大阪土産といえば?と聞くと必ず名前が挙がるほどに定番となっている「551蓬莱」の豚まん。なぜ、ここまで関西の人たちに愛されるのか、その理由を無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者で、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが詳しく紹介しています。
“豚まん”だけじゃない!「551蓬莱」、本当の実力
大阪土産の定番であり、地元民にも愛され続けている、551蓬莱の“豚まん”。
具がギッシリ詰まった、ふかふかの豚まんは、他の追随を許さない、絶対的な存在です。
「豚まんと言えば?」と問えば、大阪人および関西人のすべてが、「551の蓬莱!」と答えると言っても過言ではありません。
人気の秘密は、言うまでもなく美味しさなのですが、美味しく食べてもらうためのこだわりが、さらに人気を高めているのです。
それは、実店舗を関西圏に限定していること。
これは、豚まんを一番美味しい状態の時に食べてもらうためのこだわりです。
セントラルキッチンで作った生地と餡を店舗に配送し、店舗で蒸し上げたすぐの状態で販売するのを大前提としています。
なので、店舗との距離を計算し、逆算して、イースト菌の発酵時間と粉を溶く水の温度などを綿密に調整しているのです。
すなわち、店舗ごとに生地を作る時間を変えているということです。
美味しさを保つことができる距離の限界が、車で150分なので、その時間を超える場所には出店しないのです。
味の保証ができないエリアでは決して販売しない、という信念なのです。
さらに、小さなこだわりではありますが、豚まんにつけて食べる「カラシ」も自社工場で毎日製造しているのです。
関西では、豚まんにカラシをつけて食べる人が多いので、蓬莱の豚まんに合うカラシをつけています。
食品メーカーで作られる豚まんや焼売についているカラシは、他社メーカーで作られているものがほとんどですが、蓬莱はそんな小さなところにもこだわっているのです。
しかも、消費期限5日間という、繊細なもの。
さすが、豚まんを大阪土産の定番という地位にまで押し上げた会社です。
こだわりの結晶だからこそ、「豚まんと言えば、551蓬莱」という、関西の常識を創り出したのです。
しかし、豚まんだけが蓬莱の売りではありません。
豚まんを買うための行列の中には、違う商品目当ての人がたくさんいるのです。
蓬莱には、“知る人ぞ知る”という商品があり、常連さんがついています。
「焼売」「焼き餃子」「甘酢団子」「ちまき」などの定番品や「叉焼まん」「あんまん」「煮込麺」「冷麺」などの限定品です。
「豚まんよりこちらの方が……」という人も多く、蓬莱の実力を証明しています。
また、レストランを併設している店舗もあり、本格中華を味わうことができます。
こちらにも多くのファンがついており、昼時には行列ができるほどです。
レストランの存在を知る人は、大阪の中でもそれほど多くはありませんが、コアなファンによって支えられ、老舗の名店とも言える風格を備えています。
豚まんの陰に隠れて、静かな存在となっていますが、豚まんがなければ、中華の名店として、知れ渡っていたことは間違いありません。
それほどの実力を持っているのです。
このように、中華の確かなバックボーンがあったからこそ、日本中に知れ渡る豚まんを生み出すことができたのです。
大阪に来た折には、お土産の豚まんを買うだけではなく、ぜひ、本格中華も味わって欲しいものです。
豚まんを誕生させた、本当の実力を知って欲しいのです。
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