こんなに違うの?5業種で比べてみた同売上同利益の収益構造

 

5.飲食業

売上高 ─ 1億円

売上原価 ─ 2500万円

売上総利益 ─ 7500万円 (他業種より圧倒的に高い粗利)

販売費一般管理費 ─ 7000万円(高い家賃、たくさんの人件費、ほか)

営業利益 ─ 500万円

解説:

よく飲食業はFLRコストという指標が大切であると言われます。Fは原材料費、Lは労務費、Rは家賃です。

FLRの3つを合わせたコストが、売上高の70%を超えてはいけない、など。だから原材料費にあまりお金をかけられないとも言えるし、どうしても良い食材を、一等地で、最高のサービスで提供しようとしたら、そこから逆算して、非常に高い価格設定にしなければならないという結論になります。

数字の感覚が鈍いまま飲食店を開業してしまうと、少しでも安い価格で、少しでも良い品物を提供しようとししまい、結果、FLRコストが80%を超えたりして、うちに相談に来るような結末になってしまいます。
  
最後に。

決算書の読み方を勉強したいと考えている皆さんや、これから起業しようと考えている皆さん、あるいはどこかの会社に投資しようとしている皆さんに是非覚えていただきたいのは、「営業利益」 が非常に大切だ、ということです。

粗利は本文に書いたように、業種やビジネスモデルによってさまざまでいいのです。

だけど営業利益だけは、業種は関係ありません。全業種共通なのです。

辛口意見の人の中には、「営業利益が出せない会社は、もはや事業として成り立っていない!」と言う人もいます。

私も(もうちょっと甘いですが)、同意見に近いです。

それも、役員報酬や減価償却費などを計上せずにムリヤリ営業利益を出すのではいけません。

ちゃんと人並みに役員報酬を取って、固定資産があればしかるべき減価償却費を計上して、そのうえで営業利益がプラスに転じるよう、価格設定や全体のバランスなどを考えてほしいものです。

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事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。特に倒産寸前の中小企業、零細企業、自営業の自力再生(のサポート)を最も得意としています。著書『震災後に倒産しない法』(サンマーク出版)、『借金なんかで死ぬな!』(朝日新聞出版)、『連帯保証人 なってみたらすごかった でもまだ手はある』(ワニブックスPLUS新書)、『ブラックリストなんて怖くない』(宝島社)、『働けません。』(三五館)ほか多数。1968年東京生。乙女座A型。趣味は自転車、魚釣り等。無類のネコ好き。

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