「死ね!二度と泊まらない」日本のホテルで中国人客と台湾人スタッフは何故トラブルになったのか?

 

中国人観光客との何気ない会話で最悪「死刑」も

今年7月、中国は台湾独立を勧める行為を違法とする「反国家分裂法」に違反したとして、台湾人15人を拘束しました。この罪状で有罪になると、最高刑は死刑もありえます。また、台湾側は、中国以外の第三国においても、中国と犯罪人引き渡し条約を結んでいたり、中国が海外警察拠点を設置している国では、台湾人が拘束され、中国に護送される恐れがあるとして、注意喚起をしています。

加えて、外国人であっても、台湾の独立を指示したり、台湾の国際的地位の向上などを支持すると、拘束されるリスクがあるとも指摘されています。

中国、「反分裂法」違反などで台湾人15人拘束 最高刑は死刑の指針で台湾警戒

つまり、海外で中国人から「台湾は中国か否か」と問われ、「台湾は中国ではない」などと答え、その様子がSNSなどでアップされてしまうと、台湾独立派として、海外で逮捕される可能性があるということなのです。

これは香港についても同様です。2020年に制定された香港国家安全維持法では、香港独立など「国家分裂扇動の罪」を犯すと、海外にいる外国人でも取り締まりの対象となるのです。

国安法めぐる通報40万件、日本留学中でも 香港「密告」に息苦しさ

いわば、今回の中国人観光客は、海外で中国当局の意に反する者たちを探り、それを中国当局に告発するという、「秘密警察」としての役割を果たしたということであり、すべての中国人観光客が同様の役割を担う可能性もあるのです。

そもそも中国には、組織や市民にも情報収集の協力を義務付ける「国家情報法」があり、海外で台湾独立派やその支持勢力を探ることは、中国当局が望んでいることでもあります。

したがって、中国人との何気ない会話の中で、台湾独立派や香港独立派、またはそのシンパや協力者だと思われた場合、中国当局へ通報され、いつか中国やその親交国へ行ったときに拘束される危険性すら否定できないのです。

一般中国人との気軽な会話でも、警戒しなくてはならない。現体制の中国では、民間交流すら非常に危険な行為だと言わざるを得ないのです。

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