中国・習近平主席が忌み嫌う「屋台経済」は国際金融資本打倒の夢を見るか?進化する草の根露店ビジネスに再評価の兆し

 

中国の真似をする必要はなし。日本独自の「屋台経済」を

日本も似たようなものではないでしょうか。株価は上がりましたが、それで生活が豊かになったと感じている人はほぼ皆無です。

日本人がこれだけ勤勉に働いているのに、豊かさを実感できないのは、グローバル化した金融資本に搾取されている証拠です。

たとえば、テレビで喧伝されているような「国際分業」といった考えも程度の問題で、行き過ぎれば地域の産業を壊滅させます。

かつて、「国際競争力」という言葉を金科玉条のごとく絶対視した結果、何が起こったのか思い出しましょう。日本の繊維産業はほぼ壊滅し、それで日本という国は、日本の国民の暮らしは豊かになったのでしょうか?

かつて、西欧列強が武力で世界を植民地化し分割支配した「帝国主義」の時代は、形を変えて、現在も続いているのです。覇権を争っている主体が、国家から国際金融資本や多国籍企業に替わっただけのことです。

相変わらず、「グローバリズム」と「資本の論理」が、各地域の独自性や創造性そして可能性を押し潰して、画一的で効率的な生産ユニットに造り変えようとしています。

こうした「金融経済帝国主義」に一石を投じるのが「屋台経済」なのです。「屋台経済」のキーワードは「伝統」「地域性」「身近な人のニーズ」「小規模で身軽」といったところでしょうか。

もちろん、中国の真似をする必要はありません。日本人の有能さ、独創性の高さを、今こそ活かすべきです。

大河ドラマの『べらぼう』が存外ヒットしていますが、江戸時代に開花した庶民文化には、日本独自の可能性を示すヒントが溢れています。たとえば、寿司や蕎麦、お稲荷さんなどの「ファースト・フード・デリバリー」は江戸の街から生まれました。

今時ですから、ネットもAIも自由に遠慮なく活用しましょう。最初から国際的に通用するかどうかなどということは考えないことです。まずは自分たちが面白ければ良い、自分たちにとって価値があれば良いのです。

周囲の仲間が喜ぶ商品やサービスを提供する、それが「屋台経済」です――

(メルマガ『富田隆のお気楽心理学』5月28日配信号「屋台経済」より一部抜粋、再構成。この続きやメルマガ最新号はご登録のうえお楽しみください。初月無料です)

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