クリスマスの旋律がつなぐ、支援の現場で感じる「今」と平和への願い

 

クリスマスの音楽が人を惹きつけるのは、イエス・キリストの誕生というストーリーが、身近な私たちの物語へとつながっているからで、これは新国立劇場バレエ団の「くるみ割り人形」を12月21日に観劇したことで確信することになった。

「新国立劇場の冬の風物詩として、開場以来バージョンを変えながら愛されてきた」(同劇団ホームページ)題目は、今回の2025年年末から2026年始のシーズンで、英国の振付家ウィル・タケットによるオリジナル版が披露された。

舞台はクリスマスのパーティーでにぎわう家や街の様子から始まり、夢の中で旅をする展開は未知の世界との出会いの連続。

それが華麗な踊りで表現され、時には荘厳、時にはコミカルな演奏に心つかまれる。

クリスマスがもたらす平和はそこはかとなく、美しい。

観客の私は、その舞台に「今」を共有したことを感じ入る。

荘厳で華やかなクリスマスは私の日常に存在するはずだ、と。

それは悪いことではない。

みんなの大学校のクリスマスに際した「音楽でつながろう」では、河野彰さんのギターでジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス」を演奏した。

題目は「ハッピー」だが、この曲は、幸せなクリスマスの風景から、それを共有できない世界に目を向け、有名なフレーズ「WAR IS OVER」に行き着くことになる。

「とても幸せなクリスマス 黒でも白でも 黄でも赤でも 止めよう 全ての争いを 争いは終わる もし君が望むなら 争いは終わる 今この時に」。

幸せなクリスマスはすなわち、人への幸せを祈ることにもつながる。

それが「今」を生きるということなのだろう。

今年も支援が必要な方々と、一緒に「祈れた」のが何よりもうれしい。メリークリスマス。

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障がいがある方でも学べる環境を提供する「みんなの大学校」学長として、ケアとメディアの融合を考える「ケアメディア」の理論と実践を目指す研究者としての視点で、ジャーナリスティックに社会の現象を考察します。

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