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高市早苗の大失敗。公明への“挨拶”より国民民主との“密談”優先の「無礼」に創価学会も激怒、連立「離脱」で失う63議席一覧

「下駄の雪」と揶揄されながらも26年の長きに渡り自民党を支えてきたものの、ついに連立関係を解消した公明党。その裏には、高市早苗新総裁の「公明軽視」があったとの見方が大勢を占めています。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野孟さんが、公明党が長年の連立関係を断ち切るに至った経緯を整理し解説。さらにこの「連立崩壊」で自民党が失う議席数及び落選危機に陥る議員を予測しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:公明党の連立離脱で議席を失いそうな衆議院議員の一覧/高市の軽率が招いた自民党没落の加速

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

公明党の連立離脱で議席を失いそうな衆議院議員の一覧/高市の軽率が招いた自民党没落の加速

高市早苗自民党総裁は10日の自公党首会談の後、顔を引き攣らせながら「一方的に連立政権からの離脱を伝えられました」と述べた。これについて公明党の斉藤鉄夫代表が「ちょっと意外だ。言葉の使い方としておかしいのではないか」と言ったのはその通りで、高市は一言でいって社会人としての口のきき方を知らない。

斉藤はその会談の席上、政治とカネの問題について曖昧にせず、特に企業・団体献金のあり方では受け皿を政党本部と都道府県組織に限定する規制強化案を受け入れるよう前執行部にも何度も申し入れてきた経緯を説明した上で新執行部の対応を問うたのだが、これまでと同様の「検討する」との答えしか得られなかったので、ついに我慢できなくなって離脱を決断したのであって、それを「一方的」というのは誰が考えてもおかしい。

ただ単に「私は悪くないのよ。先方がいきなりそう言い出してきたんですからね」という自己弁護の言葉でしかない。

さらに彼女は、「自分は悪くない」という印象を与えようとして、「総裁が私でなかったら、このような連立離脱はないのですか」と問うたのに対し、斉藤が「今回の総裁選挙で誰が選ばれていても同じです。これまでの執行部にも何度も申し入れてきた課題だから」と答えたことを明らかにした。

が、これは、誰が総裁になっても同じように政治とカネの問題への姿勢を問いかけて連立離脱の判断をするつもりだったことを言っているだけで、別に彼女の評価に関わる話をしているわけではない。

このように、あらゆる機会を捉えて「自分は悪くない」と言い続けるタイプの人はいるもので、安倍晋三にもその傾向があった。高市は安倍の変なところも引き継いでいるように見える。

しかし私に言わせると「こんなことになった」については、やっぱり、高市さん、「あなたが悪いのよ」。

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自公選挙協力がなくなると

高市は4日の総裁選で新総裁に選ばれて最初にしたことは何かと言うと、翌5日に国民民主党の玉木雄一郎代表と秘密裏に会談し、「早期に連立の枠組みの拡大を目指すので今後の協力を要請した」(10月6日付毎日)。これはおそらく、これからできるであろう高市政権の事実上のオーナーとなるはずの麻生太郎の指示に基づくアクションだと推測されるが、これが致命的な失敗だった。

第1に、自民党の新総裁が真っ先に行うべきは26年来の連立パートナーである公明党代表に会って引き続き協力をお願いすることであって、それをしないで別の党に会いに行くというほど無礼な話はない。高市にはそういう普通の社会常識がない。

第2に、確かに連立の枠組みは政権の維持のために拡大する必要があるが、国民民主党と公明党では「連立」の意味が違う。前者は国会レベルでの人数合わせという言わば空中戦でしかないが、後者は全国のほとんどの選挙区での自公選挙協力という地面に足を下ろした実体的な基礎を伴う。

高市も麻生も選挙にはめっぽう強く、自公協力の有り難みなど感じたことはないから、その違いが分からず、公明への挨拶を後回しにするという無礼を平気で働けるのである。大失敗だった。

公明の選挙協力がなくなるとどうなるか。かつては創価学会の集票力は1選挙区当たり平均3万票と言われたものだが、力の衰えが目立つ近頃では1万票から多くて2万票というところではないか。

もちろん都会部の農村部では違うし、個々の選挙区によっては特殊事情がある場合もあるだろうが、以下では、自民党で公明の推薦を受けて選挙区で当選している者のうち、次点との間の票差が1万票未満の「落選確実」組25人●、2万票未満の「落選危険」組19人◎、さらに念のため3万票未満の「落選可能性」組19人▼を一覧する。

自民党にとって最悪の場合、63議席を失い、それに肉薄している次点者は立民が46、国民が9、維新が6で、単純計算では各野党はそれだけ議席増が見込める。自民は現状196-63=133に対し立民は現状148+46=194、維新は35+6=41、国民は27+9=36となる。

繰り返すが、あくまで単純計算である。しかし、高市の軽率な言動がすでにどれほどの潜在的ダメージを自民党に与えているのかを推量することは出来るだろう。

★ 公明の連立離脱で議席を失いそうな衆議院議員の一覧――(メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2025年10月13号より一部抜粋・文中敬称略。「公明の連立離脱で議席を失いそうな衆議院議員の一覧」を含む続きをお読みになりたい方はご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。

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