“エサ米”発言が大炎上。デリカシーがなさすぎた玉木代表の正論
迷いの中、玉木代表は5月28日、衆院農林水産委員会で質疑の場に立った。答弁を求める相手は、小泉進次郎・農水大臣だ。
就任してわずかな間に、「5キロ2000円のコメ」政策の実行でマスコミ注目のマトとなり、みるみる政界の主役に躍り出たその人に対して、ついこの前までスポットライトを浴び続けていた玉木氏はさぞかし複雑な思いだっただろう。
気負った玉木氏は、古い備蓄米を安く売ることばかりに関心を集めようとしている現状について、「これだけ備蓄米がスッカラカンになったら、ミニマム・アクセス米を入れなければならなくなるかもしれない。農政の王道は国内でちゃんと生産できるようにして、安定的な主食たる米の供給に国家が責任を持つことだ」と真っ向から正論をぶつけた。
つまり、小手先の対策より、農政改革を進めなくてはコメ不足とそれによる価格高騰は解決できないと主張したわけだが、そのあとの発言がメディアの餌食になった。
「あと1年経てば動物のエサになるようなものを安く売りますったって、そりゃ安く出ますよ。一般の人の感覚はなにかというと、ササニシキとかコシヒカリとかそういった米をリーズナブルな値段で買いたい。エサ米にまわるようなコメを、はい安く出ましたというようなニーズではない」
備蓄米は10年に1度の不作にも耐えられるよう100万トン程度を目安に保管されることになっている。政府は毎年約20万トンを買い入れ、約5年を過ぎた米は飼料用米などとして売却している。今回放出された古古古米(21年産米)は4年が経過しており、あと1年で飼料用米にまわされる予定だった。
つまり、玉木氏は間違ったことを言ったわけではない。「1年経てば動物のエサになる」という言い方には、あまりにデリカシーがなさすぎた。
玉木氏は30日夜になって、SNSで「お米を待ち望んでいた皆様にとって大変不快なものであったと、深く反省しています」と謝罪したが、時すでに遅しである。(次ページに続く)