2.52g

豚脂に含まれる飽和脂肪酸のうち、約15%を占めるステアリン酸は、HDLコレステロールを増やす働きがあり、動脈硬化を予防する効果があります。

そして一方の不飽和脂肪酸は豚の脂肪酸のうち60%を占めていて、その約80%がオレイン酸(一価不飽和脂肪酸)です。

豚脂は、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸も豊富で、意外にもヘルシーなんですね。

とんかつ定食なら、

1) 一価飽和脂肪酸

2) 多価不飽和脂肪酸

3) 食物繊維

の3つの栄養素をしっかり含んでいていて、GLP-1の分泌を高めてくれることとなります。

「そもそもインスリンが出ているのであれば、酸化ストレスやAGESのことを考えると、食後の血糖値が140くらいでもご飯は食べない方がいいのでしょうか?」

そうですね。

ご飯を食べて食後の血糖値が140mg/dlなら正常型ですが、このとき、大量の追加分泌インスリンが出ています。

インスリンの功罪のうち、功のほうは医師もよく説明してくれるのですが、罪のほうは、ほとんど説明してくれないです。

しかし、過剰のインスリンは、活性酸素を発生させて酸化ストレスリスクとなり、老化、動脈硬化、がん、アルツハイマー病などの元凶となります。

従って、仰る通り、血糖コントロールができている限り、インスリンの血中濃度は低ければ低いほど身体には優しいと言えます。

そうなると、一番好ましい食事は、スーパー糖質制限食を実践して、必要最小限のインスリン分泌で血糖コントロールしていれば、酸化ストレスリスクも最小限となり、AGEs蓄積も最小限となります。

やはり、美味しく楽しく末長く、スーパー糖質制限食実践で健康長寿を目指すのがお薦めですね。

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(財)高雄病院および(社)日本糖質制限医療推進協会 理事長。内科医。漢方医。京都大学医学部卒、同大胸部疾患研究所等を経て、1978年より医局長として高雄病院勤務。2000年理事長就任。高雄病院での豊富な症例をもとに、糖尿病治療、メタボ対策としての糖質制限食療法の体系を確立。自らも二型糖尿病であるために実践し、薬に頼らない進行防止、合併症予防に成功している。

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