北海道・札幌市に「24時間営業の店舗」があり、かつ札幌駅構内に2台の「自動販売機」までも出しているというサンドイッチ専門店があります。なぜ、札幌市民はサンドイッチに魅了されるのか、その理由を無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者で、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが詳しく紹介しています。
24時間営業&自動販売機。なぜ、札幌ではサンドイッチがバカ売れしているのか?
北海道、JR札幌駅構内に、2台のサンドイッチ自販機があります。
西改札口に1台、東改札口に1台。
西改札口に1台を設置したところ、東改札口を利用する人から、「こちらにも置いて欲しい」という要望があり、増設。
それほど人気があるということ。時には行列もできるほど。
しかも、この自販機は1日に5回も補充すると言います。
なぜ、そこまで売れるのでしょうか。
製造しているのは、1978年創業のサンドイッチ専門店「サンドリア」。
本店・支店の2店舗で、年中無休の24時間営業。常時、約40種類がショーケースに並んでいます。
お客さまの誰もが、迷いに迷って買って行きます。迷う人用のスペースも用意されているほど。
1番人気の「ダブルエッグ」をはじめ、「バジルサンドチーズトマト」「イカカツサンド」「クリームコロッケサンド」「ごぼうサラダサンド」「バンバンジーサンド」「タンドリーチキンサンド」「エビマヨサンド」「ストロベリーアップルサンド」「チキン南蛮サンド」「バナナキウイサンド」「ジンギスカンサンド」「タルタルサーモンサンド」など。
24時間3交代制勤務で、ショーケースの商品がなくならないよう、真夜中でも作り続けているのです。
そもそも、なぜ24時間営業になったのでしょうか。
朝早くから販売するため、夜中に仕込みをしていたところ、お店に明かりがついているので、「やっていますか?」と入って来る人が多くいたのです。
お店は、夜の街ススキノに近いため、深夜でも人通りが多かったのです。
ならば、「どうせ作っているのだから、販売してみるか」となったのです。
これが想像以上に売れ、以来24時間営業を続けているのです。
工場でもないサンドイッチ専門店が、24時間フル稼働しているのは、非常に稀なケースで、マーケティング的にも興味深いものです。
まずは、サンドイッチにそれほどの需要があるということ。
ガッツリとした主食にはなりにくく、おやつには重い。
一般的には、軽食・間食という位置づけではないでしょうか。
コンビニの棚に並んでいるのが、サンドイッチの居場所として、しっくりくると思います。
しかし、専門店で約40種類が並び、24時間売れ続けているのです。
これは、ここのサンドイッチが、主食としても、間食としても、おやつとしても、買われているだと推察できます。
美味しいという評価はもちろん、ボリュームがありながら安いということも、売れている理由です。
安いので、主食になるほどの量を買うことができます。
1つ200~300円程度。
ボリュームを考えると、コンビニより3割ぐらいは安いのではないでしょうか。
しかも、お客さまに飽きられないように、常に新商品を投入し続けています。
また、店舗や自販機によって、限定の商品があり、探す楽しみも提供しています。
パンにもこだわりがあり、きめ細かでしっとりとした食パンを自社製造し、サンドイッチの具材によって違う厚さにして、使用しています。
美味しいサンドイッチを安く買うことができるお店。しかも、24時間いつでも。
これが、札幌市民や旅行客を魅了している理由です。
サンドイッチの市民権が、これほど大きくなっている地域は他にありません。
このお店が、サンドイッチ文化をここに根づかせたのです。
非常に興味深いマーケットだと言えます。
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