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令和ロマン・髙比良くるまの違法賭博に同情論。ダブスタクソ警察!? パチンコ換金は「存じあげない」のにオンラインカジノは「犯罪です!」に反発も

オンラインカジノでの違法賭博を謝罪した「令和ロマン」髙比良くるまに対する同情論が巻き起こっている。この騒動、同じ“吉本芸人の不祥事”とは言っても、松本人志問題とはまったく異なる背景があるようだ。

なぜ?令和ロマン・くるまのオンカジ騒動に巻き起こる同情論

芸能界の“オンラインカジノ汚染”が拡大している。

吉本興業所属のお笑い芸人らが、ネット上で違法賭博をしたとして、警察から任意の事情聴取を受けている騒動。ついに、M-1グランプリ2連覇王者の「令和ロマン」髙比良くるま(30)にまで飛び火する異常事態に発展した。

くるまは15日、コンビの公式YouTubeでオンラインカジノ疑惑の報道を認め、相方の松井ケムリ(31)とともに、「すべての皆様にご迷惑をおかけしたことを深く反省しております」と約5年前の“違法行為”を謝罪した。2019年末から2020年末にかけて、大学時代の知人に誘われ海外口座から業者に送金したが、違法性はないとの説明を受けていたという。

この騒動、直近のテレビ報道では「違法賭博は犯罪だ」「くるまも他の芸人も猛省が必要だ」という論調が支配的となっている。ただ、世間のホンネは必ずしもそうではないという。ネットメディア編集デスクが説明する。

「松本、中居、フジ問題が冷めやらぬ中、吉本も各番組も今は平身低頭、ひたすら謝るしかない状況です。ですが、YouTubeのコメント欄やSNSをみると、今回のくるまの謝罪は大げさすぎるとの声が多い。“被害者が存在しない”事案であることに加え、警察の“見せしめ事情聴取”に対する強い反感があるようです」(ネットメディア編集デスク)

とはいえ近年、オンラインカジノにゲーム感覚でハマり、多額の借金を抱える若者が急増していると聞く。違法賭博は反社会的勢力の資金源となる恐れもあり、だからこそ「公営競技」が運営されている。彼らは「令和ロマン」のファンなのかもしれないが、さすがに擁護が過ぎる気もするが――。

しかし、国内外のギャンブル事情に詳しい競馬紙ライターは次のように指摘する。

「くるまさんに同情的なのは、決して『令和ロマン』のファンだけではないんですよ。警察は公営ギャンブルでも何でもない違法賭博の王様たるパチンコ・パチスロを放置して、“オンラインカジノ潰し”に打って出ています。これが明らかなダブスタだと批判されているのです。“吉本もテレビ局も世間様に顔向けできない”今の空気を悪用して、警察が自らの利権拡大を狙っていると見る向きさえあります」(競馬紙ライター)

パチンコを野放しにする警察の“ダブルスタンダード”に根強い批判

じっさい、動画サイトや掲示板では、《違法賭博ってパチンコのこと?》《オンカジよりパチスロのほうが悪質やんけ》《警察はヤクザ。パチンコ賭博の総元締め》など、警察やパチンコ業界への批判が目立つ。

オンラインカジノよりも、全国の一等地に立ち並ぶパチンコ・パチスロ店を問題視する声のほうがむしろ多いくらいかもしれない。

さらには、パチンコ・パチスロ機を規制する立場の警察関係者が業界と癒着して、パチンコ関連企業に天下りしているという事実も“ダブルスタンダード”との批判に拍車をかけている。巷でくるま同情論が広がるのも無理はない事情があるようだ。

令和ロマンよりも警察のほうがヤバい「明確な理由」

興味深いのは、警察が「パチンコで換金が行われているなど、まったく存じあげないことでございまして」(朝日新聞 2014年8月26日)との認識を示しているという事実だ。

つまり、「客がパチンコを打つ⇒パチンコ店が客に景品を出す⇒景品交換所が一定レートで景品を現金化する」といういわゆる「三店方式」を、警察の人間は誰も知らないという“設定”が、今なお彼らの公式見解になっている。

先の競馬氏ライターが言う。

「小学生の子供ですら知っている常識を知らないようでは、警察は受け子未満の無能集団と言わざるを得ません。ネットで“ダブスタクソ警察”と揶揄されるゆえんです。それだけでも赤っ恥なのに、一方で最近の彼らは、なぜかオンラインカジノにだけはとても詳しくなっている(笑)。なぜだかわかりますか?もちろん、市民を違法賭博から守るためではありません。警察にとってオンカジは“商売敵”だから――というのが業界での定説となっています」(前出の競馬紙ライター)

警察のWebサイトを見ると、「オンラインカジノを利用した賭博は犯罪です!」「『知らなかった』では済まされません!」など、必死の形相で制作されたと思しき啓発ポスターが目に飛び込んでくる。

そんな彼らがなぜ、パチンコの「三店方式」について『まったく存じあげない』という説明で済ませているのか?容易に理解できないのはたしかだ。

今、くるま同情論と警察批判がセットで巻き起こっているのは、今回のオンラインカジノ騒動について、多くの市民が「しょせんは違法賭博の胴元同士の“シマ争い”にすぎない」と冷めた目で見ているからかもしれない。

そう考えると、くるまと相方のケムリが謝罪動画で見せた、あたかも人でも殺めてしまったかのような神妙な表情が、不条理なお笑いネタにも感じられてくるから不思議だ。

くるまが国内で違法な賭場を“開帳”し客から金を巻き上げていたというならまだしも、5年も前のオンラインカジノ利用だ。

それを今さら突っつこうとする警察の必死さのほうが、むしろ闇深いとも言える。この“競合潰し”は警察にとって藪蛇となるかもしれない。

日本人ターゲットのオンラインカジノは特に危険

警察の啓発ポスターを挙げるまでもなく、「オンラインカジノの危険性」が叫ばれて久しい。ゲーム感覚でハマる、借金漬けになる、といった警告をよく見かけるようになった。

これに関して、先の競馬紙ライターが指摘する。

「世間一般で『オンラインカジノの危険性』とされる内容の大半は、正確には『ギャンブル全般の根源的な危険性』にすぎません。つまり、ギャンブルにハマる人間なんて全員、私も含めて人間のクズなのであって、オンカジにハマる人間だけが特別にダメというわけではないのです(笑)。オンカジならではの注意点は、運営元のはっきりしない新しい業者や送金手段を利用してしまうと、資金持ち逃げや確率操作(八百長)など、カウンターパーティーリスクが高まることでしょう。特に日本人をメインターゲットにした“日本語が通じる業者”は比較的、怪しいところが多いので気をつけないといけません」(前出の競馬紙ライター)

オンラインカジノにはギャンブル依存の危険性があるとされる。多重債務を抱える若者が増えているほか、テロ資金などになる危険性もあると聞くが――。

「『お馬で人生アウト』という競馬ファンの間で有名な言葉がありますが、パチスロ北斗の拳でも、FXのユロスイでも、オンカジでも、ギャンブルは付き合い方を間違えるとすぐに人生アウトになります。ギャンブル依存や借金の危険性でいうなら、どれも似たようなものですよ。またテロ資金に関していえば、警察自体がヤクザじゃないかという指摘はさて置くとしても、パチンコ業界から北朝鮮への長年に渡る送金は無視できないでしょう。それが巡り巡ってわが国にテポドンとして落ちてくるとすれば、パチンコ業界と癒着している警察はテロの総元締めとも言える。こんなこと、常識のある社会人は表立っては言いません。でも、誰でも知っていることです。だからこそ今、多くの人がくるまさんを擁護したくなるのではないでしょうか?」(前同)

オンラインカジノは犯罪。酒を飲んでママチャリを漕いでも犯罪。ところがパチンコの換金だけは「まったく存じあげない」とする警察は、今後注力するであろう取り締まりで、市民の協力を得られるだろうか。いささか以上の不安を感じる。

「無理でしょうね。今のオンカジはビデオポーカー的なものではなく、生身のディーラーがライブ配信で客を相手する形式が人気ですし。たとえば、日本でテキサス・ホールデムを上手くなりたいとなると、お金を賭けないポーカーハウスでお酒を飲みながら、ちょっと不慣れな女性ディーラー相手にルールを教えながらプレイ……みたいな形になりがちです。でも、オンカジなら世界レベルの強者とも出会えますし、世界大会で上位に進出する国内有名プレイヤーも普通に利用している。この流れは止められないと思いますよ」(前同)

競馬紙ライターによると、オンラインカジノ以外にスポーツベッティングも利用者が多く、たとえば日本の中央競馬を対象に、「JRAのオッズとの乖離を利用して“トリガミ”を防止する馬券術もある」とのこと。ここまで普及してしまうと、警察の取り締まりの実効性には疑問符がついてしまう。

もっとも、2年前に弊サイトでオンライン高校野球賭博の騒動を紹介したさいにも指摘したが、海外オンラインカジノやスポーツベッティングは日本国内では違法となっている。警察へのダブスタ批判は大いに結構だが、だからといって私たちが違法賭博に手を出してよいという話にはならない。くれぐれも注意が必要だ。

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image by: official令和ロマン【公式】- YouTube

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