株価のヒントは銅にあり!「金/銅レシオ」を使いこなそう
2015年に入ってからも堅調に推移している日米の株価ですが、足元はレンジ相場が続いています。
明確な方向性がなく、目先の材料でリスクオン・リスクオフが目まぐるしく移り変わるため、投資タイミングをはかりづらく感じる方も多いのではないでしょうか。
上がるにせよ、下がるにせよ、そろそろどちらかに大きく動いてもおかしくない時期!ということで、今回は、株式相場の方向性を見極めるのにも便利な「ゴールド/カッパーレシオ(金価格/銅価格レシオ)」をご紹介します。
直近の金/銅レシオは、日米株価が堅調に推移するなか急伸。2015年に入り一時500を超えるなど、比較的高い水準で推移しています。これにはどんな意味があるのでしょうか?
ゴールド/カッパーレシオの計算方法
ゴールド/カッパーレシオは、金価格を銅価格で割るだけで計算できます。
例えば、金価格が1トロイオンス1200ドル、銅価格が1ポンド3ドルなら、ゴールド/カッパーレシオは、
1200 ÷ 3 = 400
となります。
- 金価格が上昇、銅価格が下落 → ゴールド/カッパーレシオ上昇
- 金価格が下落、銅価格が上昇 → ゴールド/カッパーレシオ下落
という関係になっていることが分かるかと思います。カンタンですね!
金/銅レシオの意味と株取引での生かし方
金は有事や金融危機の際に、現金や国債に並ぶ安全資産として逃避買いの対象になりやすい商品です。
いっぽう、銅は現代の経済活動に欠かせない代表的な金属材料のひとつですから、景気の先行きが不透明になれば、需要後退への思惑から売られやすくなります。
このことから、おおまかに、
- ゴールド/カッパーレシオ上昇 → 弱気相場
- ゴールド/カッパーレシオ下落 → 強気相場
と言えます。
では、このゴールド/カッパーレシオ、株取引にどのように生かせるでしょうか?分かりやすい使い方としては、
- 株価上昇局面で、今後も強気のスタンスを維持すべきかどうか?
- 株価急落直後に、押し目買いを入れるべきかどうか?
など、大まかなトレンドを判断する際の参考材料とするアイデアがあります。
例えば、定期的に平均株価とレシオのチャートを比較し、
- 株価は堅調なのに、ゴールド/カッパーレシオが先行して上昇
- 株価は軟調なのに、ゴールド/カッパーレシオが先行して下落
といった矛盾が生じていないか観察するわけです。
通常、ゴールド/カッパーレシオは強気相場で下落、逆に弱気相場で上昇しやすい性質があります。レシオが常に正しく機能するわけではありませんが、「相場でいつもと違う何かが起こりはじめた」と察知できれば、株価のトレンド転換にいちはやく対応できる可能性は高まるでしょう。
銅価格は株価に先行する?
世界経済と密接に関わる銅の価格は、景気に敏感に反応すると言われます。2008年リーマン・ショックの際も、銅価格は早い段階で下落しました。
もっとも、銅の下落が、必ずしも景気後退を意味するわけではありません。実需と乖離した投機筋による売買のボリュームが、無視できない規模に膨らんでいるからです。
(参考:銅の下落に世界の投資家が注目する訳 – ニューズウィーク日本版)
株や為替と違い、まだまだ馴染みの薄い商品相場。今までウォッチしていなかった方は、ゴールド/カッパーレシオを通して、値動きをチェックしてみてはいかがでしょうか?新たな投資のヒントが見つかるかもしれません!