実態なき正義のヒーロー「小泉進次郎侍」に斬り捨てられた玉木代表の不覚。“備蓄米はエサ”騒動で正論が敗れたワケ

 

あえて小泉農相を「暴れさせている」森山幹事長の真意とは?

実態よりもこうした報道に踊らされているのが、自民党農水族の議員たちだ。小泉大臣が別に“宣戦布告”したわけでもないのに過剰反応をする。

抵抗勢力と見られるのが嫌なら黙っておけばいいのに、野村哲郎元農林水産相は鹿児島県鹿屋市で開かれた自民党の森山裕幹事長の国政報告会であいさつし、こう語った。

「森山先生は部会長もされたし、農政の自民党の政策決定のトップですが、相談に来ていないと思います。農林部会にかけて、古米なり、古古米の販売を随契でやるとか(了承をとらず)、もうほとんど自分で決めて自分で発表してしまう。森山先生からチクリとやっていただかないと、今後心配だ。ルールというのを覚えていただかなきゃいかん」

幹事長に相談することも党の農林部会に諮ることもなく独断専行で政策を進める小泉農相に苦言を呈し、森山幹事長にも同調を求めたものだが、これではみずから“抵抗勢力”と名乗ったようなものである。森山幹事長に同行した記者たちがその場にいたため、大きく報道されてしまい、お気の毒なことではある。

むろん、森山幹事長が、野村氏の“要請”を真に受けるはずもない。6月2日、農水省を訪れて小泉農相と面会した後、「(小泉)大臣は当然のことをした」「時間との戦いだったので、仕方がなかった」と記者たちに語って平然としていた。

森山幹事長の腹のうちには、農協・農水族議員・農水省の鉄のトライアングルの利権が侵されない範囲で小泉大臣には暴れてもらい、政権浮揚につなげられればそれでいいという冷めた見方がああるようだ。

玉木氏を押しのけて有力な“総理候補”に浮上してきた小泉進次郎氏。今度こそメッキが剥がれなければいいが。

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