今や世界EVバッテリー市場の半分以上のシェアを握る中国。しかしその安全性には大きな疑問符がついて回っているのが事実のようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、中国製バッテリーによる爆発炎上事故を伝えるニュースを紹介。その上で、日本国内で隣国製のバッテリーを使用する危険性を指摘しています。
※ご高齢ということもあり、今年3月からメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の「ニュース分析」コーナーの執筆をスタッフに任せて、自身は「国家論」の連載に集中していた台湾出身の評論家・黄文雄さんが、7月21日に85歳で永眠されました。今後もメルマガは黄さんの思いを継ぐスタッフにより継続されます。
※本記事のタイトル・見出しははMAG2NEWS編集部によるものです/原題:【中国】世界中で火災を引き起こしている中国製バッテリーに注意
安いだけが唯一の取り柄。突然燃え上がる中国製バッテリーに大迷惑の世界
● 悚!剛買5天電動機車突自燃 深圳外送員慘變火球全身92%燒傷(不気味! 5日前に購入したばかりの電動バイクが自然発火し、深圳の配達員は火の玉と化し、全身に92%の火傷を負った)
中国の深圳で、27歳の配達員が龍華区の華龍路と華興路の交差点を走行中に車が突然炎上し、全身に大やけどを負うという事件が起きました。
中国メディアの報道によると、深圳市で10月7日夜、鄭という27歳の配達員が食料品の配達に向かう途中、5日前に購入したばかりのバイクのバッテリーを交換してから5分も経たないうちに車両が自然発火し、炎の海に包み込まれました。
男性は地面を転がりながら消火しようとしましたが、それでも体の92%が重度の火傷を負い、病院に緊急搬送されました。
鄭さんの母親によると、息子は2回の蘇生処置で危機を脱しましたが、医療費は200万元(約4,000万円)近くに上ったといいます。
一家は経済状態が悪く、主に農業で生計を立てており、もう一人の息子はまだ中学生であるため、莫大な費用を用意するのは難しいため、深圳市労働組合連合会が資金集めに乗り出し、すでに100万元以上を集め、鄭さん一家への資金援助を行っているとのことです。
中国では電動バイクからの出火は、2021年から相次ぐようになりました。その出火元となるのは、バッテリーです。
● 中国で電動自転車の火災が1万件 充電バッテリーから発火、「爆弾」の声も
電動バイクには安価な中国製バッテリーが使われていることが少なくなく、安全性が問題視されています。2024年2月には、停車中の電動バイク付近から出火、高層マンションに引火して15人が亡くなる大惨事も起こっています。
● 中国の高層住宅で火災、59人死傷 停車の電動バイク付近から出火か
アメリカやイギリスでも近年、電動自転車やスクーターの家事が相次いでおり、その原因はやはり中国製バッテリーだとも言われています。
● 英で電動自転車・スクーターの火事相次ぐ バッテリーが突然発火も
● 電動バイク原因、NYで火災急増 充電不適切→バッテリー発火 屋内保管巡り物議も
この記事の著者・黄文雄さんのメルマガ
新宿で爆発した電動アシスト自転車のバッテリーも中国製
2024年8月には、韓国の仁川市で、中国の電池メーカー、孚能科技(ファラシス・エナジー)製の車載電池を搭載していたメルセデス・ベンツ製のEVが自然発火し、周囲のクルマに次々に引火、100台以上が全焼または一部焼損し、煙を吸った20人以上の住民が入院する大惨事になりました。
● 中国の電池大手が「発火対策の強化」を訴える事情 韓国のEV火災事故を受け、イメージ低下を警戒
このように世界中で発火事件が起きているため、9月1日に中国四川省で行われた電池業界のフォーラムでは、電池メーカーからも危機感をあらわにする発言が相次いだそうです。
電池最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)の曾毓群・董事長(会長に相当)などは、「中国のEVおよびPHV(プラグインハイブリッド車)の保有台数はすでに2,500万台に達し、新車販売台数に占める比率が5割を超えた。安全性にかかわる問題を解決しなければ、いずれ破滅的な結果を招きかねない」と述べましたが、つまり2,500万台がいつ発火してもおかしくないということなのでしょう。
● 中国の電池大手が「発火対策の強化」を訴える事情 韓国のEV火災事故を受け、イメージ低下を警戒
中国国内以上にいい迷惑なのが、前掲のような事故が発生している海外です。
2023年5月には新宿で、非純正品の中国製バッテリーを使用した電動アシスト自転車が爆発するという事件も起こっています。
● 電動アシスト自転車が“爆発” バッテリーは中国製の“非純正品”【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG
一方で、日本のEVはバッテリー火災を起こしていないということで、やはり技術力の差なのでしょう。
● 世界的にはEVのバッテリー火災が報じられるが「日本のEV」が「燃えない」ワケ
中国のBYDは日本市場にも参入しましたが、一部のメディアから「火災リスクそっちのけ」「火災事故を軽視していないか」と苦言を呈されてもいました。
日本でも中国の電池を搭載した電動自転車やキックボードが増えてきていますが、安価だからといって安易に採用すると、危険な事態を招きかねません。とりわけ日本の家屋は木造が多いだけに燃えやすく、火災が広がりやすいこともリスクのひとつでしょう。
よくよく調べて、バッテリーは純正品かつ非中国製のバッテリーを使うべきでしょう。
【関連】“シン・万里の長城”を他国で勝手に建設する中国。領海領空に領土拡大の動きを活発化させる隣国が同時に狙うサイバー空間
【関連】下水に溜まった油を「食用」の衝撃。なぜ中国は豊かになっても“毒食品”が流通し続けるのか?
【関連】「死ね!二度と泊まらない」日本のホテルで中国人客と台湾人スタッフは何故トラブルになったのか?
【関連】ついに日本人男子児童が中国で襲撃され死亡。それでも謝罪せぬ習近平政権に日本政府が取るべき対応
【関連】日本の政界にも“入り込み放題”か?中国人スパイに狙われる「スパイ防止法」なき我が国の大問題
『中華思想の正体と行方 中国の恐ろしい未来』
好評発売中!
image by: TLF / Shutterstock.com
※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2024年10月23日号の一部抜粋です。初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込660円)。
初月無料購読ですぐ読める! 10月配信済みバックナンバー
- 世界中で火災を引き起こしている中国製バッテリーに注意(10/23)
- 他国領土に「新・万里の長城」を密かに築く中国/台湾の民主主義は決して負けない(10/16)
- 豊かになってもニセ・毒食品が横行する中国の相互不信社会の闇/日台の指導者層が揃って台湾を「国」と呼んだ意図(10/9)
- 中国人とは民間交流さえ危険な時代/中国人による残虐事件が頻発する背景(10/2)
こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー
※ 初月無料の定期購読手続きを完了後、各月バックナンバーをお求めください。
- 自らの「野蛮性」を告白した中国/大人気の日本居酒屋が台湾出店(9/25)
- 経済不振でインフラ崩壊、偽物食品が横行する中国/なぜ中国で日本人憎悪が高まっているのか(9/18)
- 各国で相次ぐ中国スパイ事件、日本にも100%潜入/日台をつなぐ台湾駅弁の歴史を学ぼう(9/11)
- メディアや研究者も逃げだす中国の危険な状況/柯文哲逮捕! その背景と民衆党の今後(9/4)
- メルマガ事務局より読者の皆様へ重要なお知らせ/NHK放送ジャック問題、局内に中国スパイが潜む懸念も?/いまだ続出パリオリンピックでの中国問題(8/28)
- 中国人スタッフによるNHK放送ジャック、「尖閣」以外にもあった危険な発言/若者に人気の民衆党・柯文哲に不正疑惑(8/21)
- 韓国政府は日本の「汚染水」風評加害者に謝罪と賠償を求めるべき/台湾に学ぶ「国の名誉のために戦った者」への敬意の示し方(8/14)
- 中国の台湾侵攻を描いたドラマ、予告編が世界に衝撃を与えたその内容/分断と対立が目立つ大会、中国からの嫌がらせをフランスもIOCも黙認?(8/7)
- パリ五輪、政治利用と不満噴出の中国、称賛される日本/夏休み、台湾映画が熱い! 注目作品が続々日本公開(7/31)
- パリ五輪「世界の一員」をアピールする台湾へ中国のいやらしい恫喝/パリ五輪後、高まる「中国の台湾侵攻」の懸念(7/24)
- 「もうトラ」で急変、台湾有事と次の日本首相の行方/ますます露骨で強引な浸透工作を展開する中国(7/17)
- 最近の中国で甚大な水害が発生する人的理由と高まる習近平への怨嗟/都知事選以降、「極左化」に引きずり込まれる第一野党の行方(7/10)
- 反日ができなくなった中国の焦り/繁栄する台湾、没落する中国(7/3)