恩人たちを切り捨てた末に崩れ落ちていった選挙基盤
三森氏は言う。
簗氏は言うことを聞かない者は全部退治するという気持ちで政治をやっているんです。いわゆる仕返しですよね。その一つの表れが今回の発言だと思います。
17年8月、安倍一強時代の安倍派に所属する簗氏は国土交通政務官に就任し、官僚にかしずかれて尊大さを増していった。千保氏や三森氏を軽く見るようになったのもこの頃からだ。恩義のある彼らは、簗氏からみれば煙たい存在でもあったのだろう。
しかし、世話になった人々を切り捨て、そんなやり方に反発する秘書たちが次々と去っていくうちに、いつの間にか人の力の結集とでもいうべき選挙基盤が崩れ落ちていっていることに、あまりにも簗氏は無頓着だった。
今年2月の衆院選。高市人気が沸騰している中で、小選挙区を落とした事実は簗氏の行き詰りを示していた。ところが、簗氏はそれを自分自身の問題としてとらえず、支持してくれなかった首長や、政権中枢に近い自分の価値を認めようとしないその自治体の有権者のせいだと短絡的に考え、予算カットという仕返しにおよんだのではないか。
敵味方を分ける政治判断は、わかりやすいしエネルギーの結集にも役立つことがある。しかしそれは、しばしば大局観を失う原因となりやすい。地盤も看板も資金力もなかった簗氏が激戦区で生き残ろうとする過程で、より権力志向になっていくのは仕方なかった面もあるだろうが、そのために視野狭窄に陥っていたのは間違いない。
自分を過信し、支援してくれた恩人を軽く見て、思い通りにならない人々を遠ざけてゆく。その行きつく果てに待っていたのは、高市ブームの波に乗れないほどに脆弱化した選挙基盤だった。
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