「死ね!二度と泊まらない」日本のホテルで中国人客と台湾人スタッフは何故トラブルになったのか?

Nara,,Japan,-,April,14,,2019:,People,Tourists,Family,Crowd
 

あくまで「一つの中国」を主張し、台湾独立の動きを過度に警戒する中国政府。習近平政権下においては、民間の中国人との交流にも注意を払う必要があるようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、すべての中国人観光客が「秘密警察」の役割を担う可能性があると指摘。その上で、彼らとの何気ない会話の中にどのような危険性が含まれているかについて解説しています。

※ご高齢ということもあり、今年3月からメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の「ニュース分析」コーナーの執筆をスタッフに任せて、自身は「国家論」の連載に集中していた台湾出身の評論家・黄文雄さんが、7月21日に85歳で永眠されました。今後もメルマガは黄さんの思いを継ぐスタッフにより継続されます。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:【中国】中国人とは民間交流さえ危険な時代

すべての中国人が“秘密警察”の役割を担う可能性も。習近平政権下では民間交流すら危険極まりない理由

中国人客が台湾人スタッフに「台湾は中国のもの」と発言するよう強要

9月末、日本のホテルに宿泊した中国人の客が、台湾人スタッフに対して、「台湾は中国のものだ」と無理やり言わせようとしたトラブルがあり、台湾でも批判的なニュースとして大きく扱われています。

中国人観光客は台湾人スタッフとのやり取りを撮影し、SNSにアップしていました。台湾の「自由時報」には、その動画がアップされていますが、自分は台湾人だというスタッフに対して、中国人客が「中国人と言え」「台湾は中国のものだ」と繰り返し主張して、スタッフの発言を変えさせようと執拗に絡んでいる様が映し出されています。

日本飯店台灣員工堅稱「台灣不是中國的」 小粉紅氣炸退房

最後に「おまえは台湾独立派だ」などと威圧的な捨て台詞を残してホテルを去ったようですが、中国人客は旅行予約サイトにこの動画を投稿して、「台独派は死ね!二度と泊まらない」とコメントしたそうです。

感銘を受けたのは、この台湾人スタッフが常に冷静な口調で、しかしはっきりと、「台湾は中国のものではありません」「私は台湾人であり、中国人ではありません」と反論していたことです。

以前のメルマガでも書きましたが、最近、台湾の芸能人が中国側の圧力で「私は中国人」だと発言せざるをえないケースが増えています。台湾当局は、中国当局が台湾芸能人に言論を制限する同意書への署名を共用したり、税務調査をちらつかせて脅迫していると明らかにしています。

「私は中国人」台湾芸能人が相次ぎ発信、約100人 中国当局が“脅し”

このような、台湾人に「自分は中国人」だと言うように迫る動きが、一般中国人のあいだでも起こっているということなのです。しかも、中国国内ではなく、日本国内でそのようなことを行う中国人がいることが大問題です。

2008年の北京オリンピックの際には、日本の長野を通過する聖火リレーで、中国当局は留学生3,000~5,000人を動員。当時はチベット人虐殺に対する中国への抗議活動が活発な時期でありましたが、大動員された中国人が五星紅旗を振り、こうした抗議ムードを薄め、歓迎ムードを盛り上げていました。

中国人の来日目的が観光から「敢行」に変わる日

当時、中国人が続々と長野に結集し、沿道を五星紅旗で埋め尽くす様子を見ていた日本人の多くは、その動員力と、日本ではないかのような異様な光景に、大きな脅威と嫌悪感を抱いたものでした。

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