高市早苗の「大事なヤナちゃん」逮捕の可能性も。自分を支持せぬ首長への“予算カット”と“恩人への仕返し”が招いた自業自得

 

「有権者は神様です」から「俺を応援するのかしないのか」に

地縁も血縁も経験もない簗氏に政治の手ほどきをした人物が二人いる。一人は2010年まで20年間にもわたって大田原市長をつとめた千保一夫氏。もう一人は県議会自民会派の実力者だった三森文徳氏だ。

千保氏は簗氏の後援会で最高顧問をつとめていたが、2017年10月、簗氏が衆院選で3選を果たした後、突然、簗氏に最高顧問の役職を解かれた。以下は、10月9日の「ABEMA Prime」における千保氏の発言だ。

3期目までは一生懸命にやったんですが、終わったときに私、首切られたんです。簗大臣の後援会は初代の会長、幹事長、事務局長が辞め、最高顧問だった私も首を切られた。

簗氏は恩義を感じるべき千保氏をなぜ後援会から追い出したのか。千保氏はこう推測する。

簗さんにしてみれば、私が現職の大田原市長に大差で敗れたという思いがあったでしょうから、千保よりも私の次の市長の支援をもらったほうが、はるかに有利だと思ったんでしょうね。

千保氏は2010年3月14日の大田原市長選で、約8,000票差で津久井富雄氏に敗れ6選を阻まれている。その津久井氏が簗氏に接近し、市長在職中の19年2月以降、後援会総連合会長におさまっている。

「ある日突然、いままで敵だった私の次の市長が総連合会長になって、最高顧問の私には何一つ話もなく…」と千保氏は唇をかんだ。 

もう一人の重要人物、三森文徳氏は県議会自民会派の実力者だった。初当選以来、簗陣営の選対本部長を務めていたが、こちらも簗氏が三選を果たした後、関係が悪化した。三森氏はこう語る。

簗氏は非常に独善的で、地域の人たちの要望を知る地方議員を大事にしない。秘書にも昼夜を問わずに仕事をさせて、これまでに20人ほど入れ替わっているんです。そういう政治姿勢だったので、反りが合わなくなり決別しました。

(アエラ・デジタルより)

最初こそ「有権者は神様です。私に働かせてください」と頭を下げるが、当選を繰り返して地盤も固まってくると、「俺を応援するのかしないのか」となってきた。千保氏はそう言って嘆く。

千保氏や三森氏が遠ざかった後、簗氏は自分を支持する首長を栃木3区に配置すべく、保守分裂選挙となるのもかまわぬ積極的な候補者擁立作戦を進めたが、その目論見は必ずしもうまくいかなかった。

19年4月の那須塩原市長選。自民の佐藤勉元総務相や関谷暢之県議の支援を受けた渡辺美知太郎氏の対抗馬として簗氏は市議会前議長を擁立した。保守分裂の一騎打ちとなり、渡辺氏が初当選した。

22年3月の大田原市長選。簗氏の後援会長である津久井富雄氏の4選をめざしたが、簗氏と距離がある前県議会議長、相馬憲一氏の初当選により阻まれた。

23年4月の県議選那須烏山市・那珂川町選挙区(定数1)では、7期目を狙う三森氏の対抗馬として、簗氏の那須烏山市後援会幹事長、沼田邦彦氏を担ぎ出した。沼田氏が勝利し三森氏は引退に追い込まれたが、なぜかその後、沼田氏もまた簗氏から離れていった。

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