65歳まで待たなくてもOK?年金のプロが教える「繰り上げ受給」で注意すべきポイント

 

2.65歳からの年金を繰上げで早めに貰う。

◯昭和38年6月2日生まれのA男さん(令和7年は62歳になる人)

1度マスターしてしまうと便利!(令和7年版)何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法。

絶対マスターしておきたい年金加入月数の数え方(令和7年版)。

15歳年度末の翌月である昭和54年4月から昭和60年2月までの71ヶ月間は厚生年金に加入する。この間の平均標準報酬月額は25万円とします。

(20歳になるのは昭和58年6月なので、昭和60年2月までの21ヶ月間が老齢基礎年金に反映します)

昭和60年3月から平成4年7月までの89ヶ月間は全額免除(老齢基礎年金の3分の1に反映)。

平成4年8月になると会社員の女性と婚姻し、平成15年7月までの132ヶ月間は国民年金第3号被保険者になる。

平成15年8月から61歳年度末の令和7年3月までの260ヶ月間は厚生年金に加入する。この間の平均標準報酬額は58万円とします。

(60歳の前月である令和5年5月までの238ヶ月が老齢基礎年金に反映)

さて、A男さんは生年月日としては65歳から厚年も国年も受給する人です。まだ2~3年ほど先という事になりますね。

ですが、A男さんは関節の病気により動く事が不自由になってしまったので(障害手帳あり)、自己都合退職する事になりました。

退職後の令和7年4月にハローワークに行って、就職困難者として5月から令和8年4月まで360日分まで失業手当を受給しました(1年以上の雇用保険期間がある人は360日受給)。

令和8年5月からは失業手当も無くなるので、貯蓄だけでなく何かもう少し収入が欲しいと思ったので年金の繰上げを希望する事にしました。

本来の65歳の前月(令和10年5月)よりも繰り上げ請求月である令和8年5月は25ヶ月早める事になります。(繰上げ減額計算は請求月から65歳月の前月までで数えます)

その前にA男さんの年金記録をまとめます。

・厚年期間→71ヶ月+260ヶ月=331ヶ月(基礎に反映するのは21ヶ月+238ヶ月=259ヶ月)

・全額免除(平成21年3月までの期間)→89ヶ月

・国民年金第3号被保険者期間→132ヶ月

年金受給資格期間10年は満たしていますので、年金の繰上げをする事ができます。

まず65歳時点の通常の年金額を計算します。

・老齢厚生年金(報酬比例部分)→25万円×7.125÷1000×71ヶ月+58万円×5.481÷1000×260ヶ月=126,469円+826,535円=953,004円

・老齢基礎年金→831,700円(令和7年度基礎年金満額)÷480ヶ月×(259ヶ月+3号132ヶ月+全面89ヶ月÷3)=831,700円÷480ヶ月×420.667ヶ月(小数点3位未満四捨五入)=728,893円

・老齢厚生年金(差額加算)→1,734円(令和7年度定額単価)×331ヶ月ー831,700円÷480ヶ月×259ヶ月(20歳から60歳までの厚年期間)=573,954円ー448,771円=125,183円

・加給年金→415,900円(令和7年度価額)

よって、65歳時点の年金総額は老齢厚生年金(報酬比例部分953,004円+差額加算125,183円)+加給年金415,900円+老齢基礎年金728,893円=2,222,980円(月額185,248円)

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